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執筆スキルUP掲示板
通りすがり猫
2016/9/7 | 更新 2016/9/11
目指せ直木賞!上手い文章って何?
過去の石田衣良小説スクールで 「本当に上手い文章がひとつの小説の中に5個あれば、直木賞を獲れる」という講義があったんだぞ。
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やましろ
2016/9/11 5:57
名文というか、心に響いた文なら自分も一つ紹介させていただきます。
『まだ色がついていない朝の白い光の中、薄いシーツに身を包んだ彼女がはにかむように微笑んでいた。その微笑みが僕にはやっぱり奇跡に思えた。今まで積み重ねてきた小さな奇跡は、すべてここにつながっていたのだと思った。』
(恋愛アンソロジー I love you の本多孝好先生の作品 Sidewalk Talkより)
まさに愛や幸福といいますでしょうか。心が暖まるのを感じ、こんな素敵な文が書けたらなと思いました。
ちなみに、このアンソロ、石田衣良先生の作品も載っておりますので、興味がある方は是非。
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20・
ノリアキラ
2016/9/10 22:51
>>[[22743219]] こういうお話ができるっていうのが、本当に嬉しいです。
いままでどこの掲示板でも、きっと浮くと思ってできなかったので!
今まで物語は筋を重視に考えていて、時間がないのを良い言い訳に、言葉の正確さについては二の次にしてきました。
でも、考え方がかなり修正された感覚があります。
俳句と川柳の本も借りてみよう。別トピで、名文しりとりとかしたらオモシロイかもしれませんねぇッ。
名文をしりとりするだけじゃなく、どこが良いと思ったかもあげる。1投稿でまとめるから、すべてを500文字で纏めないといけない。
レビューもそうですが、噛んで含めて違う形
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19・
岡田吏生
2016/9/10 21:50
同感です。紹介された名文とそれをどう感じたのかも書かれていて勉強になります。時間ができたら紹介された本を読んでみます。普段は手の伸びないジャンルもあって楽しみが増えました。
名文。描写ではなくテーマというか。
皆さんの作品に名文を見つけてひとり感動してます。深イイ話ならぬ深イイ文。これだけでご飯何杯も食べられてしまいそうなテーマのある文。
トピから脱線していたらすみません(汗)。
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18・
ノリアキラ
2016/9/10 15:07
面白いなーッ(わくわくだッ!)
ご紹介戴いてる「名文」!
「名文」そのものも勉強になるのですが、それを「何故良いと思うのか」の感じ方の所もすごく勉強になります。
これをどんどんあげて言ったら、自分にとっての「名文」が何なのか、どんな表現がぴたりと胸に来て、目の前が開けた心地になるのか、気付く瞬間がありそうです。
ちょっと「名文ノート」みたいなの作ってみようかなァ……!
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17・
岡田吏生
2016/9/9 14:32
皆様のコメント、勉強になります!
私もふたつほど。
コンパクトな描写なら。
*-*-*
ピアノがチャイムに似たイントロを奏でると、場内の照明が落ち、テーブル上のキャンドルが一斉にその存在をきらきらと浮かび上がらせた。客席のざわめきが消え、着飾った若い男女たちがステージに目を向ける。
(真夜中のマーチ 奥田英朗 集英社文庫)
*-*-*
作品冒頭の文ですが、これだけのなかにいろんな情報が入っていて。●大人のお洒落な空間●同窓会や会議ではなく何かのパーティー●ショーが始まる瞬間……etc.
こういう無駄のない文書を書けるようになりたい!
