キャラクター様休憩室【2-Free】
キャラクター様雑談場第二室です! 日頃の鬱積が溜まってるであろうキャラ様に独り言を呟いて頂くのもあり。 他の作者様のキャラ様をお誘いして雑談するのもあり!! 独り言にツッこむのももちろんありですw
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1154・ 聖薇
【ヤバい人】

 これは彼らが故郷に辿り着いた後の話。

「あ・・・」

 リュカが間抜けな声を上げる。その視線の先には、彼の大好きな・・・そして危険な、伯父。

 その伯父の視線の先にはリュカがうっかり持って帰ってきて、手入れをしている拳銃。そう、ギストリアから持ち帰った、アレだ。

「・・・」

「・・・面白いの持っているね?」

 伯父・シーズはにっこりと、いつもの笑顔で尋ねる。

「・・・あの、シーズさん・・・」

「ちょっと貸して?」

 しまったあぁぁぁ。完全にロックオンされた・・・!

 この天災にコレを預けたら大変なことになる。

 しかしその後、努力の甲斐なく華麗に奪われたと
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1152・ 円する
>>1151 ・円する さん

「却下する。」

「……は?」

「聞こえなかったのか?却下する。と言ったのだ。」

公太子ハインリッヒに直談判に行った聖騎士オットーは、まさかにべも無く却下されるとは想像もしておらず、ぽかんと口を開けた。

「あの……何故でしょうか?」

「追放する理由がない。」

当人がこれを聞けば互いに激しく否定するに違いないが── 「開明的な啓蒙君主」という点においてディオニスとハインリッヒは共通していた。
身分や性別、持って生まれた魔法属性で人を差別する前近代的な価値観から、彼は自由だった。

「しかし……聞けば彼は闇属性とか……」

「だから何だ?
1151・ 円する
【密告の顛末】

「昨日、こんなことがあったんですよ!」

「ふむ……それは本当なのか?」

「間違いありません!青の塔の魔法使いイザークは闇属性の悪魔憑きです。何ならシウス様にお調べいただいても大丈夫です。」

青の塔の魔法使いイザークに難癖をつけ、隣にいた女魔法使いに杖でぶん殴られた志願兵が翌日向かったのは、聖騎士オットー・フォン・ファーレンハイトの私室だった。

爵位こそないものの、ファーレンハイト家は代々教会に仕える聖騎士の家柄で、身分の分け隔てなく人々に医療と安全を提供してきた名家だ。
「正義の騎士」オットー自身も気さくな性格で、故に平民の志願兵が私室に訪れることに全く抵
1150・ 聖薇
【悪魔と悪魔】

「ハハハ、悪魔の子が女に助けられてるぜ!」

 そんな声を聴き、白百合は振り返る。そこにはイザークと言ったか、俯きがちな青の塔の魔術士が一人いた。

「…………」

 『悪魔の子』。確かギストリアでは、黒魔術士は悪魔と同義のように言われている節があった。つまり、そういう事だろう。

「……ふぅん、面白いじゃん。じゃあ本物の悪魔がもし、後ろにいたら?」

 気にいらなかった。本人は望んでそう生まれたわけではないのに。

 だから白百合は敢えて後ろから、男達に聞いてみた。

「うわ!? し、白百合!?」

 男達は聞かれてやっと、こちらに気づいた。そして慌てて逃げて行った。


1149・ ツカサ
【悪魔の子】

「おい、お前イザークか?」

その声に振り向いたビアンカが見たのは、珍しく一人で廊下を歩いていたイザークが肩を震わせるところだった。腕に抱えているのは薬草関連らしい書物。図書館で本を借りた帰りだったのだろう。

