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1,466PV133コメ

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書き込み 133件

133・ kanami
ラスト


席についてからも、私達の間には気まずい雰囲気が流れる。

私……ばかだな……

勝手に好きになって、勝手に嫉妬して、勝手に怒って。
磯山くんに、八つ当たりしたりして。
悪いことしちゃったけど……今更謝れない……

真凛ちゃんは、磯山くんにとって可愛い妹で大事な存在。
きっと、一番大切な女の子なんだ……

何しても敵わない気がする。
磯山くんは『妹』って言ってたけど……

―――私は、昨日西園寺クリステルの占いにやってきた真凛ちゃんを思い出していた。


“私、好きな人がいます”


真剣な表情でそう言った真凛ちゃんの、目に映っていた人物は――――――――


「今日、真凛のお見舞い
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132・ kanami

あ……昨日の担任とのことで、私が気落ちしてないか心配してくれてるのかな。
七海くんもいるから、きっとあえて言葉を濁してくれてるんだ。

「大丈夫よ……心配してくれるなんて、優しいね、磯山くん」

「いや、そんな、別に……」

「何、なに?」

すると七海くんがぐいっと割り込んできて、フッフッフ……と口の端で笑いながら磯山くんに耳打ちをする。

「沖瀬の身体の心配……?お前、どんだけ激し……」

「あぁぁもう!お前、マジで口塞ぐぞ」

イラつきMAXの磯山くんが、七海くんの頬を引き寄せるように片手でブニュと潰 すと、

教室の端で一部の女子達から
「ヒャアッ♡」「ツンギレ♡」「尊い……♡
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131・ kanami

【ka*na*mi/沖瀬美波】


あぁ……好きな人の声を、寝る直前に聞くもんじゃない。

『おやすみ』……『おやすみ』……『おやすみ』……
頭の中で磯山くんの声がエンドレスリピートして、
凄く心地いいのに、妙にドキドキしちゃって。

結局、昨夜は全然眠れなかった。


ふぁぁ……と小さく欠伸をしながら教室に足を踏み入れる。

すると、ズカズカと大股開きで目の前を横切る七海くんの姿が目に入った。

そういえば、昨日の電話はいったい何だったのかしら。
よく分からなかったのよね……

「おはよう、七海くん。」

私が声を掛けると、七海くんは勢いよくこちらに振り返った。

「おっ、おーおー!沖瀬」
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126・ イノウエ佐久*🐻
【続き】

それにしても「きゅん」ってなんだよ。
「君」でもなくて「きゅん」なのかよ。

俺は目を閉じて自分も「きゅん」付けで呼ばれるのを想像してみた。

ーー洋平太きゅん♡

「グハッ!」

何という殺傷力。一瞬で腑抜けになるところだったぜ。危ねえ。

俺は席を立って、自分の位置に戻っていく先輩に後ろから追いついた。覆いかぶさるようにその肩をドシッと組む。
でもここは友好的にいかなきゃな。

「よぉ」
「……」
「今日、一緒に帰ろぉぜ」

絶対友達になって、「普通の優しげな」男子高生になる秘訣を学んでやる。そんで、あいつらに絡まれなくなったら、莉緒ともっかい仲良くなるんだ。
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125・ イノウエ佐久*🐻
【イノウエ/七海洋平太】

あー、だりぃ。

昨日は新品の携帯をぶっ壊したから親父にすげえ怒られたし、帰りが遅すぎるってばあちゃんにも怒られたし。

朝から辛気臭く溜め息をついていると、登校する生徒の群れに莉緒の後ろ姿を見つけた。一瞬で心が軽くなる。

あ、いや、ダメだって。
莉緒を巻き込まないように、近づかないようにしようって、決めたばっかじゃんか。

また沈んだ気持ちになりながら莉緒の後ろ姿を見ると、莉緒は隣にいる誰かに話しかけていた。あれ? さっき隣に人なんていたっけ。相手も楽しそうに応じている。

「…………」

ム……ムカつく。
莉緒の隣に俺じゃない男がいるのがすげえムカつく。何だあ
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124・ Nil@激多忙
ラスト


肩に伸ばされた兄ちゃんの手を、僕は鍛え上げたエアー少林寺拳法で払いのける。

「あっちに行けエロ魔神族め! 僕は莉緒たんのお側で空気のように彼女を兄ちゃんから守り抜くっ!」

兄ちゃんの強行から背後の扉を死守すべく、両手を勢いよく広げた瞬間。
手の平がマシュマロのようなもっちりとした弾力にぶつかる。

「きゃっ!」
「くそッ!」
「うそんっ!」

僕の手はホカホカお風呂上がりの莉緒たんのお胸にクリーンヒットし、堪えていた煩悩が鼻から噴き出しその場にぶっ倒れた。

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123・ Nil@激多忙
続き→


0010 モブ団員ワタルン@攻性防壁発動中

はい、団長。リアルアリスたんは、現在我が家の浴場で湯浴み中でございます!


