北区 月姫野神社
北区に存在する和をとびきりに感じさせる大きなお屋敷。その中に祠や祭壇があり、夕方まで解放している。 広大ながらも住んでいるのは少人数だけなんだとか。 神社の巫女さんはこちら [link:msg_vi
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93・ エル
>>[[25252836]]
(To be continued……)

(わかりました。私もまさかここまで話を進められるとは思いませんでした。今後ともよろしくお願いいたします!)
92・ 鹿雄
>>[[25252242]]

雛乃
「……起きて欲しい時、ですか」


思いもよらぬ回答だったのか、そのまま黙ってぱちくり瞬きをしてぼーっとしてしまう雛乃。


雛乃
「……はい、分かりました。では、朝食が出来次第、起こしに参ります。

慣れない場所とは思いますが、ゆっくり休んでください、です

……ええと、その、おやすみ、なさい」


どうやら雛乃なりに答えは出た様子。
神野が休むのを確認すると、置いていた行灯を持ち直して部屋を後にする。
そして、障子の戸を閉めようとする間際にぎこちない言葉の使い方で挨拶をしたのだった。


(長いお時間お付き合いいただいてありがとうございます
91・ エル
>>[[25251999]]
神野
「いつでも、いいよ」
布団の横に座り、照れ隠しにはにかむ。雛乃も、彼女なりに自分のことを思ってくれることが、嬉しくてたまらない。

「あなたが、起きてほしいときに……ね」
そのこともあるのだろう。起きる時間も、彼女に委ねる。雛乃との出会いが、明らかに神野を変えている。
90・ 鹿雄
>>[[25250519]]

雛乃
「はい。あまりお料理を人に振る舞った事がありませんが、頑張ります」


部屋に入り、入り口付近に行灯を置く。
神野より先に敷布団へ近付くと、掛け布団を半分程を捲って直ぐに寝床へ入れるように配慮したかったらしい。


雛乃
「元々、ここは住職の方が住んでいたそう、です。学園都市が出来る前から、霊たちの休まる場所として

……はい、寝床の準備が出来ました。明日に起こしに参りますが、何時頃がよろしい、ですか」
89・ エル
>>[[25249831]]
神野
「そうだね……目玉焼きがほしい」
朝食の定番ともいえるメニューを頼む。実際好物である。
でも、本当は気持ちが伝わっていれば、何だっていい。

「それと……こんな部屋があるなんてね」
そんな彼も、雛乃が用意してくれた部屋には、ただただ見とれていた。神社にこんな空間があるなんて、想像できなかった。
88・ 鹿雄
>>[[25248093]]

雛乃
「神……野さん。はい、頑張って覚える、です」


何度も神野さんの名前を復唱しながら廊下を歩く。イントネーションや区切る部分を変えたりして。


雛乃
「明日の朝ごはんも用意します。好きなもの、嫌いなもの、教えていただけると嬉しい、です」

数分程歩いて多々ある内の一つの障子の前で雛乃が立ち止まると、そっと神野と繋いだ手を離れて、障子を開ける。

中は雛乃と話をしていた部屋よりも広々としており、高そうな壷やら墨画等の装飾品も見られ、新築のように埃一つすら許さないくらいに隅々まで行き届いた清潔さが物語っている。
87・ エル
>>[[25247928]]
神野
「神野蒼月といいます。神野、でいいよ」
名前を聞かれたからか、多少照れ隠しをしながら答える。本当は、聞いてくれて嬉しい。
86・ 鹿雄
>>[[25247883]]


雛乃
「はい。これだけ広いのに勿体無い、です。それと、一人よりも、沢山人が居ると安心、です」


人と関わるのが苦手らしいが
どうやら人と接する事に抵抗は無いらしい。


雛乃
「……あっ。そういえば、貴方の名前が知りたい、です。いい、ですか?」


出会ってから数時間、未だ名前を聞いて居ない事にやっと気が付いたのか、ふと何かを思い出したように声をあげると、神野の方を見て小首を傾げる。
人と関わるのが苦手な彼女にとって、ある意味進歩と言える。
85・ エル
>>[[25247732]]
神野
「そうなんだ」
民宿となると、人と関わる機会が多いように思う。とすると、今の自分から変わりたいという願望もあるのだろうか。