「お前、何でこんなとこにいんだよ。『悪魔の子』のくせに」
「つーか、まだ生きてたんだ? とっくに狩られたと思ってたよ」

出身の同じ知り合いらしい。イザークの魔法の属性なんか「塔」のメンバーが吹聴するはずもないから、知っていたというだけで察するのは容易かった。

「何なら今ここで狩ってやろうか?悪魔が憑いてるなんて縁起でもない」
「はは、言えてる」

二人がかりで、唇を
1148・ 聖薇
【輝くモノには目がない】

「ね、ちょっと、ちょっとでいいからソレ見せて?」

「ヤ・ダ・!」

 必ずしも全ての女性がそういう訳ではないが、宝石の好きな女性は多い。

 青の塔のメンバー・ウェンデルもまた、その一人だった。しかし、彼女が見ているのは紅い短剣。そう、リュカの。

「み、見るだけだから、ね?」

「ヤ・ダ・!!」

 しかし、リュカは断固として首を縦に振らない。こんなやり取りで隊の進みが遅れるのはしかし、困りモノである。

「……少しと言っているのだから、貸してやったらどうだ?」

 さっきからこんな感じで隊は進んでいない。見兼ねたファウストがウェンデルに助け舟を出す。

「駄目
【矜恃vs商魂】

「却下です」

 にっこり笑うアロイスにパウロが目を眇める。

「何故、と問うても?」

「予算は既に決まってるので」

 にべもない返答にパウロが眉を顰める。

「なるほど、経理担当の言い分は理解した。だがね、アロイス」

 パウロが力強く一歩踏み出す。

「何も無駄金を出せと言っているのではない。先々あると予想される戦いに備えて薬草を購入したいというのはそんなに無理な要望かね?」

 アロイスも負けてはいない。

「僕だって薬の有用性は充分理解してますよ? してますけ・ど! 青の塔の予算は決して潤沢ではないんです。無いものは出せませんよ」

 微笑むアロイスだが眼鏡の奥
【どんなシチュ?】

ガノン「アロイス! アローーイスッッ!」

何故かガノンがお怒りモードで叫んでるんだけど理由も続きも思いつかない(笑)
たぶんルー絡みの何かだとは思う(笑)
1145・ ツカサ
【結局焦がした】

どうにか味噌汁はまともに作れるようになった数日後、今度は肉じゃがを教えるために、時雨はニクラスに包丁を持たせた。そして、驚く。

どうやったらそんなに慎重にやっていて指を切るのかと言いたくなるような、はっきり言って目も当てられない包丁裁きは一変し、まだ危なっかしいながらも普通の素人レベルまで進化していたのである。じゃがいもは変色する前に水に浸せたし、人参の皮むきもどうにか食べる部分をざっくり切り落とすことにはならずに済んでいる。

「一人で練習したのですか」

ニクラスに一人で料理をやらせたら、食材が勿体ないことになる。故に監督者がいない状態での練習は禁じていたはずだが……
1144・ 聖薇
【もっと怖くないの?】

 その日も白百合は夜食を作っていた。今日はハムのサンドイッチである。

 そしてその日も、熱心な勉強モノがいた。

「…………」

「…………」

 料理音痴の騎士・ニクラスである。

「…………あのさぁ」

 もはや慣れた白百合も、流石に声を掛けた。

「なんか楽しいの、見てて」

「いや、その、実は……」

 ニクラスは言葉を濁す。が、意を決して言う事にした。

「……料理、少し覚えたいんだ」

 何故? 白百合が視線で問い掛ける。それに気付いたニクラスが自白する。

「実は、この間、味噌汁っていうモノを作ろうとして失敗してさぁ……」

「えっ!?」

 流石の白
1143・ 聖薇
【更に怖くないの?】

「…………」

「…………」

「…………」

「…………あのさぁ」

 白百合が口火を切る。

「……なにやってんの?」

 深夜。勉強中にお腹の空いた白百合は軽食を作りに厨房に来ていた。

 そこにたまたま通りかかったのは、騎士ニクラス。

 何故かそれからずっと、粛々とサンドイッチを作る白百合の横でニクラスがその手つきを眺めるという図になっている。

「……いや、慣れてるな~と……」

「……一人暮らしだったからね……」

 彼は知らない。ニクラスが経験不足故に味噌汁を焦がす程の料理音痴だという事を。

 料理って、こんな素早く作るものなのか……。

 ニクラスは
1142・ 聖薇
【怖くないの?】

 その日は珍しく、白百合とランディは食堂でお昼を取っていた。

 しかし白百合がいるというだけで、そのテーブルはほぼ空席だった。

「お、ここ空いてるじゃ~ん。ここ、いい?」

 そこへやって来たのはニクラスとシグレ・キリサキ。

「どうぞ~」

 ランディは人懐こい笑みで迎えるが、白百合はフードの下でしかめっ面をしていた。

 白百合は、騎士が嫌いだ。貧しい時に、助けて欲しい時に助けて貰えなかった。人を守ると謳いながら、貧しい者を平気で切り捨てる。いつかの牢屋に来た座天騎士もそうだった。

