リレー小説(episode1:出会い)
リレーです 題名はそのうちでいいかなあ。どうしましょう。
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【3/3】長くてすみません

「ーー……」

もの凄く、寂しかった。

でも、クロにとってはあの子に拾われた方が絶対幸せで。

「そいつ、俺のネコ」なんて言う筋合いなくて。

女子高生は緑色の傘を差したまま器用にクロを抱いて、笑顔でこっちに歩いてくる。
猫の餌を持っているのに気づかれないよう、咄嗟に隣の家の植え込みの方に袋ごと投げた。

「あら」

ふわっとした髪の、赤縁眼鏡の女子。こっちに気づいた。俺は知らないふりをして歩いて行こうとした。

不意に、頭上で雨を弾く音。
「風邪ひくよ」
振り返ると、クロを大切に左手で抱えた白いブレザーの女が、もう片方の手で必死に俺に傘を差し掛けていた。背が低
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【2/3】

「昨日のテストだが、一人を除いて全員満点だった」

みんな満点!? 思わず口がパカッと開いた。

あまりの衝撃に、油の切れかけた機械のようにギチギチと首を回して担任から目をそらす。
「その一人は、0点だった。誰のことだかは言わなくても本人が分かってるよな」

俺ーーーーーーー!笑!(白目)

「勉強できないやつ」って、虐められるかもしれない。でもいいんだ。俺には学年No.1とNo.2が付いている。
それに、俺がここに来た目的は別のところにあるんだから。



ホームルームが終わると、俺は早速短い時間を使ってでも『みふね』を探そうと、上級生のクラス棟に向かった。

※※※

半年前
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【イノウエ/七海洋平太】(1/3)

遅刻、遅刻

遅刻意識してる。俺、すげー。
今までなんて遅刻とか当たり前だし、むしろサボるのとか当たり前だし、授業があったことすら忘れてたし。

そんな俺が、「間に合うように走ってる」とか、奇跡。俺は変わったんだ。ヤンチャ辞めた後は随分絡まれたけど、今はそこまでない。
ケンカ仲間じゃない友達もできたし。


自分の席にビシッと座ってると、莉緒がふうふう息を荒げて隣にやってきた。ドスン、と袋を机に置いて、深く溜め息を吐く。

「なんだ、その雑誌」
「昨日、小波くんがうちに忘れていったのよ」
朝から疲れ切った顔で莉緒は答えた。

「重かったろ。俺を呼べば良かっ
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73・ Nil@激多忙
続き→

「ただいまー」

帰宅するとキッチンからご飯のいい匂いがしていた。さっきまでお邪魔していた誰かの御宅からも同じ様な匂いがしていた事を思い出す。

「いきなり出てったから、びっくりさせちゃったかなぁ。いや、知らない所に拉致られた方が驚くけどさ」

二階の自室に入ろうとすると、足元から「ニャア」と鳴き声が。

黒猫のアラタが煮干しをくれくれと僕の足に猫パンチをしている。

「おいでアラタ」

僕はアラタを抱っこして部屋に入り、定位置のA◯azon箱に入れてやる。煮干しを差し出すと、アラタは満足そうに食している。

人の気持ちもこんな風に分かりやすかったらいいのに。

「今日は色々疲れたよ
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72・ Nil@激多忙
【Nil/小波航】


姉ちゃん知ってる?

桜の花の落ちるスピード、秒速五センチメートルなんだよ。

きっと僕の涙も同じ速度だ。


不敵に微笑む姉ちゃんに、センチメンタルな呪いをかけようと睨んでいると、突如真下からぬっと影が現れた。

「うわっ!!」

振り上げた腕が何かにぶつかり、派手に転がる。

黒い大きな箱からレースの様なものが飛び出していた。

地面には光沢のある、紫色のチャイナドレス。あれ……見覚えがある。

「……そ、その衣装…………」

「あーーー!!っと、失礼いたしましたッ!」

女の子が慌てて黒い箱に詰め込んでいたのは、タロット……カード?


ドキンッ!


