episode3
遅くなってすみません(^◇^;) 3です。
535PV50コメ

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50・ kanami
【美波つづき】


いい、よね……? 恋愛のお守りとして、今だけ私の手元に置かせてもらっても。

少しだけ、勇気をもらいたいの…………



「沖瀬!」

後ろから名前を呼ばれて、私は弾かれたように振り返った。


磯山くんが私のすぐ近くまで走って来て、
膝に手を当てるとはぁ、はぁ……と息を切らしてる。

うそ……!
心の準備が出来てなくて、私の心臓は途端にバクバクと騒ぎだした。

「後ろ姿が見えたから、追いかけてきた……」
「そ、そう……あれ、真凛ちゃん……は?」
「一緒じゃない。途中で波野と合流してから来るとか言ってたな」
「そ、そっか」
「あぁ。」
「あ……あの、」

「「ごめん!!!」
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49・ kanami

【ka*na*mi/沖瀬美波】

―――『名乗るほどじゃあない。おれはただの、君の味方』

ほぅ…………♡

あ、やだ……私ったら、また……!

一昨日から数えて100回目のため息が口から溢れて、私は慌ててキョロキョロと周りを見回した。

いけない、ここ路上だった……!
七海くんのお宅で勉強会をするために駅から歩いて向かっているところなのに……一瞬トリップしちゃった。
もう、美波のうっかりやさん!


はぁ、だめ。どうしたって顔が緩んじゃうわ……
おかしいな。私ってこんなにミーハーなやつだった?

だってあんなに女の子扱いされたのも、蕩けそうなほど甘い言葉を言われたのも、生まれて初めてだっ
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46・ イノウエ佐久*🐻
つづき

カッパの公園には水がなかった。普通のブランコと滑り台だけの誰もいない公園。ベンチに莉緒を座らせ、俺はその前にヤンキー座りした。
「あのさ」
目を逸らす莉緒に、後ろ頭を掻く。
「俺、中学の時。ずっとケンカしてたから、敵が多いんだよ」
「……?」

莉緒がやっとこっちを向いてくれた。ちょっとホッとしながら、話を続ける。

「だから、俺といると莉緒までとばっちり受けたりするから……」

だから、友達にはなれないかなって。
迷惑かけるの嫌だし。
莉緒がひどいことされたら嫌だし。

「だから、迷惑とかじゃなくて……」

なんて言ったらいいかわからない。ただ、守りたいだけなんだ。

「……うん」
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45・ イノウエ佐久*🐻
【イノウエ/七海洋平太】

俺は航からのメッセージを確かに胸に受け止めた。

「は、や、く、つ、き、あ、え」

その為に、二人にしようとしてくれたんだろ? 航、めっちゃいいやつ。

いや、でもこっちの片想いだろうし、まだちょっと様子見たほうがいいんじゃねえの? この勢いだけで告って「ごめんなさい」とか、居た堪れなすぎるだろ。

みふねに「ご飯食べていけばいいのに」と言われながらも、家を出た俺たち。
みふねには、また改めて会いに来よう。あの、緑色の傘を持って。

アラタ、もといクロを抱きしめて思いきり頭に頬擦りかましてきた。良かったな、いいところに住めて。


そういう訳で、二人並んで歩いてる訳
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44・ Nil@激多忙
つづき

カッと目を見開いて飛び起きる。
洋平太くんに投げ飛ばされて、気絶した僕がすぐさま視線を向けたのはカーペット上。

部屋の中央より20センチ北北西の位置。
洋平太くんのカバンで僅かに隠れている、真っ白の表紙にピンクのネグリジェ姿のアリスたん。

これが莉緒たんの目に入れば。
僕と洋平太くんの未来は。


マリアナ海溝に沈む!!!


「あぁーーーっとぉ!!!」

入り口で話し込んでいる莉緒たんと洋平太くんに聞こえるように、僕はバ カでかい声で叫び、大袈裟にふらついて洋平太くんのカバンの側でしゃがみこむ。

「ど、どうしたんだ航?」

「航きゅん……大丈夫?」

二人が中に入ってこないよ
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43・ Nil@激多忙
【Nil/小波航】