比喩なら。不登校になった女子高生にオネエ系スナックママ
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16・
通りすがり猫
2016/9/9 10:16
>>[[22722737]]
カビの匂い…なんだか部屋全体も臭そうだニャー。いい感じだニャー。
ごちゃごちゃしてると感じるなら、もっと削れるか試してみるのもいいかもしれないんだぞ。
>>[[22725713]]
「蹴りたい背中」我輩も読んだことあるんだぞ。
「さびしさは鳴る。」だニャー。冒頭からグッと来るんだぞ。
>>[[22729286]]
発見があって嬉しいニャー。このスレッドも活用していっぱい吸収してほしいんだぞ。
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15・
ノリアキラ
2016/9/9 4:44
ノリアキラ@深夜活動中です(笑)
『名文について』昨日からずっと考えていた事を、ここで書いてみようと思います。
猫さんと石田先生の講義を見て、『文章の情報量は「1文=1」ではない』と学び。
物語にはめこまれた文が、精錬され(時間とは別の意味で)結晶の一文となり得た時、読み手の世界に、鮮烈に強く響く事が出来るのかなと考え。
そうなると、言葉って……錬金術みたいと、ワクワク(笑)
それはいつも望めるものでなく。けれど、だからこそ求める事をやめないでいたい。
その一文がある事で、読み手さまと書き手の間で、そんな素敵な事が起こるなら。
これからは、今までみたいに言葉をおろそ
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14・
沢村 基
2016/9/8 22:24
私は本質をざっくり言いきっている文章が好きです。
川端康成さんの、なんだったか忘れたんですが、「伊豆の踊り子」と一緒に文庫に入ってた短編で「駒子は白い鉄だった」っていうのがとても印象的で。活発な少女の、まだ未成熟な体についてなんですが。かたくて、しなやかで強いイメージ。そして純潔も感じられます。
情景描写だと藤沢周平さんの「花のあと」の中の短編で「木の葉が狂ったように濃い光をはじくのを以登は見つめている」の部分が鳥肌が立つくらい好きで。
風で騒ぐのを、「狂ったように」とか、光を「濃い・薄い」で表現するところとか。なかなか少ない言葉でこんなふうに書けない!と思ってしまいます。
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13・
あだがわ にな
2016/9/8 20:09
直木賞ではなく芥川賞ですが、綿矢りささんの「蹴りたい背中」の冒頭は、なんというか、めちゃくちゃ練られている感じがしました。
手元に実物がないので引用できないのですが、「これ書けた時めちゃめちゃ気持ちよかっただろうなー」と思ったと同時に、「きっとこの形になるまでめちゃくちゃこねくりまわしたんだろうな」とも。
書き出しはやはり大事なものですから、名文が多いような気がしますね。
私は好きな文章について考える時、既に出ている情報の圧縮量だけでなく、音や響きを重視する傾向にあります。
音読した時に違和感なくするする読めて、気持ちの良い音の連なりを見ると、「素敵な文章だなぁ」とうっとりしちゃい
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12・
星月渉
2016/9/8 14:46
上手い文章、色々あると思いますが、私にとって、恋愛小説で印象に残るものの中に、エリック・シーガルの『ラブストーリィ』の冒頭がありますね。
一行目でいきなり、死んでしまった恋人の回顧録である事を言ってしまう潔さ。
続く十行くらいで2人の関係性と、語り手がどんなに彼女を愛していたかを想像させてくれるんです。
で、そのまま引っ張られてしまうんですよね。
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11・
赤梅 娯リラ
2016/9/8 11:11
そこまで「名文」を意識して読んでないのか、パッと出てこない…
「トンネルを抜けると~」は情景が浮かんできて素敵でした。
「頬杖を解きパソコンから目を離すと、机の上のペットボトルを手に取る。ぬるい水を喉に流し込むと、少しカビの匂いがした。」とかどうでしょう?