な、
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【綾瀬/磯山真凛つづき】

「真凛。おい、大丈夫か? お前本当に体調悪かったのかよ」


頬に触れた兄のひんやりした指。顔を上げると心配げにこちらを見下ろした兄がいて。途端身体中の血が逆流したように暴れ出した。


「さっ、触んないで変態っ!」
「はぁ?」
「あんなまつ毛ばちばちのおっぱいでかいギャルが好みなんて趣味悪い!マジキ モい」
「おっ、沖瀬はギャルじゃない!彼女を馬 鹿にするな。それよりお前こそギャルの友達なんか作りやがって、相手くらいちゃんと選べ!」
「うるさいうるさい! 波野さんはギャルじゃない! サーフィン焼けなだけだ! いつまでも兄貴ヅラしてんなこんのおっぱい野郎!」



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【綾瀬/磯山真凛】


「その……今日は、大変申し訳……」


数歩前を歩く、律儀に本当に迎えにきた兄の後頭部を眺める。なんとか謝ろうとするけど、体が拒否反応を起こしてなかなか上手く言葉が出ない。

だめだだめだ。
ここでちゃんと謝らないと……映画に行ってもらえなくなっちゃう。


「あのっ、おっ、お兄ちゃん!」


久しぶりにちゃんと兄を呼んだ。服の裾を引っ張って呼び止める。なのに振り向いた兄は心ここに在らずなようで、ぼんやりと白木ベースのモダンな店を眺めていた。


「……どうしたの?」
「えっ? あ、なんか言ったか?」
「言ったけど……何かあった?」


せっかく妹が己を殺して誠心誠意謝
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68・ ねこまむ
【ねこまむ/磯山大洋 続き】

 真凛のスマホに『了解』とだけ送った後、階段を降りてリビングのドアを開ける。
 母さんは、いつもの通り、先月買ったばかりのお気に入りのソファーに座って、韓流ドラマを見ながら号泣していた。
 普段なら、声を掛けるとめっちゃ怒るけど。

「真凛、晩飯要らないって。後、友達んちにいるから、後で迎えに来てって」

 そう言うと、「ええっ!」と声を上げた後、少し困ったように言った。

「私ね、夜はママさんバレーの練習があるのよ。もう直ぐ大会もあるから、サボれないわ。大洋、行ってきて」
「えええ、まじか」

 波野ってヤツの家、ウチから相当離れてる。まあ、中学違うし、当然ち
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67・ ねこまむ
【ねこまむ/磯山大洋】

 家に帰った後も、沖瀬の顔がぐるぐるぐるぐる無限ループする。
 
 なんだ俺、どうした俺、って、なんだコレ。

 妙にドキドキしたかと思ったら、太ももの裏が何だかぞわぞわしたりして。
 ベッドに寝転んで、ゴロゴロしてみたけど、動悸が激しくなっただけだった。
 
 それで、とにかく気持ちを落ち着かせようと、さっき買ってきた、こけしを開いてみるものの。
 全く頭に入ってこない。
 いつもなら、恍惚の世界へと誘ってくれる苔たちなのに。
 今日は全くもって、ただの「苔」にしか見えない。
 フサフサもふもふとした山苔も、ツンツン澄ました杉苔も、キュートな玉苔も。何も訴えかけてこ
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【続きです】

「じゃあ連絡しろ。俺の目の前でちゃんと確約しろ。そしたら帰る」
「……チッ」

あっ、舌打ちしやがったな。磯山はスマホを取り出す。こっちが言ってることは解るっぽい。「ぁっ、ほら、兄貴が……」と嬉しそうに声を上げて画面を確認し……

もの凄い美しい笑顔を浮かべて固まった。

「七海くん、こっちの方に親のトレーニングルームあるから!ちょっと遊んできたら?」



(すみません、だいぶん変わってしまいました。真凛ちゃんがやばくなった)
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【洋平太/差し替え分。ごめんなさい】

【洋平太続き】(2/3)