「おっふ♡」

「きゃっ」

「きぇーーーーー!!!!」


背後から洋平太くんの珍獣のような雄叫びが。と同時に、いきなり襟元が後方にちぎれんばかりに引っ張られる。

「ぐえぇっ!」

勢いのまま投げ出された体を、僕は空中でバランスをとりながら左側に捻り、F難度の後方二回宙返り二回捻りを華麗に決め、

「あぶしゅ」

られるわけもなく。

みんなで桃色ファンタジーへとダイブしていた花園《カーペット》に、顔面着地を成功し、僕の意識は天空の城を飛び越えた




♡─♡─♡─♡─♡─♡



「……ん…………きゅ……ん」

どこからか綿菓子のように、甘い匂いが漂ってくる。
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「そう。そして君にもそうしてあげたいと思う人間が現れたらいいな」
「はっ、はい! ありがとうございます」
「さ、ケーキを食べよう。ここの美味しいんだ」


ここで弱みにつけこんでガッつくのは童 貞のすることだ。俺は今、涙を拭いてショートケーキの苺を満面の笑みで頬張る女子高生の姿を両目に焼き付けられただけで十分幸せを感じている。

無性に護衛対象の、小夏の手料理が食べたくなった。間違いなく側にはあのムッツリ朴念仁がいるだろうが関係ない。帰りに寄って帰ろう。



「今日は本当にありがとうございました! ご馳走にまでなってしまって」


駅の改札口で彼女は丁寧に頭を下げた。顔を上げた彼女はもう見
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「何があったかなんて他人の俺が軽々しく聞いていいもんじゃないけど、もし君が話した方が楽になるなら俺はいくらでも聞くし、何も言いたくないならこのまま美味しいケーキを食べて帰ろう」
「っ……あの、こんなによくしていただいて恐縮なんですが……できれば聞いてほしい、です」
「喜んで」


にこりと笑うだけでぽぽぽ、と頬が赤くなっていく。はー、堪らん。これだから歳下は堪らねぇ。


「私、好きな人がいるんです」
「へぇ、君みたいな可愛い子に好かれる男は世界で1番の幸せ者だな」


好きな人か。問題ねぇ。軽く小指だけで奪える自信がある。しかしそんなことを考えていると、彼女の顔が一瞬曇った。


「私、可
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最初に言っておくがこれは作者綾瀬の横暴ではなく、可愛い可愛いka*na*mi達からの熱い希望だ。

イケメンの需要は常に右肩上がり。
仕方ねぇが一肌脱ぐ事にする。





ロイ エバンス、27歳独身。金髪碧眼をもつ罪作りなまでに最上級のイケメンだ。

職業は|暗殺者《アサシン》。そもそもボスの命令で日本に送り込まれた時の俺の動機を忘れている人間がここにも多々いると思うが、俺は、


日本の女子高生と触れ合いたかった。


今仕事で運良く女子高生の身辺警護を行ってるにも関わらず、必要以上に彼女と絡むとうるせぇ輩がいる。ドスケベムッツリ朴念仁。俺の相棒だ。

俺は奴とは違う。女子高生にうつつを
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38・ kanami

【美波 つづき】

……やっぱり、担任と莉緒ちゃんは、何か関係があるのかもしれない……

だけど、あそこで磯山くんが戻ってきてくれてよかった。

ごめんね莉緒ちゃん……
聞かれたくないことだった……よね。

あぁ、もう!
私が浅はかなばっかりに、周りを困らせてばかり。本当に嫌になる……


バス停で莉緒ちゃんと別れ、
そこから駅まで、磯山くんが送ってくれた。

私が暗い表情をしていたからだろう。
磯山くんは、心配そうに「大丈夫?」と私に尋ねてくれた。


大丈夫……じゃない。本当は。だけど……

「そうね。思ってた以上に真凜ちゃんに嫌われてて。ちょっとヘコんじゃった。
でも……私、負けない
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37・ kanami
【ka*na*mi/沖瀬美波】