0011 アリス聖騎士団団長@メリオダース

ぐぶはっ 浄化の儀式の最中とは!
無防備にもほどがあるっ!
すぐに浴場に向かい魔神族の手からリアルアリスたんを死守せよ!


0012 聖騎士団団員@マリリーン

待ってよ団長。いきなりワタルンに浴場の護衛なんて。しかも相手はリア充の魔神族。
私たち厨二族には強敵すぎるわ!


0013 残飯処理士団団長@ポーク

おい! オレを無視するんじゃねー!
ローリング・ベーコン・アタックをお見舞いす
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122・ Nil@激多忙
【Nil/小波航】



♡アリスちゃんねる♡


0001 モブ団員ワタルン@攻性防壁発動中

緊急事態発生! みんなの知恵を貸して下さい! 先日お話していたリアルアリスたんが、なんと本日我が家に出現しました。
しかし尊すぎて近づく事ができません!
おまけに性欲の魔神と化した兄がリアルアリスたんを狙っている模様。心配でなりません!


0002 聖騎士団団長@モッコリオダース

ワタルン、その前にひとつ訊きたいのだが、なぜお前の家にリアルアリスたんがいるのだっ! お前は我らアリス聖騎士団を裏切り、リア充に寝返るのかああぁぁ!!


0003 聖騎士団団員@マリリーン

落ち着
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【綾瀬さいご】

「あらあらまぁまぁ、結局着替えもさせずに仲良く寝ちゃって。仕方ないわね、もう……いくつになっても仲良しさんなんだから♡」


洋平太を送り帰宅した母は股間に強打を喰らい気絶した大洋と、あまりの現実にパニックを起こし気絶した風邪っぴき真凛を同じ布団に入れたまま、そっと電気を消すのだった。


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【綾瀬つづき】



「あ、兄貴……これ、このジェラピケ……生脚晒してんの……沖瀬美波じゃ」
「どふっ!! 違う! これは違うんだ!」
「ハジメテ……? 抱かれたときは、痛くて……?」
「ちょっ、待て! 勝手に読むな! あと誤解だ、俺は沖瀬とはまだ」
「まだ?」
「ひぎぃっ……」




“口唇が暴走しています! 制御とれません!”

『兄貴にはまずまずのダメージを与えられているようだが』
『同時に自らが傷ついていることに真凛自身気づいていない。これ以上無駄口を叩かせても真凛を瀕死に追い込むだけだ』




「そっか……電話かけてもかけても繋がんなかったのは、駅で待っても待っても帰ってこなかっ
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【綾瀬/礒山真凛】


「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!」



〜 BGM「DECISIVE BATTLE」 〜

“エマージェンシー! エマージェンシー! 全脳細胞に告ぐ! 現在我々の|主人《あるじ》「礒山 真凛」の身に緊急事態が発生した!”

『状況は?』

“正体不明の移動物体は、現在主人のネクタイに手を掛け静止中”
“目標を映像で確認!主モニターに回します。……パターン青!”

『久方ぶりだな』
『ああ、間違いない……兄貴だ』

“通信試みます”

『無意味だとは思うがな。やってみろ』

“声帯振動、用意! ”




「なっ、ななっ、何をしっ」




“駄目で
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118・ ねこまむ
【大洋続き ラスト】

「お、俺は健全な高校生男児で……」

思わず口走ると、七海がニヤニヤしながら呟いた。

「健全な……!」

ああああ、もうっ!!!

「チガウ!」と全力否定して、奴を部屋から追い出した。
そして、ゼェハァしながら、母さんを見ると、何だか不満そうに頬を膨らませている。

「何よ。母さんに1人で重労働させる気?」
「いやいや、俺が手伝うとか、マズイだろ!」
「良いじゃない。あんたたち、この前まで一緒にお風呂に入ってたんだし。って、大洋が着替えさせといてよ。お母さん、渚様を送ってくるから」
「な、何言ってんだよ!!」
「頼んだわよ♡うふふ、渚様とのドライブ♪」

困惑しま
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117・ ねこまむ
【大洋続き】

「ちょ! な、何だよこれっ!! おま、やっぱり! 昨日知り合ったばっかの女と、何でこんなことになるんだよ?」
「いや、違うって!」
「隠すなって! すげーな、そんな技まで隠し持ってたのか」
「違う!!」
「なあ。どんな風に優しくしたワケ?」

