エブリスタ☆ギルド


月まで蹴飛ばせ復刻版
今は亡き大集合NEOてSNSで、 このサークルのメンバーが書いたリレー小説を、 microSDに保存してたバックアップから復刻。 ※編集面倒なるので、 転載中はコメント禁止。
27PV24コメ

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書き込み 23件

>>[[21401421]]
面白かったです(ノ゜ー゜)ノ
23・ ピロ子ΘωΘ;
上げヽ(´▽`)/

懐かしい!!
以下敬称略でリレー小説を書いた作家の順番。

皆実力派ばかりだから、

気に入ったページ書いた人を検索して読みに行くべし!

①>>[[21401421]]ピロ子二代目(題も考案)
②>>[[21401425]]リラックマドン今川
③>>[[21401429]]富野鷽通季
④>>[[21401434]]ハルバート
⑤>>[[21401439]]鹿島考政
⑥>>[[21401444]]百合香
⑦>>[[21401452]]RyO
⑧>>[[21401461]]銀色ホシヒト
⑨>>[[2
⑲続き
しかしこの『月まで蹴飛ばせ』は、
同じ混沌作家としてシンパシーを感じていたピロ子二代目さんの考案と言う訳で、
自分と同じく『奇跡的な何か』に入り辛かった人達のため、
易経占いによる神話ネタと昭和仮面ライダーみたいな怪人ネタを②で書いてしまいました。


劇中で伏羲(ふぎ)が行った占問は、
高い城の男を書いた時フィリップKディックがやった様に、
俺が実際に占った結果でした。


そのため皆さんに、
逆に書き辛いバトン渡してしまったかなと後悔しましたが、
ギルドメンバーの皆さんの御蔭でこんなに暖かい話になりました。


実は自分で張った伏線回収のため二度目の投稿して、主人公が俺イメージ(

はい!ここまで読んでくれた皆さん!
実はこれNEO小説作家ギルドて名の、
水素ゆん組長のグループ内のリレー小説なんですよ。
ギルドメンバー以外の人にも読み易い様に、
逢えて説明は完結後にしました。


NEO小説作家ギルドのリレー小説『奇跡的な何か』は正統派な恋愛モノで、
混沌とよく言われる俺には入り込めませんでした!