「うっ…………うぇ、っく……うぅ……」

家に着くまで、我慢出来なかった。
人々が行き交う駅のコンコースで、私は生まれて初めて、人の目を憚ることなく泣いた。



―――元を辿れば30分前……

莉緒ちゃんに宥められて真凛ちゃんの部屋を後にした私は、たまたまリビングで居合わせた磯山くんに、莉緒ちゃんと二人送ってもらうことになった。

私に気を遣ってか、沈黙が辛かったのか、
河童の生体についてひたすら饒舌に語り続ける莉緒ちゃんと、
気まずそうに一歩先を歩く磯山くん。

居たたまれない空気が、そこはかとなく漂う。

それもこれも、……全部私のせい。



やって
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34・ ねこまむ
【大洋続き】

小波の大人発言に動揺が隠せない。

「そ、そうだな」

何とか体裁を保ちつつ答えると、さっきまで低反発クッションに悶えていた七海が起き上がった。

「何だよ。俺だけ仲間外れかよ!」
「洋平太くん、こういうの、苦手って言ってなかったっけ?」
「バ カか、お前は! 建前と本音は違うだろ!」

怒鳴られてるのに、ふふふと笑いながら七海に本を渡す小波に、勢い余って訊いてみた。

「お前さ、真凜とも、こんな事しようと思ってるの?」

すると小波は「えっ」と押し黙った後、オロオロしながら真っ赤になった頬を両手で押さえた。

「ま、真凜は……」

ギロッ!
睨みつけてやると、ヤツは「ヒィ!」
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33・ ねこまむ
【ねこまむ/磯山大洋】

キャッキャする七海と小波を横目に俺は優越感に浸っていた。

ふっ……。|真凜の男達《愚民共》よ

偶然触れたおぱーいとか、低反発クッションとか。

そんな低レベルな物に喜んでいるとは……。
片腹痛いわ。

グイグイ押し当てられるマシュマロおっぱいも、ふわふわ柔らかい二の腕も、適度な弾力のある太腿も。

俺は全部体験済みだ。

……全部真凜で、だけどな。
しかも、風邪引いて、ゼイゼイ言ってる時な。
でも、パンツ見たし。

ぐふふふふ。
ここ2〜3日、コイツらに感じていた、謎の苛立ちが見事なまでに消えていく。
低反発クッションに悶え転がり続ける七海にすら、慈悲深い気持ちが
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32・ イノウエ佐久*🐻
ごめんなさい!
これ挟むの忘れてました!
misaoさんお願いします


「なーんだよ、ムキになって。先生だって沖瀬とやってたじゃん」 「えぇーーー♡♡」 「まてまてまてーーい!! 七海! 言うなって言ったろ! 口固いって言ったじゃないか!」 「別にいいじゃん、ヤローしかいねぇんだしさ」
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31・ イノウエ佐久*🐻
続き


「くそ〜!羨ましすぎるぞ!
どんな触り心地だったか教えろ!」
「落ち着け七海」
「ええと、ええと.......」

航は部屋を歩き回りながら、クッションやら服やらを触って回った。

「ハッ! この低反発クッションが近いかもしれない!」
航が超真剣モードで俺にそのクッションを差し出してきた。

「お、おう!」
ドギマギしながらそれを受け取ると、手のひらに張りと柔らかさが伝わってくる!

「うおあああ〜♡」

そのクッションを抱きしめて転がる俺を、磯山が軽蔑するような嘲るような目で見下ろしていた。


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30・ イノウエ佐久*🐻
【イノウエ/七海洋平太】

分かったこと。
莉緒「たん」、航「きゅん」はハートキャプチャー♡アリスのキャラクターの、友達同士の呼び方だってこと。

莉緒が「昨日からずっと世話に」なったのは航の姉ちゃんにってこと。

そんで、航の姉ちゃんは......
思わず息を飲み込んだ。
俺が見間違えるわけない。100%に近い確信。
あれは「みふね」だ。

磯山先生と一緒に家に来た時はドキッとしたけど、その理由も分かった。

磯山先生と航のやりとりを聞いて、航のお目当が磯山真凛だと分かった。......やべーな、あいつって、俺のこと好きなんだろ?
まあ!でも航が頑張れば問題ねーし!

磯山先生に攻められてた
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29・ Nil@激多忙
ラスト→


「なーんだよ、ムキになって。先生だって沖瀬とやってたじゃん」

「えぇーーー♡♡」

「まてまてまてーーい!! 七海! 言うなって言ったろ! 口固いって言ったじゃないか!」

「別にいいじゃん、ヤローしかいねぇんだしさ」



どうしよう!
なんだか今日の僕、大人の世界へ羽ばたける気がしてきた!

メモ取らなくちゃ♡

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28・ Nil@激多忙
続き→


「あれ、あの人」


視線の先には姉ちゃんと、見覚えのある顔。

「な、七海と、小波??」
「磯山先生?」
「磯山くん?」

不敵に笑う姉ちゃんは、声をあげた僕たちをよそに、そそくさと靴を脱ぎ中へと入っていく。

「なーんだ。やっぱり苔王子は航の知り合いだったか♪」


な、な、な、なんだこの巡り合わせ!!