ニヤニヤしながら聞いてくる七海に否定するので精一杯。

「だから、違うって言ってんだろ!!!」

なのに……。

次にポップアップしてきたのは。

ーー抱かれたときは、痛くて

「うわー!!! すっげー!!! 痛がる沖瀬を無理矢理?」

と、勝手にメッセージを開いて、「ヒャッフゥ!!」とか変な叫び声を上げた。

「ちょっ! 返せよ!!」

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116・ ねこまむ
【ねこまむ/磯山大洋】

「ちょ! 母さん、それはダメだって!」

あの部屋を七海に見られるのはヤバイ!!
必死で止める俺を完全に無視し、母さんは先頭に立ってスキップするような勢いで、真凛を抱える七海を2階へと案内した。

「この部屋です〜〜どうぞ♡」

唖然とする七海の横で、思わずため息を吐いた。

普通の奴が見たら、ただドン引きする、真凛の部屋。
ところが、『ナギササマ』そっくりな|七海《コイツ》が見たら。

ポーッと顔を赤らめ、腑抜けのように真凛を見つめる七海に、思いっきり否定してやった。

「これはお前じゃない!」
「あ、あああ、ああ」

ダメだ。完全に逝っちまってる。

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115・ kanami
【美波 ラスト】長くてごめんね


『だってあんな意味深なメッセージ見たらさぁ』

『つーか、何ヒトのスマホの通知読んでんだよ!』

『ありゃ読まずにはいられねーだろ!』

『はぁっ!?』

電話の向こうで、何やら揉めてる様子の二人。

……?
私、なんか変なこと送ったかな。
ありのままを書いただけなんだけど……


『おっ、沖瀬?……なんかごめん。
とりあえず今ちょっと取り込んでて……』

『あ……わかった。また明日ね』

『おう……じゃあ、おやすみ』

『……おやすみなさい』

忙しなく電話を終えて、私は暗くなったスマホの画面を見つめた。


半分以上意味不明だったけど……
でも、寝る前に
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114・ kanami
【美波 つづき】

『磯山くん、すごかった……
ビックリしたけど、助けてくれて嬉しかったよ。本当にありがとう(*^^*)』

すると、またすぐに既読がつく。

ピロン♪
今度は少し間を置いてから。

『あぁ。また何かしてこないとも限らないから、何かあったらすぐに俺に言えよ。』

うぅ……なにそれ……ッ!

もう、ずるい磯山くん……こんなこと言われたら、もっと好きになっちゃうよ……

緩む頬をペチペチと叩きながら、メッセージを返信する。

『私、あんなのハジメテだったから、ちょっと怖かったけど……でも、磯山くんが優しくしてくれたから、すごく安心したよ。』

“怖かった……”そう自分で打ち込むと、
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113・ kanami
【ka*na*mi/沖瀬美波】


ベッドの上に腰掛けて、私はようやく「ふぅ…………」と長く息を吐き出した。

気を張っていたからか、どっと疲れが出て、身体が脱力してしまう。

磯山くんと別れてからタクシーで自宅に帰り着いた私は、駅での担任とのやりとりで酷く冷や汗を掻いてしまったこともあって、バスルームへ直行した。

シャワーを浴びてスッキリしたところで、愛用のジェラートピケのルームウェアを身に付ける。

滑らかで肌触りのいい素材のショートパンツにパーカーを羽織ると、半乾きの髪にはお揃いのリボン型のヘアバンド。

ドライヤーを片手に自分の部屋のベッドに腰を沈め……

私はそこでやっと、大事なこ
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続き→


「七海!」
一人で盛り上がっている俺の目を覚まさせるかのように、磯山先生が目の前に現れて俺の両肩を掴んだ。

「これはお前じゃない!落ち着くんだ。スマホで「ナギササマ」を調べろ!グークル🐦先生が教えてくれるから!」
「あ、あああ、ああ」

自分でもびっくりするくらい動揺している。「ああ」という基本の頷きさえ普通にできない。

ポケットからスマホを取り出すと……そうだった。バキバキに割れた画面。

「うわっ、どうしたんだよソレ」
固まってしまった俺に気づいて磯山先生が隣にくる。その瞬間、そう言って眉根を寄せた。

「あーーーー、2階から、落とした」
「バッカじゃねえの? 俺ので見せて
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【イノウエ/七海洋平太】