トイレから出ると、リビングの方から声がしていた。
「でっ、出た……!」
黒髪の美女は俺を見るなり叫んだ。あ、トイレ待ちだったのか?
「ああ、悪《わり》い。待たせたな」
「ナッ……ざ……だ……」
なに言ってるか分かんねえ。
「莉緒、コイツ、どうしたんだ?」
通訳者を求めるも、莉緒も引き攣った顔で首を左右に振った。
「コンタクト自分で壊してから、こうなっちゃった」
「に、人間……ネオアトランテイースのカーコイルめぇ……」
「は?」
か細く掠れた声で謎の言葉を発した女子をぽかんと見ていると、莉緒が制服の裾を引っ張ってきた。
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64・ kanami
【沖瀬美波 つづき】


そのとき、

「あ、それ!!」

正面から声がして反射的に見上げた。

そこには、オレンジ色の髪を一つに束ねた、赤縁眼鏡の女の人が。


「プレゼントの相手は、貴女だったんだ」

「……え?」

クスクスと笑うその女の人が指差す先は、磯山大洋から貰った苔テラリウムの小瓶。

「どういうこと……ですか?」

私が聞き返そうとした瞬間、


ボフッ!

誰かがその女の人に、すれ違い様にぶつかった。

「痛ッ!!」

「あ、すみませ……」

おどおどと頭を下げた男の子は、私と同じ高校の制服を身に付けていて、
背中にはなぜかくっきりと靴跡が付いていた。

あら……この男の
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63・ kanami
【ka*na*mi/沖瀬美波】


全速力で走り去る磯山大洋の後ろ姿を呆然と見送りながら、私はヘニャヘニャとその場に座り込んだ。

今しがた起きたことは、全部都合の良い夢……?

いいえ、違うわ。
だって私の手の中には、さっき磯山大洋から手渡された小瓶が、確かに…………

――“それなら、沖瀬のほうがよっぽど……”

え、ホントに?
え、うそじゃない?
え、耳おかしくなってない?

ま……まさか、磯山大洋も私のこと……
てことは、私達……

りょ・う・お・も・い……!?
キャーーーーッッ!!!


心の中のシャウトが口から盛大に漏れて、
近くを歩く数人がビクッと体を揺らした。

ごめんなさいね
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【洋平太続き】(3/3)
「あ、アンタなんかに送ってもらわなくても、兄貴に来てもらうし」
「じゃあ連絡しろ。俺の目の前でちゃんと確約しろ。そしたら帰る」
「……チッ」
磯山は憎々しげに舌打ちしてスマホを取り出し、「ぁっ、ほら、兄貴が……」と嬉しそうに声を上げて画面を確認し……

もの凄い美しい笑顔を浮かべて固まった。

「七海くん、こっちの方に親のトレーニングルームあるし!ちょっと遊んできたら?」

トレーニングルーム? それちょっと興味あるな。
俺は磯山を解放し、案内された部屋に行ってみた。

おおっ! スゲー。
考え得る限りの運動器具が部屋に詰め込まれている。うわー、興奮する。

早速試し
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【洋平太続き】(2/3)

普通より便所が長いから、ク ソしてると思われてるだろうな。まあいいけど。
トイレから出ると、リビングの方から声がしていた。

「出たな!」
黒髪の美女は俺を見るなり叫んだ。あ、トイレ待ちだったのか?
「出た」
「渚様のニセモノめ!貴様がどんな形《ナリ》をしていようとも、私は騙されんぞッ!」

なに言ってるか分かんねえ。

分かんねえけど、コイツの頭がヤバいことは分かる。

「莉緒、コイツ、どうしたんだ?」
通訳者を求めるも、莉緒も引き攣った顔で首を左右に振った。

「コンタクト自分で壊してから、こうなっちゃった」
「貴様も所詮人間だ。ネオアトランテイースのカーコイル
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【イノウエ/七瀬 洋平太】(1/3)