「と、とりあえず、僕の部屋行く?」



────


しんと静まり返った室内で、僕と洋平太くんと磯山くんが、トライアングルの魔法陣を描いて座りこむ。

「え、えーっと。磯山くんは、な、なんで僕の姉ちゃんと……ひぃっ」

異様な殺気。
いや、ただならぬ視線が対角線の洋平太く
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27・ Nil@激多忙
【Nil/小波航】



「あっ、洋平太くん……もっとやさしいので」

室内に僕と洋平太くんの荒い息遣いだけが聞こえる。

「うっせ……こういうのは、さっさとするのが一番なんだよ」

「だけどっ、初めてでいきなり……僕もう限界だよ……」

「怖いなら目瞑ってろ」

「そんな……僕はっ、洋平太くんの姿をちゃんと見てたいんだ!」


汗ばんだ手をすっと伸ばし、真剣な眼差しの洋平太くんの顔────


じゃなく、リモコンのボタンを押した。

ピッ

「もう。じゃあ行くよっ! 難易度ハード! 曲目ハートキャプター♡アリスのキャッチハート♡キャッチミーだよ♪」


アリスたん鑑賞会を終え、just da
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続き

「ぬふふ。真凛ー。あなたも大変ね」
「別に……」
「真凛は昔からお兄ちゃん大好きだもんね♡」
「……そうだっけ」
「そうよぉ。ほら見て、これ昨日撮った写真。で、これはあなた達が3歳の時の写真。一緒でしょ」


母さんはホクホクとした笑顔でスマホの画面と1枚の写真を見せてきた。顔を寄せ合って、安心し切った顔が今も昔も変わらない。奇跡のサンシンショット! と鼻息荒く叫ぶ母さんを見て、思わず笑ってしまった。


「真珠の女優、私に似てるんだっけ」
「そうなの! でもママは真凛の方が可愛いと思ってるわよ♡」
「そう……でも本当に珊瑚と真珠になったら母さん悲しむでしょ。父さんも」
「あら、そんな
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【綾瀬/磯山真凛】

6枚のバラパット達が、まるでミズクラゲが宙を泳ぐように空を舞う。ポテポテと落ちたそれらを莉緒は真っ青になって見つめていた。

張りがあった沖瀬の制服の胸元は、虚しいほどにしぼんでいた。


「あっ、あー……え?」


それが限界だった。もう、それしか言えなかった。


「見た?! 見たわね?! これが私の正体! こんな断崖絶壁、磯山君に見せられるわけないでしょ!!」


兄貴は断崖絶壁の方が好きだよ。

なんてこと、言えるはずもなかった。肩で大きく息をする沖瀬。そして沖瀬に気遣い過ぎて自分のはちきれんばかりの胸元を膝で隠そうとしている莉緒。大きくも小さくもない乳をパジャマ
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24・ ねこまむ
【大洋 続き】

沖瀬はなんだか少し疲れているみたいだった。
だけど、「大丈夫?」って訊いたら、

「そうね。思ってた以上に真凜ちゃんに嫌われてて。
ちょっとヘコんじゃった。
でも……私、負けない。
絶対に真凛ちゃんと仲良くなってみせるから」

なんて、そんな健気な事を言うものだから。

ぎゅーっと心が締め付けられてしまう。

「沖瀬……」

何度か握ったその手をもう一度握りしめようと、手を伸ばすと、ボケットのスマホが、ブーブーと音を立てた。
母さんからのLINEだった。

ああ……。

その後は怒りに打ち震える沖瀬に、耳朶《みみたぶ》を思いっきり引っ張られ、ドスの効いた声で

「こんの
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23・ ねこまむ
【ねこまむ/磯山大洋】

普段なら、一度会っただけの女について行くとか、絶対にない。
多分、凄く疲れているんだ。
夕暮れの混み合う商店街をずんずん歩く、オレンジ色の髪を追い掛けながら、俺はさっきまでの出来事を思い起こしていた。

そもそも、母さんがあんなものをあんなタイミングで送って来なければ。
いや、違うな。
俺が迂闊だったんだ。

「何やってんの? 置いてくよ〜」
「は、はい!」

美芙音《みふね》さんの妙に間延びした声に慌てて返事をしつつ、さっきまで一緒に居た、沖瀬の怒った顔を思い出した。

沖瀬がキレた理由。
それは、母さんが送ってきた、真凜とのラブラブツーショット写真の数々だった。

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