「‥‥帝釈天は、膝の上に置いた兎さんの骨を撫でて、月へ昇運させたらしいけど‥‥。ごめんね、私、熊怪人だからさ、そんな不思議な力無いから、雉さん‥‥我慢してね」

 逞しくなった私の膝を、雉の尾に擦らせる。雉は把握すると、小さく舌打ちして「仕方ないな」と微笑んだ。

「お父さん、熊さん‥‥」

 唇を噛み締めて、ゆあが見つめている。肩越しに伏義に別れを促すと、彼は何かを振り切るように、月まで届く程の大声で──叫んだ。



「やれ! 熊怪人! 我の創造せし最高傑作よ! 貴様の内なる慈愛と逞力で、我々の夢の塊を ── 」



 雉を軽く中空に放ると、その球体は私の眼前で緩い揺らぎを見せる。覗

 ようやく絞り出す雉の強がりに、私は極力牙を見せないようにして、優しくなだめる。元々飛ぶのなんて苦手な筈の雉の虚勢に、彼のこれまでを僅か垣間見た。

「大丈夫。私が何とかするから。それと雉さん。もう少し首を竦めて、その丈夫な羽の面を私に向けておいてね」

 雉が、球体に近い形で丸まった。首もとからゆあと兎が顔を出し、伏義と私を不安そうに見つめている。



「──伏義。神様なら分かるよね? 私のやろうとしている事」

「‥‥あぁ。その昔、兎を月に昇らせたのは、『帝釈天』、だな?」

 伏義が、静かに呟く。おそらく、娘との永遠の別れを予感しながら。

「そう。そのおじいちゃんは帝釈天。帝釈天

「兎さん。あなたが月に昇ったきっかけって、たしか、行き倒れのおじいちゃんを助けるために、あなたが我が身を彼に捧げたこと、だったよね?」

 屈んでその赤く潤む瞳を覗き込みながら、私はあの伝説を確かめる事にした。

「はい。自ら火に飛び込んで炙られた僕を食べたおじいさんは、元気を取り戻して‥‥」

「うん、それで、そんなあなたの捨て身の慈悲行に心打たれたおじいちゃんが、あなたを月に上げた──」

「ええ。‥‥でもそれが何か‥‥」

 しめた、と思った。昔読んだ本は、どうやらノンフィクションだったらしい。確信は、私を行動へいざなった。

「雉さん。痛いだろうけど、少しだけ我慢してもらいたいんだ

 ゆあがその小さな掌で押さえ付ける翼から流れる血が、滲むものから次第に指の間を噴き出すものに変わり始めた。雉が呻きにうなだれ、ゆあの絶叫には涙が乗る。

「お父さん! 雉さんが死んじゃう! お願い! 助けてあげて!」

 雉を皆が囲んだ。伏義が額の汗を拭いながら娘の懇願に黙頷し、再び直角定規を取り出し術を唱える。

「そうか‥‥『傷付いた雉』‥‥」

 気付く。唐突に。私は咄嗟に伏義を制していた。

「駄目よ! 『龍は行動してはならない』でしょ? 私に考えがあるの!」

 輪の中の全ての視線が、私を視ている。私、今変わろうとしてる。他に関わろうとしなかった私が、今、他人に関わって、何とかし

「オイラさ、聞いちまったんだ。あの子神の世界とやらに帰ったら死ぬんだろ? あそこへ連れていってやるよ」
 ゆあを見据えた雉は私の耳元で囁いた。それから月に嘴を向け、背中に乗せた。月光を受けた彼らは美しく翡翠色に輝き、宙を舞った。
 私は直ぐ様太い脚で地を蹴り込み、伏羲の元へと駆け出していた。彼と兎が向かい合い、話している。
「不甲斐ないが、熊を人間に戻せてもお前を月に帰せないし、幼いあの子一人守れない」
 落胆する兎が月を見上げた。やはり月から落ちてきたのだろうと確信した。この不思議な出来事が次々に起こる中で今や疑問は意味を為さない。
「もしかしたら兎も月に帰せて、ゆあちゃんを助けられるか

人気の無い街を見渡し考える。

迷子の兎と消される運命の少女。この二人を救えば全ては解決する。

いや、忘れてた。自分、今、熊ですから。そこも何とかしないと。

ゆあを見つめる伏羲が呟く。

「良かったな、熊と兎と会えて……。」

親の想いはこんなちっぽけな星なんかより大きい。伏羲のその目は人間と全く変わらない。穏やかな父親の目だった。

しょうがない。一晩くらいは『愉快な熊さん』を演じてやるか。何にだってなれると家を飛び出して来たんだ。熊くらいお安い御用だろ?私っ。

ため息をついて振り返り、ゆあに語りかける。

「ゆあちゃん、熊さんが肩車してあげようか?」

「本当!?わぁい!!やった

「私は君達所謂、神だ。神の世では人間界に降り立つことは禁じられておる。だが降り立つしかなかった。この子が、何も知らぬまま、人間界に降り立ってしまった故に。

 この子は神の世に帰れば、禁忌を犯した罪で命を絶たれてしまうだろう。ならばせめて今日一日くらいはこの子と遊びたかった。笑顔を見ておきたかった。

 この子はまだ神としてまだまだだ。神の理すらも理解出来ていないほどに。だからどうか、お願いだ。君達には少し付き合ってもらいたい。子供の我が儘を聞いてやるのも大人の役目だろう」

 伏羲は悲しげに、嘆く様に言う。

「父様、どうしたの?」

 ゆあは首を傾げる。どうやら伏羲は私と兎にだけ聞こえ

 ──?