 しかしまだ食事中。ここで席を立つのも変に思われるだろう。仕方ないので黙る事にする
1141・ ツカサ
【ちょっとからかっただけだって】

「ねー、ガノンさーん」

図書室から借りた本をぺらぺらとめくりながら、ニクラスは思い出したように声をかけた。内職の手を止めて顔を上げたガノンに、いたずらっぽく笑いかける。

「ん、どうした?」

「ガノンさんってハルアキくんのおとーさんなの?」

「なっ…!?」

ニクラスの思いもよらぬ一言に、ガノンは暫し絶句する。

「違ぇよ! なんでそうなる!?」

「えー、違うの?じゃあヨウコのおとーさん?」

「それも違う! ってかあんな娘嫌だ!」

陽子への容赦ない一言に、今度はニクラスが吹き出す。

「嫌だって……嫌だって! 酷いな!」

「そもそも年の差考えろ
1140・ 聖薇
【風邪ひいた】

「う~……」

「だからいつも早く寝なさい、て言ってるのに……」

 ランディが呆れた表情で、濡らした布をリュカの額に乗せる。

「多分ただの風邪だろうけど、一応見てもらお?」

「寝てれば治る……」

「そこで意地を張る意味が分からない~」

 リュカが熱を出したのだ。

「と、そろそろ朝ご飯かな? もらって来るから、待っててね」

「はあい」

 ていうか普通食でいいのかな? とぼやきながらランディは部屋を出る。ランディはリゾットにしてもらおうとしたが、リュカが何故か嫌がったのだ。昔は元気でもリゾットを食べたがる程好きだったのに。

 リュカに尋ねたら「仕事上、体調悪いか
1139・ 聖薇
【勉強大好き】

「ねぇ、リュカ?」

「なぁに?」

「……まだ寝ないの?」

 深夜、志願兵達に割り当てられた部屋の一室。リュカは【暗視】の魔術でまだ魔術の勉強を一人、していた。

 相方のランディは部屋のベッドからそれを眺めている。

「うん、もうちょっと」

「…………」

 午前は魔術と武器の訓練。午後は日によって違うが情報収集か、訓練の続き。深夜は魔術の勉強。

 ちょっと働き過ぎて、ランディは心配である。いや、多分ランディで無くても知った人間は心配だろう。

 だが、リュカのこのハードスケジュールを知っているのはランディ一人である。

「もうそろそろ寝なさい」

「先寝てていいよ
1138・ ツカサ
【陽キャ怖い】

「あ、いた! フェリクスー!」

「ん、何ー? どしたどしたー?」

「おう、榛彰がな…って、そっちのは誰?」

フェリクスに声をかけた陽子は、まだ会ったことがない人がいたことに驚きつつ問いかけた。
びくりと肩を震わせたのは、そこそこの高身長を猫のように丸めて台無しにした、フェリクスに隠れるようにして立っている青年だった。
前髪の奥からちらりと陽子に向けられた視線は、ガン見する陽子にびくついてまた直ぐに逸らされてしまう。