「なんで七海がここにいるんだ!」

夜遅い住宅街に、磯山先生の叫び声が響き渡る。俺は突然背後で怒鳴られて一瞬驚いたが、それを気にする余裕もなく、磯山妹の頭を首元に寄せてグラグラしないようにしてから横抱きにした。

「あらー、真凛ったら羨ましい!渚様にお姫様抱っこされて♡」

磯山母は戸を開けて俺を中に通した。明るいところでエプロンのポケットからスマホを取り出し、なぜか俺たちをパシャリ。

「申し訳ありませんが、この子の部屋二階なんです。お運びいただけますか?」
「ああ、はい」
「ちょ! 母さん、それはダメだって!」
磯山先生は後ろからついてきて何か騒いでるけど、何言
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108・ Nil@激多忙
ラスト→



両手を広げた僕に莉緒たんは、ぺこりとお辞儀をして微笑んだ。

「突然……ごめんね……」

申し訳なさそうに、そう言った莉緒たんの顔は、どことなく憂いを帯びていて。

こんな夜中に出歩いていたのも、まだご飯すら食べてないのも、きっと何か理由があるんじゃないかって。

そう思った時には、もう僕の手は莉緒たんの手首を握りしめていた。


「ちょっと話があるから、僕の部屋に行こう」


自分がいつからこんなに積極的で、お節介になったのか。本当に不思議でならないけれど、やっぱり西園寺先生と真凛のおかげなんだと思うよ。



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107・ Nil@激多忙
続き→


「お前のっ笑顔はっ! う……ぐぐ……言える気がしない……ぬああぁぁーー!!」

頭を掻き毟り、羞恥心でベッドの上を転がりまわっていると一階から甲高い叫び声が聞こえた。

「わったるぅーーー!!!!」

げ。姉ちゃんだ。

息を潜めていないフリを決め込む。大丈夫、靴は靴箱の下に置いたからバレてない。

「ちょっと来てよぉ〜アリスを拾ったの
よ! 航が大好きなアリスたん!!」

はぁー? アリスたんだって!?

「何馬 鹿な事を……ッハ! そうだ、イラスト集だ! 保健室に忘れちゃったイラスト集を姉ちゃんが持って帰ってきてくれたんだ!」

ようやく肝心な事に気付いた僕は、慌てて
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106・ Nil@激多忙
【Nil/小波航】



「なんか今日……疲れた」

自室に戻ると正面の壁に貼り付けたポスターの中のアリスたんが僕を見つめていた。
やっぱ可愛い。胸がドキドキする。

だけど──真凛の時とは少し違う。

「真凛って確か、オーシャンズ何とかって乙ゲーが好きなんだよね」

乙ゲーの中でもその人気はダントツ。
下は5歳から上は80代のおばあちゃままで、みんなを虜にするグッドルッキングガイ。
その中でも不動の人気ナンバーワン、七海渚。

見たことはあるけど、正直なところあまり印象に残ってないんだよなぁ。

「おーしゃんず……なぎさ……っと」

ベッドの上でノートパソコンを開き、オーシャンズなんとかの情
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【ラスト】

最後に聞こえた渚様と母さんの声に混じって遠くから兄貴の叫び声が聞こえたような気がしたけれど、会いたすぎて私が作り出した幻聴だったのかもしれない。

そんなことを考えながら、大きくて優しい渚様の腕に抱かれ、私はついに意識を手放した。



「……って、きぃっ、きゃーーー!! 渚様?! 真凛がリアル渚様を連れて帰ってきたわーーー!!」
「なんだ、ここ磯山の家の前だったのか……てかまたナギササマ……なんかもうどうでもいい……俺は疲れた」



跪き私を抱き上げたまま盛大にため息をついた彼の後ろで、本当に本物の兄貴が汗をダラダラかきながら般若を背負い仁王立ちしていたなんて、その時気絶して
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【つづき】

「ごめんなさい渚様……」
「ちょっ、おまっ、放せっ、俺っ、俺はナギササマなんて名前じゃなっ」
「ごめんなさい、ごめんなさい、私渚様を裏切ろうとしてる……」
「はっ……はぁ?」
「でも私、こっちの世界でも頑張ってみたいんです。あんなに助けてもらったのに……私、渚様を裏切るようなことを……私……最低だ……」


今日泣きすぎだろ私。

しばらく沈黙が続いた。呆れられちゃったのかな。もう会いにいけないや……


そんなことを考えていたら、盛大なため息と一緒に両頬を片手で左右から潰された。

これ、どこかで誰かにされたような気が……


「何勘違いしてんのか知らねぇがな、お前が頑張ろうと
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