 少女の言葉の意味がよくわからなくて私の頭の中は一瞬で?マークで埋め尽くされてしまった。 とりあえず、私は伏羲と少女の会話に耳を傾けた。


「──私が一度で良いから熊さんと兎さんに会いたいって言ったから、父様が会わせてくれたんでしょう? ……ありがとう」


「……ああ。でも、結局人を犠牲にする事でしかお前の願いを叶える事が出来なくて──、ごめんな」


「それでも、父様が私の最後のお願いを叶えてくれたってだけで、私は嬉しいわ」


 ──??


 申し訳なさそうに寂しく微笑む伏羲と、涙目になりながらも伏羲に向かって嬉しそうに笑顔を向ける少女。
 その光景と、二人の会話

「…びっくりしたあ。熊さん、どうしたの?」

ウサギを抱いて、無邪気に私を見上げる少女。

『駄目だ、通じてない!』

ウサギの声が頭に響く。
焦りで全身の毛が逆立った。
私は顔を上げ、伏羲との距離をを測った。

『…大丈夫。この距離、この体なら、逃げられる。』

初めてこの体に感謝し、私はウサギごと少女を抱き上げた。
「高い高いー!」なんて燥ぐ少女に少し苛立ちながら、私は踵を返す。
…しかし、伏羲を見つけた少女の言葉に、私の足は止まった。

「あっ、父様!」
「…ゆあ、ここにいたのか。」
『…父様?』

ごく普通に返事を返す伏羲。
ゆあと呼ばれた少女は、呆然とする私の腕を抜け出し、伏羲に


月?まさかね…

いや、近況を顧みるとあながち有り得ない話じゃないないのか。この可愛らしい兎が餅をつくのを想像したら自然と口元が緩んだ。

見上げる視線を一向に落とさない兎の背後から、パタパタと足音が聞こえてきた。

「兎さん、見ぃつけたぁ」

小さな女の子が兎を目掛けて駆け寄ってくる。パタパタと可愛らしい足音をたてながら兎に辿り着くと、無邪気に抱き上げ頬擦りを始めた。

真っ赤なワンピースと耳元に光る白い貝殻の小さなイヤリング。女の子は私に気付いて地団駄を踏み指を指す。

「あっ、熊さんだ!熊さんも一緒だぁ」

我に返りドキッとする。やっぱり私は熊なのか。

「近くで見たの初めてだ、お


 どうにもおかしい。

 廃墟であるから人がいないのは当然だ、しかし人の姿は見えないのに耳には確かに会話する声が届いているのだ。

『なんだこのやろうやんのかこら』
『じょうとうだかかってこい』

 という様な具合に。いや待て、と脚を止める。辺りを見渡した。

 民家の塀の上、毛と尻尾を逆立て威嚇しあう猫の姿がある。

 こちらに気付いた猫たちは一目散に逃げ出した。その際の鳴き声の中に、

『やべーでけーなんだこいつぅー!』

 痛くなる頭を抱えようとしたその時、再び、――助けて下さい。

 聴こえた声は存外に近くからで、路地に入ったところで彼を見付けた。

 真っ白な兎が泣いている。



 どれくらい泣いていたのか、はっきりとはわからない。
 ただ、助けて、という叫びがどこにも届かないことはわかった。
 どれだけ泣いても、この熊の身体は変わらない――いや、もう変わってしまったというべきなんだろう。
 変わりたい、って思ってここまで来た。
 そして、変わらないことの大切さを知った。
 でも、もう変わってしまった。
 なかったことになんて、ならない。

 泣くだけ泣くと、気分は妙に晴れてきた。
 もうスタートはしてしまったんだから。後はゴールを探すしかない。途中棄権は、できない。
 だって、そう誓ってあの街を出てきたんだから。
 すぐに挫けそうになる心を叱咤して、一歩進もうと