ちょっとごちゃごちゃしてるかもですが。
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10・
通りすがり猫
2016/9/8 10:46
紅陽 梅晴さんの言うとおり、ZIPファイルみたいにぎゅっと情報も光景も詰め込まれてる名文がいっぱいだニャー。
>>[[22719149]]
「親讓りの無鐵砲で小供の時から損ばかりして居る。」
これ、「無鐵砲で小供の時から損ばかりして居る。」で始まったら、反省するお話なのかニャ、って思うんだぞ。でも「親讓りの」がついてることで、全然反省する気ない奴のお話だって一発でわかるニャ。凄いニャー。
>>[[22718753]]
なんか部屋の汚さが伝わってくるんだぞ。ワンルームっぽいんだぞ。水こぼしても片づけに気がいかないほどの何を見たのか、気になるんだぞ。ドキドキなんだぞ。
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9・
あだがわ にな
2016/9/8 0:16
私は昔から吉本ばななさんが大好きなのですが、以前読んだ短編(タイトルど忘れ)で
(ふさぎ込んでしばらく食事をとっていなかったキャラクターが、久々に温かいうどんを口にする、というシーンで)
(キャラ名)はまるで、うどんだけを吸い込むブラックホールみたいだった。
っていう文章がすごく印象に残っています。
こういう比喩をつかえるひとになりたいな、っていつも思う。
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8・
ノリアキラ
2016/9/7 23:21
>>[[22719149]]
ん。クスッとできる名文もございますにゃあ。
先日読み進めておりました、あたるさんの路地裏少年の
『それでももんちゃんは、夏を待ちきれないのか、いつでも半袖短パン姿だった。』
なんて、まるでオカメなもんちゃんの姿がまるまま、彼の人となりと一緒に目の前に浮かんでくるようで、微笑ましくて、嬉しくなっちゃいました!
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7・
北沢あたる
2016/9/7 22:45
>>[[22718322]]
夏目漱石さんは「坊っちゃん」もいいんだニャー。
『親讓りの無鐵砲で小供の時から損ばかりして居る。』
吾輩の好きな冒頭は、宮沢賢治さんの「やまなし」だニャー。クラムボンって何?って思うんだぞ!
『二疋ひきの蟹かにの子供らが青じろい水の底で話していました。「クラムボンはわらったよ。」「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」』
森絵都さんの「DIVE!」もいいんだぞ!緊張感が伝わってドキドキするんだぞ!
『少年はその一瞬を待っていた。夕暮れの空を貫く刃のような断崖の絶壁___』
この話し方、癖になるんだニャー!
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6・
noaz
2016/9/7 21:54
>>[[22718322]]
ペットボトルが傾いてコタツ布団に水たまりができても、僕はそのパソコン画面から目を離すことはできなかった。
って書き始めはどうかにゃ......
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3・
赤梅 娯リラ
2016/9/7 21:38
>>[[22718322]]
ペットボトルの水ですかー。
温度とか、明るさとか、部屋の散らかり具合とか、すっきりまとめられそう。
上手い文章って、グダグダしてないんですよね。
ZIPファイルみたいというか。コンパクトというか。
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2・
通りすがり猫
2016/9/7 21:34
石田衣良さんはスクールの中で「ペットボトルの水について描くだけで、部屋全体の様子がわかるような…」という文章だと言っているんだぞ。
我輩的にそういう上手さがあるなーと思うのは、やっぱり夏目漱石「我輩は猫である」の冒頭だニャー。
我輩は猫である。名前はまだない。
この2文だけで、
・なんか偉そうな猫であること
・オスであること
・人語を解すこと
・そのくせ名前は人につけてもらわないといけないこと
・上記から、おそらく飼い猫であること
という情報がおのずと伝わってくるんだぞ。凄いんだぞ。
あと、
古池や 蛙飛び込む 水の音
っていう俳句も上手だニャー。
池、蛙、水、しか要素がないのに、
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『まだ色がついていない朝の白い光の中、薄いシーツに身を包んだ彼女がはにかむように微笑んでいた。その微笑みが僕にはやっぱり奇跡に思えた。今まで積み重ねてきた小さな奇跡は、すべてここにつながっていたのだと思った。』
(恋愛アンソロジー I love you の本多孝好先生の作品 Sidewalk Talkより)
まさに愛や幸福といいますでしょうか。心が暖まるのを感じ、こんな素敵な文が書けたらなと思いました。
ちなみに、このアンソロ、石田衣良先生の作品も載っておりますので、興味がある方は是非。