「ほら、ヨウコは大丈夫だから。自己紹介して?」

胸の前で握り拳を作って怯えた様子を見せる青年は、そう言ったフェリクスにぽんぽんと優しく背を叩かれて、恐る
>>1136

 榛彰と、こめかみグリグリの刑から解放された陽子の視線の先にあったのは、ガノンの仲間であるツヴァイと、その彼に顔面を鷲掴みにされたガノン。

「女子供相手に何をしている?」

 ギリギリ、ミシミシと音が聞こえそうなアイアンクロー。

「いやコレには一応、訳が……」

「言い訳は要らん」


「だぁあああッ! ごめんなさい俺が悪かったですヨーコに謝るんでお願いだから離してください!」

 ツヴァイの手が離れ、ガノンが尻餅をつく。

「ちゃんと謝れよ」

 それだけ言って歩き去るツヴァイの背中に思わず呟く陽子。

「お父さんのお父さん……つまり、おじいちゃ」

「せいッ
【口は災いの元】

「ハルアキ」

「あ、ガノンさん」

 ガノンに声をかけられた榛彰が律儀に「こんにちは」とお辞儀する。

「また図書室か?」

「の、帰りです」

「そっか」

 ガノンが、くしゃりと榛彰の頭を撫でる。

「ちゃんと食事と睡眠とってるか? ハルアキは本を読みだすと没頭しちまうからなぁ」

 心配だ、とありありとわかる表情を浮かべたガノンに榛彰が苦笑する。

「大丈夫です。ちゃんと気をつけます。おと……ガノンさんに心配かけたらいけませんし」

「おい今何言いかけた?」

 うっかり失言しかけて言い直したのだが時すでに遅し。

「ごめんなさい」

 そう素直に謝られると怒るに怒
1135・ ツカサ
【前途多難どころじゃない】

「……」

時雨は感情の無い目で鍋を見つめた。珍しく演技でも何でもない完全に虚ろな目である。隣にはきまり悪げなニクラスが佇んでいる。

「煮るだけだからととりあえず任せたわたくしが間違っていたようですね」

ぼそりと呟いた言葉に、ニクラスの肩がびくりと跳ねる。

今日教えるのは味噌汁だったはずで、具材もキャベツと卵のみ。最悪溶き卵に火が入ってさえいれば食うことは出来る代物が出来上がるはずで、味が濃すぎるとかキャベツが半分生だとかその程度の失敗を想定していたのだが。

「どうしてこうなったのですか」

「ミソが、その、上手く溶けなくて」

「……それだけですか」


【考えるな、感じろ】

「ガノンさんのアイアンクローめちゃくちゃ痛いじゃないっすか。リンゴくらい握り潰せそうっすよね」

「さすがに握り潰 すのは無理。ツヴァイさんじゃあるまいし。せいぜい割るくらいだな」

「情報多すぎて処理しきれないんすけど。ツヴァイさんリンゴ潰せるんすか。つかガノンさん割るのは出来るんすか。魔術師っすよね?」

「魔術師だよ。まぁリンゴはコツがあるんだよ。上下の窪みに指入れて力込めれば割れる。けど潰 すとなると単純にすっげぇ力要る。つかツヴァイさんリンゴどころかクルミ割れるからな?」

「人間クルミ割り人形っすね。あの人、確か俺らの親と同じくらいの年っすよね? 今それって
1133・ 聖薇
【逃走中!】

 たまたまその場を通りがかったのは、ガノンだった。

「? お~い、リュ……じゃなくて、白百合~!」

 そこには生成りのフード付きマントを着た、白百合がいた。

「?」

 白百合はこちらを振り返って立ち止まるだけ。

「街にでも行くのか?」

 適切な距離を保ち尋ねるガノン。この先は城門なので、当たり前の質問ではある。

「うん」

 しかし、今日は珍しく白百合一人である。普段なら必ずランディが一緒なのに。

「なんか、買い物か?」

「情報収集」

 言ってから、白百合が「あっ……」と言う顔をした。しかしフードを深く被っているので、ガノンにはよく見えない。

「……情報…
1132・ 聖薇
【誰?】

 珍しく、修練場の横を通りがかった時だった。

「流石に強いな、アンドルフ先輩……」

「エールラントから来たくらいだもんな……格が違うわ」

 白百合とランディはそんな噂を聞いて、修練場の奥を見る。

 そこにはちょうど今、名前の上がったアンドルフと一般の志願兵が試合を終えたところだった。

 そこで白百合が、ニヤリと悪戯っ子な笑みを見せた。そして。

「お~い、アングレートランダー・ドライツェネック・ルーデルハイアー・フルークシートさ~ん!」

 呪文のような、人名を大声で唱えた。しかしこれも、かろうじて「さん」づけなので人名と分かるだけであって、誰なのかが分からない!

 当
【包囲網】

(どうしたもんかな……)

 昼食のトレイを持ったガノンは食堂内の一角へと視線を向けた。
 昼時でそれなりに混み合っている食堂内で、そこだけが浮いたように空いているテーブル……否、輝く月の如きプラチナブロンドの持ち主を中心に空席があり、やたらと目立つ。

(これじゃ、さりげなく近くに座るのは無理だな)

 何よりもその中心に座るプラチナブロンド『白百合の悪魔』リュカの警戒心が高すぎる。食事をしていても誰かが視界で動けば目で追っているし、背後で物音がすればその手を止める。野良猫を通り越して野生動物を思わせる警戒っぷりである。
 そんなに神経を尖らせてたら気疲れするだろうにと意図せず
1130・ ツカサ
【だから言ったでしょ】