ともかく、神野もそのまま進む。
84・ 鹿雄
>>[[25245506]]


雛乃
「はい。では、こちらへ」


手を握られても、嫌がる様子も無く神野に手を委ね、空いた方の手で手持ち行灯を所持し、神野をリードしながら部屋を後にする。


雛乃
「一度、民宿をやってみたくて。それが叶って嬉しい、です」


物音一つとして無く、深い闇の長い廊下は独特な怖さを醸し出している。
もっとも、感情の無いお陰なのか、慣れているのか、雛乃は黙々と行灯の小さな光を頼りに神野をリードして歩き続けるのだが。
83・ エル
>>[[25245396]]
神野
「ありがとう」
袖をつかむ手を握り返し、さらに体を雛乃に預けるようにして、彼女とともに寝室に向かう。
もっとも、普通に歩いてはおり、雛乃に負担はかけていない。体を預けるのは、やはり彼女への好意ゆえ。一緒にいたいという一心で。
82・ 鹿雄
>>[[25244501]]

よもやお茶の葉もお水も探す暇も無く、雛乃が戻ってきてしまった。
だが、幸いにも部屋の変化について気付く様子は無い。

そんな事より、頭を抱えた神野の安否に対しての事が上回っていたのだろう。


雛乃
「お待たせ、しました。別部屋にお布団の用意が出来た、です。ご案内します」


神野の服の袖を掴んで早々に案内をしようとする。恐らく、調子が悪そうな時は寝るに限るという彼女の心理からだろう。
81・ エル
>>[[25244222]]
神野
「わかりました。ありがとうございます」
月姫の言葉を胸に、神野は決意を固める。雛乃に平安が訪れるように、と……。

(しかしずいぶんと豪快だな……)
が、雛乃が飲んでいたはずのお茶がなくなってしまった。いくらなんでもと思い、新しく作るための水と茶葉を探す。
80・ 鹿雄
>>[[25243917]]

月姫
「うむ。よい意志を持っておるな。
妾も雛が元の雛に戻れるように出来る準備は進めるつもりじゃ。

……後な、これは余談じゃが雛の事を探っておる者がいるようじゃ。何を考えての事かも分からぬが、雛に関わるお主も十分に用心するのだぞ」


廊下の方から次第に足音が聞こえてくる。
気が付いた月姫が雛乃の緑茶を全て飲んで、窓を開けるとぴょんと飛んで外へ飛び出し、ひょっこり顔を出すと「では、ここいらでさらばじゃ!」と言い残して立ち去っていった。


79・ エル
>>[[25243755]]
神野
「そうですね。綾も私の存在なくしてはすでにこの世にいなければ、私も綾の求めなくしては生まれてすらこなかった。
第一、人は人から生まれる。一人で生きられる人間はいない……」
当然、神野も月姫の言うことは充分にわかっている。

「そう。私も、支えてくれる人がいる。だから、私も彼女の支えになろうとするのです」
しかし悲観もしない。幸いにも、綾が自分を再び見失ったとき、助けてくれた無二の友人がいる。他にもたくさんの人と出会い、絆をつないできた。

今は、それを自分が雛乃につなげる番なのだ。目の輝きが、強い意志と心を月姫に示す。
78・ 鹿雄
>>[[25243507]]

