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メロンマイム
イノウエ佐久*🐻
2020/2/27
えっ!?性転換!?episode1
適当にタイトルつけました。ねこまむさんどうぞ(^^)
374PV
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43・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:34
「……どうなってるの……
あ、美波、美波はどうしてる…?」
スマホを操作して美波に電話をかける、が、出ない。
状況がわからないため、6人全員に一斉メッセージを送る事にした。
『おはよう。起きてる?ねぇ、みんななんか変な事ない?
朝から変な事言って申し訳ないんだけど、私、男になってて……どうしたらいい?どうしよう……』
一瞬で既読5と表示されて、次々にメッセージが届く。
『私も男になってる……』と、真凛。
『僕は女の子になってる……』と、航きゅん。
『何を馬 鹿な……◯△□×↓¥⁑』と大洋くん。
『俺の息子が……』と、洋平太くん。
『……死 ぬ』と、美波。
訳もわからずスマホを握りし
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42・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:32
大音量で響くきゅるるんとした音楽とアリスちゃん。
画面の中でアリスも桜の花びらを纏いくるくると踊る。
『オーシャンの力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ 契約の元
アリスが命じる。
レリーズ!!』
スマホからアリスの声が聞こえた。
その瞬間、パラパラと降っていた桜の花びらが吹雪のように6人を包み込んだ。
「きゃ」
「ぐっ」
「んっ」
「おわっ」
「ぎゃっ」
「んーっ」
『……元に戻りたかったら体育祭で一位を取るのよ♫』
きゅるるん可愛いアリスちゃんの声が頭の中で響く……。
——————
ちゅんちゅん。
ブーブー鳴るスマホを枕元から拾い上げアラームを止める。
い
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41・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:31
【misao/波野莉緒】
診察を終えてた真凛と大洋くんが実はもう家に帰っていたので、遅咲きの桜が咲く場所で待つ事にした。
心のつっかえが無くなったような、清々しい顔をした2人がやって来ると少し遅めのお昼を食べる事に。
風とともに桜の花びらが舞うこの場所で、田中圭似のお弁当屋さんのご飯はとても美味しくて。
照れながらも大洋くんのご飯を補助する美波は幸せそうに笑っていて、大洋くんも嬉しそう。
真凛と航きゅんも映画の前売り券が……と早口で話していて楽しそう。
私も……すぐ横に座る洋平太くんと笑いあいながらご飯を食べて幸せいっぱいだ!
「……ん?あれ?おかしいな……」
真凛と話し
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40・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:28
——————その時。
「……真凛!おまっ足速すぎるだろ」
ゼェハァと息を切らした大洋くんが数m先にいた。
声のする方に意識が削がれちゃったから……。
あっという間に、腕から抜け出した真凛が走り出してどんどん離れていく。
それを見た私も、大洋くんも、真凛を追おうと走り出そうとした、
……のに。
……ズベッシャー!!!
「ぐぇっ!!」
カエルが引き潰れたような声と何かが滑る音が聞こえて後ろを振り向いた。
「た、大洋くん?!」
大洋くんが地面にうつ伏せに倒れていて。
真凛も気になるけど倒れたまま動かない大洋くんが心配で、すぐさま駆け寄る。
「大洋くん?大丈夫?ねぇ?!
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39・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:28
【misao/波野莉緒】
真凛を追う。
お願いそんな顔して、1人で行かないで。
そんな気持ちでいっぱいで。必死に走る。
洋平太くんの家から出て、朝来た道を引き返すと真凛の背中が小さく見えた。
「もうあんなに……」
その背中は、寂しそうでもあり、悲しそうでもあり、辛そうでもあって……。
ギュッと胸が締め付けられる気がした。
とにかく今は1人でいて欲しくなくて。
サーフィンで鍛えた足腰を全力で使う。
足音が近づいてきたからか、真凛はさっきよりももっとスピードを上げて離れようとする、けど。……私には無意味だよ。
「……真凛!」
逃げる真凛の腕を掴んだ。……やっと届いた。
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4/15 10:19
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37・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:16
【misao/波野莉緒】
洋平太くんの部屋で真凛と2人、颯爽と飛び出てしまった美波と男子達の帰りを待っていた。
「……遅いね、遅すぎるよね?何かあったのかな……ね、やっぱり迎えに行こうか」
私まで飛び出して行きそうな所を真凛が引き留める。
「莉緒まで行ったら、私帰るよ?」
真凛の口数は少ないけどみんなの事を心配してる目をしてる。
言葉もなくただひたすら待っていると玄関で騒がしい声が聞こえてきた。
「……あ!帰って来たんじゃない?玄関まで迎えに行こう!!」
コクンと頷いた真凛の手を取り2人で玄関まで駆け寄る。
「なぁ!にゃんこ先生の事教えろって!!実践的なのか?女を|×××《
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36・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:15
「いいなぁ。私も大洋くんと付き合いたい……」
私と真凛を呆然と見てた美波がポツリと呟いた声に真凛が異常なまでの反応を見せる。
「はっ、はぁぁぁ?!沖瀬、兄貴と付き合ってんじゃないの?え?は?