時間は少し前に戻る。

波野莉緒が出してくれた茶菓子のカントリーマイムの袋を破りながら笑った。
「波野もこれ好きなんだ。俺も好き。ガ キの頃はいつもうちにあった」
小気味好くキュウリを切っていた音が止まる。不思議に思って顔を上げると、相手は口を尖らせていた。
「莉緒」
「は?」
「……名前で呼んで。『莉緒』って」
ああ、名前か。
「分かった」と答えた後、もぐもぐ食べてると、莉緒は前を向きなおってまた手を動かした。その背中をぼんやりと見つめる。

あー、なんか、急に思い出した。
小学校の6年までは、お母さんの飯作る後ろ姿見ながらこれ食ってたんだよな。


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59・ Nil@激多忙
続き→


彼のニカッとした笑顔が目に焼き付いたようだった。その笑顔が胸の奥に、刻み込まれたみたいに。

──友情の証にしようぜ。
俺が困ったら絶対、助けに来いよ?




「っ?!どわっ!!!」

視界がグラリと傾いて、見たことのない景色がぐるりと回転する。

「ウグッ」

何かから落下したらしく、僕は額から見事に着地したみたいだ。おまけに夢でも見ていたのか、なんでか涙が頬を濡らしていた。
何の夢だっけ?


先行きの良いスタートだったのに、なんでこんな事になったんだろ。

「だ、大丈夫?」
「げ、なんで泣いてんの!?」

あまり耳馴染みの無い声。そういやここどこだっけ? 額をさすりながら
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58・ Nil@激多忙
【Nil/小波航】


体が浮いている。

雲みたいにプカプカ、僕は浮かびながら空を見上げていた。

あの日、冷たいアスファルトの上で見上げた空と、どこか似てる。


──チビのくせにカッコつけんな!
──女みたいな顔で気持ちわりー!
──明日から仲間ハズレにしようぜ!
──賛成賛成!


四人のクラスメイトに罵られながら、ランドセルを背負ったまま、僕は道路のど真ん中で倒れていた。

確か転校生の女の子が揶揄われていて、ずっと辛そうに耐えてるその子が見てられなくて、揶揄ってた男子を注意したからその腹いせだと思う。

弱いくせに、僕って馬 鹿だなぁ。
なんでこんな事したんだろうなぁ。

紺碧の空
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【続きの続き】

あ、いかんいかん。 重要なこと忘れてた。


「え、磯山さん何してんの?」
「ちょっとコンタクト割らなきゃいけなくって」
「へ、へぇ……」


口角をひきつらせる波野さんを尻目に、目から取り出したワンデーコンタクトを指で叩き割る。

それとほぼ同時に、向こうからトイレを盛大に流す音が聞こえてきたのだった。


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【続き】
「っ!!」


パチリと目を開けると天井が見えた。

くんくん。あの空間で香ってきた匂いと一緒だ。夕飯の匂い。足元を見ればタオルケットがかけてある。私、戻ってきたのかな……

でもここどこよ?


「あれ、起きた?」


突然耳に入る女の声。座り直し顔を上げるとそこには台所で手を拭きながらこちらを振り返る………ギャルがいた。


「ギャウ!!」


また噛んだ。

いや今はそんなことはどうでもいい。財布!財布はどこ?! カバンは? 貴重品は?!


「何慌ててんの?」


くすくす笑いながらギャルが近寄ってくる。ギャルとエプロン、なんてミスマッチなんだ!!


「あの……所持金ほとん
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【綾瀬/磯山真凛】

あれ、ここどこだ?


辺り一面真っ暗。でも空を見上げれば満天の星とその間を泳ぐマグロの群れ。癒される……


「なんでだろ。全く知らない場所なのにずっと永久に居座りたい気分になってる」


不思議とカラダ全体がほわほわしてて、下半身があたたかい。何故か夕方の台所と同じ匂いがする。

不思議だな……


そんなことを考えながら、イケメン(2次元に限る)も降ってこないかなと思いつつ流れ星を見送った時だった。


『おい、真凛』
「!」


聞き間違えるはずがない。海のように広く穏やかなのに胸を抉ってくる低音ボイス。

これは、間違いなく……


「渚しゃま!!」
『気づくの
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