月姫
「……成る程な。その考えも一理ある。
じゃが、同じような事象も同じ手法で上手くいかない事もあるじゃろう。

お主のやり方に妾は委ねるしか無いが、
特に【怒】と【戯】そして【妬】は言の葉で解決出来ない可能性が高いかもしれぬ」


胸の前で両腕を組んで神野の考えを真摯に聞く。うんうんと首を上下させて頷くが、少し苦い顔をして自分の考えも絡ませた。


月姫
「妾から一つ言える事は、何事も一人で解決しようとせずに、仲間の力を借りるのも視野に入れる事じゃ。

お主一人の力でも限界はある。
故に気負いせぬ程度に頑張って欲しい」
77・ エル
>>[[25243277]]
神野
「童心……」
「戯」という文字の意味から、何に根ざす感情なのか推測する。

ただ、雛乃の感情を探す過程で、時に「彼女」に手を下さねばならないという月姫の言葉には、一種の違和感を覚える。

「彼女の感情が散らばっているのはわかります。でも、それらも全部、彼女の一部。まとめるのではない。共にあれ。そう、『受け入れる』ことなんです。私と、綾のように」
それは自らの経験からきていた。割れた人格を統合するのではない。人格それぞれに意味がある。だから、それらを共存させる道を選んだ。そうして神野と市原は今なお、肉体を共有して生きている。
それは雛乃も同じことだ
76・ 鹿雄
>>[[25243137]]

月姫
「左様。お主の勘の良さは説明が省けて助かるのう」


部屋に入るや、雛乃がさっきまで座っていたちゃぶ台の前に胡座をかいて座り、自分の物であったかのように雛乃が口にしていた緑地を飲む。

月姫
「感情の雛も雛と同じく造られた存在。世界に執着した者はそう簡単に戻らない奴もおるじゃろう。

一番、距離の近い感情の雛にその数珠は反応する。見つける事はそう難しい事では無いかもしれぬが、一番お主にとって酷なのは雛と全く瓜二つの存在に対して力を振るわなければならぬ事もあるというのは覚悟した方が良いぞ」


今現在でも神野の持つ数珠が青白く光りを放っている。光
75・ エル
>>[[25242932]]
神野
「あ……どうも」
入れ替わりで月姫が入ったのがわかり、彼女のほうに向き直る。

「12の感情……と言ってましたよね……?」
月姫に言われたことを思い出しながら、彼女から託された数珠を見る。いざ珠を数えてみると……ぴったり12。これに意味があるのだろうと推測する。
74・ 鹿雄
>>[[25242883]]

雛乃
「体調が悪い時は、早く寝るのが一番。
お布団、すぐに持ってくる、です」


大丈夫という事を確認すると、少し急ぎ足で部屋を後にする。出る前にもう一度、神野を見て。






「ゾッコンじゃな」


雛乃が消えた途端にどこからかさっきまで聞き覚えのある声が。

すうっとすれ違いざまに、月姫が引き戸を開けて再び部屋に入ってくる。


月姫
「妾とした事が。先程、お主に託したその数珠の説明を忘れておったわ」
73・ エル
>>[[25242762]]
神野
「うん。……ありがとう」
悩む自分に優しく接してくれる雛乃を見て、笑顔が戻った。

「本当に、優しいんだね」
しかもそれはとても機械的には思えなかった。彼女にもちゃんと感情はある。でも、表し方がわからなくなっているのだろう。そう思った。そうでなければ、わざわざ親身になることなんてない。

やがて、自分の胸に手を当てた。彼女が許すなら、すぐにでも手を伸ばし、抱きしめたいと思った。
72・ 鹿雄
>>[[25240713]]

雛乃
「……だい、じょうぶ?」

戸を開けたものの、頭を抱える神野を気にかけて傍でじーっと見つめる。
ふと自分の右手に視線がゆくと、神野の頭を数回だけ摩って小首を傾げる。
71・ エル
>>[[25239523]]
神野
「ありがとう」
その場に座り、布団が来るのを待つ。

ただ、雛乃に負担をかけるのは申し訳なく思っていた。されど、だからと自分がしゃしゃり出るのは正しいのか。激しい葛藤に頭を抱える。
70・ 鹿雄
>>[[25238686]]