じゃあ、あの艶かしい太腿の画像とか何なの」
「あ、あれは!……とにかく違うの!全部勘違いよ!!」
真凛の手が肩から離れ、やっと視界がクリアになった。
真凛は勢いそのまま立ち上がり、美波に詰め寄る。
「ちょ、ちょっと真凛、落ち着いて。ね?美波が付き合ってはいないって言うならきっとそうなんだよ。
それより、真凛は航きゅんとはどうなの?」
私の質問に真凛の顔がボンッ!と音を立てて赤くなった。シュ
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35・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:15
【misao/波野莉緒】
男子達が家を出て行き、女子3人で七海くんのお部屋で待っていた。
「……ねぇ、2人とも顔が緩んでるけど?」
「「……」」
はぁ……。何なのよ。そう言いながら美波が体勢を崩しそのままゴロンと横になる。
花柄のふわふわしたワンピースから艶っぽい生足があられもなく曝け出されている。
……でも誰もその事には触れない。
女子が3人も揃っているのに室内にはため息しか聞こえない。ため息も熱っぽく艶っぽい、色で表したら桃色のようなうっとりとしたため息ばかり。
どのくらいの時間が経っただろうか。
「洋平太くん遅いな……」
「大洋くんまだかな……」
「航……」
3人の呟きが
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34・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:13
【misao/波野莉緒】
洋平太くんに腕を引かれ早歩きでお屋敷の端まで連れてこられた。
日本家屋の大きな廊下から見える広い庭。
波打つように象られた地面には白い石が敷き詰められている。
大きな御影石に生き生きとした綺麗なグリーンの苔。
太くて大きな木の幹にも苔が生えていて太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
小さな盆栽も数多く並べられていて、まるで映像の中のお殿様の家みたい。
この庭全てが洋平太くんのお婆さまの作品。
目に映る全てが神秘的に見える。
「改めて見ても凄い綺麗……」
「ん?……あぁ、ばあちゃんの苔な」
「洋平太くんはこんな素晴らしい景色を当たり前に見て過ごしたのね。
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33・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:12
【misao/波野莉緒】
「お前にやるよ。てか、貰ってやってくれ」
差し出されたのは白い麻の紐にターコイズブルーの石とピンクゴールドの貝殻が付いたブレスレット。
私が買ってきたキーホルダーに似ているデザインのブレスレット。
……洋平太くんが、これを、私に……?
そう思ったらじわりと目頭が熱くなった。
お礼を言いたいのに、声が上手く出せない。今何かを話したら一緒に涙まで溢れそうで。
「俺も、莉緒が好き」
真っ直ぐに、私を見ながら告げる言葉の意味が一瞬わからなかった。
だって、何度突き放されたかわからないから……。
でも洋平太くんの顔は真剣そのもので。
赤い顔を隠すことも
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32・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:11
「……さ、机持って行こうぜ」
さっさと立ち上がって大きな一枚板の机を持ち運ぼうとしている洋ちゃんの裾をギュッと掴んだ。
洋ちゃんは立ち上がってて私は座ってるからどうやったって見上げてしまう。
「……まだ。もうちょっとここにいよ?」
「な、なんだよ……」
「聞いて欲しい事が、あるの。あのね……
好き。
洋ちゃんの事が、好きなの」
洋ちゃんが息を飲んだ音が聞こえた————
掴んでた裾をそっと離して下を向いた。
「……いきなりごめん」
机を運ぼうとしてる洋ちゃんの手伝いをしようと私も立ち上がろうとした。
———だけど。
私より素早い動作で洋ちゃんが腰を下
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31・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:11
【misao/波野莉緒】
「『洋ちゃん』て呼んで」
七海くんの重さを肩に感じて七海くんの背中に手を回して撫でてあげたい衝動に駆られた。
何でだろう?顔は見えないのに傷ついてる顔をしているような、そんな気がした。
背中に手を伸ばそうとしたら七海くんは顔を上げてドタドタと廊下を歩いて行ってしまった。
……泣いてた?