「ヨウコってさ、運の要素が大きいゲーム強そうだけど、ババ抜きとかポーカー得意じゃなさそうだよね」

いつも通りへらりと笑って言った二クラスに、榛彰は苦笑した。この人はポーカーフェイス得意だろうな、と思いつつ答える。

「陽子さんは、そういうの結構得意ですよ。苦手なのはどっちかと言うと僕の方です。ただ……」

「ただ?」

意外そうな表情で榛彰の言葉を聞いていた二クラスは、きょとんと首を傾げた。

「あんまり、そういうゲームしてる陽子さん、見たくないですけど」



榛彰の言葉の意味を確かめるべく、二クラスはクラウルやジルと共に陽子をババ抜きに誘った。もっとも、クラウル
1件
1129・ 聖薇
【チェス】

「はい、チェックメ~イト」

「うにゅう……」

 ランディがガクリと肩を落とす。勿論、白百合の勝ちである。

「ランディ弱い」

「酷い……確かに勝った事ないけど……」

 そこへコンコンとノック音がして、部屋の扉が開く。

「お? なにしてたんだ?」

 それは青の塔の副リーダー、ガノンであった。

「チェス」

「ひっどいの、手も抜いてくんない」

 ランディの言葉に白百合は、しかし笑うだけだった。

「チェスって貴族とかの遊びじゃないか……。ボードは、持ってたものか?」

 平民出身のガノンにも、チェスは難しい事くらいは分かる。

「昔、こっとーひんやで安く見付けたの。チ
1128・ 聖薇
【気紛れ2】

 身体の弱い子どもがいる。ヴァニアちゃんというらしい。

 ヴァニアちゃんは元々あまり、身体が強くないとの事。ジークリンデを始め、修道女達も気を遣っていたらしい。

 何故か白百合は今、そのヴァニアちゃんと一緒だった。

「いぬさん好きなの!」

 ヴァニアちゃんはしかし、明るかった。あまり外にも出られないらしいが、代わりに色々なお話が好きだった。

 対する白百合は、あまり好意的とは言い難い感じである。しかしやはり歳上だからか、その辺りは気を遣っているようだ。

「そうなの」

「うん! でもお城には、いぬさんいないの……」

 それは当たり前だ。城の番犬は普通は兵士だ。


1件
1127・ 聖薇
【気紛れ】

その日、白百合はのんびりしていた。

幼馴染みのランディはまた力仕事の手伝いに行っている。

「あっ……」

「あっ……」

そこでばったりシャラと出会う。見ると結構な大荷物だ。

「……それ、なに?」

思わず白百合が尋ねると「倉庫のお掃除の手伝いを……」と彼女は言う。

「…………ふぅん……」

白百合はそれ以上なにも言わなかったが、なんとなく何か言いたそうではある。

「? えっと、失礼します……」

そう言って彼女がすれ違おうとした時。

「……どこ持ってくの?」

白百合が尋ねる。

「えっと、一旦外に」

そう言ったトコロで、シャラの
1126・ 聖薇
>>1125 ・聖薇 さん

「リュカ~開けて~、手が塞がってて」

「はいはい」

 ランディは一人、焼きたてのレモンパイを持って部屋の前にいた。ガノンとランバートには悪いが、二人がいると逃げてしまうので事情を話してお引き取り願った。

 ガチャと扉が開く。

「誕生日おめでとう、リュカ」

 ランディがそう言ってやると案の定、白百合はきょとんとした。

「…………」

「……また忘れてたね?」

「うん」

 白百合は、しかし素直だった。レモンパイを見て、少し嬉しそうな顔になった。

 中に入って、テーブルにレモンパイを置く。

 そして早速、ランディが切り分けて白百合に取り分け
1125・ 聖薇
【誕生日】

 誕生日とは、本来特別な一日である。

 友達や家族、果ては愛する人から生まれた事を祝福される一日。

 しかし、彼は違った。

 友達も家族も失った。周りからは疎まれた。そんな五年間だった。

 だが、今年は違う。

 一人……たった一人だが、彼の友人が戻ってきたのだ。

 その友人は今、城のキッチンを借りて奮闘している。

「……と。次はこれを……」

 彼の誕生日を祝う為に。祝福する為に。

 たった一人の大切な人の為に、大好物のレモンパイを作っていた。

「……ん?なにしてんだ、ランディ?」

 そこへ最近仲良くなったガノンがやって来た。

「あ、ガノンさん。うん、ちょっ

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