雛乃
「……直球でとても大胆、です。こんなに好意を伝えられるのは、初めてで。今のわたしにはどうすれば良いか分からなくて、どうする事も出来ない、です。

けれど、お気持ちはありがたく受け取って、ます」


顔を赤らめる事も頬を赤らめる事も無いが、無反応ながらも真っ直ぐ伝えられる好意に関してはどうやら少なくとも気付いているらしい。


雛乃
「……そう、ですか。では、寝支度の準備をさせていただきます。押入れ部屋に来客用の敷布団があった筈、です」


ゆっくりと立ち上がり、もう一度小さく欠伸をすると目を擦りながら部屋の出口へと向かった。
69・ エル
>>[[25238399]]
神野
「うん」
差し出された手を両手で握る。少しでも、温もりを感じられるように。

「あなたと、一緒にいたいから。もっともっと」
これこそが、彼がここにいることを選ぶ理由。それを示すように、また目線を下げ、雛乃の目をまっすぐに見つめる。
68・ 鹿雄
>>[[25236375]]


雛乃
「ーー?」

ぬぼーっとしたしながら差し出された神野の手を見つめる。雛乃の頭からぴょんと跳ねているアホ毛がクエスチョンマークのように曲がりくねる。


雛乃
「んっ」


差し出された手に対してのお返しは両手を胸の前で軽く握るようにして某四足歩行の動物みたいなポーズを取ると右手を神野の手の上に置いた。いや、そういう遊びじゃないのだが。


雛乃
「……部屋はたくさんあるけれど、今日はお泊り、です?」
67・ エル
>>[[25236207]]
神野
「いや、いいよ。それに、あなたといるほうが楽しいし」
自然な笑顔で答え、軽く手を差し出す。彼女がそれを握るなら、自分はそんな彼女を受け入れるつもり。彼女の思いに、少しでも近づきたい。どんな不器用な方法でも。
66・ 鹿雄
>>[[25235980]]

雛乃
「……そう。良かった」


そのまま胸を隠していた手でそっと撫で下ろす。その後、自らそーっと装束の片方だけを開いて自分の身体の確認をしてから一つ頷いて一言。


雛乃
「……うん。今日のは恥ずかしいデザイン、だったから。良かった、です」


ものすごく意味深である。
恥ずかしいデザインじゃなければ受け入れたのだろうか。それは雛乃のみぞ知る。

気付けば、蛙も虫の音も聞こえない夜。
時刻は丑三つ時を回っていた。


雛乃
「大変、です。こんな時間になるまでお付き合いいただいてた、です。あなたはお家に戻られなくて大丈夫、です…?」
65・ エル
>>[[25235837]]
神野
「もちろん」
雛乃が眠っている間、彼女には触れてもいないと、両手を広げて示す。

「求められていないのに、手を出すなんてできないよ」
もとより、体目当てで付き合うなどということは考えない。体を交わらせることは、お互いが運命を委ねることであり、大きな責任を伴うと考えている。だから、彼としても、ここは強く自制している。
自分が意識することはいくらでもできる。しかし、その意識が相手とリンクしない限りは、一線を越えるわけにはいかない。
64・ 鹿雄
>>[[25235600]]


雛乃
「ーーあっ」


次第に目も覚めて、思考も回復してきたのか、たまたま気がついたはだけた装束部分を見つけ、急ぐ様子で正してじーっと神野を見つめ返す。


雛乃
「……えっちなのしてない、です?」


正座をして、右手は胸を。左手は下半身の装束の結び目に手を添えて、顔ごと神野から逸らす。


雛乃
「……すぐにえっちなのはだめ、です」

何かしらの拘りがあるのか、頑なにえっちはダメだと強調する。
彼女なりの恋愛掟があるのか、純粋で固そうな守りを見せる。

いずれにせよ、出会い頭でカラダを許してくれそうには無いようだ。

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