 遠くに逃げる何て事せずに、自分が居たあの場所で、自分を変える努力をすれば良かったのかも知れない。

 そうすれば、こんな事にはならなかった。
きっと全て自分が悪いのだ。

 だけど、こんなのはいくらなんでも辛過ぎる……。


 彼女は、無意識に鞄の中から携帯電話を取り出していた。
電源を付けて、数字の示されたボタンを押そうとする。

 これで誰かに助けを求めれば、自分は助かるかも知れない。
 そんな僅かな希望を抱いて。


 だけど、そんな希望は儚く消えてしまった。
人間と違って毛深い熊の手では、携帯の操作をする事は難しくて、手から携帯がスルリと落ちてしまった。




ただ遠くの町に行きたかっただけなのに……。

自分を変えるために、遠くの町に行きたかっただけなのに……。

遠くに行けば、自分は変われると思ったのに……。

だれもいない閑散とした町を歩きながら、彼女は記憶の海に身を沈めた。

彼女が働く小さな会社のさらに小さな事務所での女子社員どうしの仲は非常に良い。

しかし、彼女がその輪に加わることはなかった。眼鏡をかけ、化粧も控えめに、黒い髪を一つに結わえて淡々とこなす彼女に、周りの人は近づこうとしなかった。

気がつけば、彼女は自分を変えたいと願っていた。

眼鏡をやめてコンタクトにし、長い黒髪はバッサリ切ってナチュラルブラウンにし、毛先に軽く


「くそっ、なんだったんだアイツは…」

恐怖の対象から逃れた事で思考が少しずつまともに戻っていく事が実感できた。
それにつれて段々と自分が何者なのかを思い出す。

空虚な自分が埋まっていく。
空っぽだった自分の中が。
「熊…怪人…か…」

四肢は確かに熊のソレになり、体は強靭な肉体と化していた。

見た目は既に完全な熊なのだろう。

今二本足で走っているのは、他人から見たらかなり滑稽な光景だろう。

いや、その前に恐怖感を覚えるだろうか。

「ははっ…」
涙がでる。

空虚な自分を埋めるために、自分を探していたというのに。
こんな。

こんな事になるなんて。


「…なってのお楽しみってやつだ!」

 この男の下半身の尻尾は嘘のようで本当だ。凄まじい力で締めてきただけではない…

 …投げ飛ばされた。宙を舞い、転がり落ちた自分の体をスポットライトのように月光が照らす…

「この街に来てこの時間帯とは運がなかったな。これを見ろ」

 この伏羲という男、爬虫類が苦手なら絶叫するだろう尻尾の気味悪さもさる事ながら、手に取り出した直角定規が妙な威圧感を漂わせる…

 自身に向けられた直角定規の魔力と反射した月光に絶句したのは直後の事であった…

「う…!」

 体が…体が熱い…!まるで骨が溶けているかのよう…

 恐る恐る体に目を向けると、腕が人間の物と


考えてばかりでは何も始まらない。

見てもよく解らない地図を見限り、
人けのないゴーストタウンへと赴く。

暫く歩いていると道端で客を待つ易者がいた。

ゴールへの手助けになると思い、
占ってもらう事にした。

「本卦は明夷。
艱難の事を占ってこの卦に偶えば、
良い事がある。
傷付いた雉がキーワードとなる。

之卦は乾。
万事順調。占った事には良い結果がある。
龍は行動してはならない」


「良い結果みたいだが龍って何?
雉はまだしも龍なんている訳無いだろ」


「貴様ァア!
我が創造せし易経を愚弄する気かアァァァ!?」

突如易者の下半身は大蛇の尻尾に変化し、
私の体を万力が如く締め付


青いラインの鈍行電車のドアが開くと同時に、ムッとした夏の空気が車内に流れ込んできた。

思い切って立ち上がり、飛び出すようにホームに降り立つ。

走り去る電車を見送り、辺りを見回すと、無人駅らしい。 人っ子一人どころか猫の子一匹すらいない。

「降りる駅間違ったかな……。」

一人つぶやき一歩を踏み出す。

ここにはあるだろうか。空っぽな自分を必要としてくれる何かがあるだろうか。
駅とは名ばかりのコンクリートの段差から降り、薄汚れた町の案内板を眺める。

……まず、ここは何県何市なんだろうか。

ためらいなく携帯電話のGPS機能を起動させようとしていた自分に気付き、慌てて電源を落とす。

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