来るなと言ってるみたいに「机、すぐ取って来るから」と言われたけど、不安になってこっそり後を付けた。
8畳ほどの和室で横になり手に持つ何かを眺めているのが見えた。
一つは何かわからない。バッジ……?のようなもの。もう一つは私があげたキーホルダー。
大きなため息と共に両手
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30・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:10
椅子から立ち上がって、七海くんの隣に移動した。
私が近づくと一瞬ビクッとした七海くんは私とは反対の方向を見て顔をポリポリと掻いた後、
「怖がらないで、側にいてくれてありがとな」
と、そう言った。
七海くんがどんな顔して言ってくれてるのか気になって顔を覗くと、私とは別の所に顔を背ける七海くん。
私が間違ってた。
見られたくない顔を無理に見ようとするから———
「んっ」
「むっ」
チュッと響くリップ音。
七海くんの唇の少し横に私の唇が当たってしまった。
「ごめんっ!!」
「……や、あの……俺こそ、ごめん」
お互い向き合って頭をペコペコと下げあって、ふと目が合った。それ
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29・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:10
【misao/波野莉緒】
河童のある公園と聞いていつもだったらワクワクするのに、今日は全然ダメ。今日は……じゃなく、今は。
せっかく七海くんと一緒にいるのに気を遣わせるような事ばっかりしちゃうし……。
「そっか……じゃあ、約束して。
無茶はしない事。
もし、本当に危なくなったら私を頼って欲しい」
「どうかな?」と七海くんの顔を見つめる。
「……は?」
目をまん丸くして鼻も口もポカーンと開けて唖然の表情をする七海くん、断られたくない。だから、矢継ぎ早に話を進めた。
「だって……私の知らない所で七海くんが危険な目にあってるなんて、そんなの嫌だよ。七海くんの側にいたいの」
「七海
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4/15 10:07
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4/15 10:06
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26・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 10:04
「おっふ♡」
「きゃっ」
「……きぇーーーーー!!!!」
部屋の奥にいた七海くんが、私の胸に顔面を沈ませる航きゅんの首根っこを掴みそのまま後ろに投げ捨てた。
「莉緒!! だ、大丈夫か?」
顔を窺い見るように、腰をかがめてまっすぐ私を見る七海くん。
「うん……」
その瞳に絡めとられたみたいに気持ちが動く。
赤くなる顔を見られないように下を向いた、
────瞬間、
ポンポンと撫でられる頭。
七海くんの優しい温度が髪から全身を駆け巡る。
「好き」
七海くんにも、誰にも聞こえないボリュームで呟いた言葉に胸がじんわり熱くなった。
「ん? 何か言ったか?」
七海
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25・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 9:57
【misao/波野莉緒】
真凛の家から帰る途中、この前見かけた【未確認生物ー水棲系ー】のUMAの本を買いに行く事にした。
本屋に行ってその棚を見る。
その本は、売られる事なくそこに鎮座していた。それを見て、ホッと一息ついた。
買うのに中身が気になってその場でパラパラと本をめくってみた。
なのに…………
真凛の家から帰る時、美波と話したあの事がチラついて。
大好きなはずのUMA本に集中出来ない。
大人しくそれをレジで会計を済ませてそのまま帰ることにした。
「あれ?莉緒ちゃん?」
突然呼ばれた名前に、弾けるように声のする方へと顔を向ける。
そこには、オレンジ色の髪をゆらゆらと
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24・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 9:52
「航……きゅんの部屋にはアリスたんのポスターがいっぱいだった。ふふ。真凛と航きゅんは何処か似ているね?
ちょうど良かった。今朝コンビニのクジを引いたら、オーシャンなんとかってキャラのフィギュアが当たって……もしよかったらこれもらってくれる?特賞だって。」
そう言って渡すと、真凛は動きを止め、ブルブルと小刻みに震えだした。
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23・
綾瀬 シキ@やや多忙
4/15 9:52
【misao/波野莉緒】
真凛の部屋に着くと、真凛はマグロの形を模したクッションにギュッと顔を埋めて目だけをちらりとこちらに向けて出迎えてくれた。ふふ、可愛い。
何故かベッド脇に立っている真凛をベッドに座らせておでこをそっと触る。
……んんー。まだちょっと熱い。
大洋くんが持ってくれてたプリンの箱を真凛に渡そうと後ろを振り向くと美波の姿がない。
「……何してるの磯山君」
私が声をかけた事によって大洋くんが若干油断して、その後ろからスルッと美波が前に出てきてそのまま真凛に駆け寄る。
新しい氷枕を大洋くんにお願いして、真凛と美波が話始めた……途中まではワクワクしたりドキドキしたり2人
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22・
イノウエ佐久*🐻
4/7 11:44
続き→
「おい、七海。早く種目決めろよ」
後ろの方から声を掛けられ、「おう」と返事して立ち上がる。いつの間に他の友達とかいたっけ。みんな俺のこと頭 悪いからって避けてなかったっけ。それならついでに頭良くなってねーかなあ。
種目の横に人数が書いてあり、その横の空白はほとんど名前で埋まっていた。
「七海お前っ、なんでジャージで来てんだよ。裏切り者め……!」
横に寄ってきた磯山妹。その話し方は……
「磯山先生か」
「おう」
そして空いている左側には、さっき見た目磯山の隣に居た女子がスッと寄ってきていた。
「おわっ、気配消して近寄んな」
「僕だよ。洋平太くん。航だよ」
「ええ!?お前がかよ!可
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21・
イノウエ佐久*🐻
4/7 11:21
【イノウエ/七海洋平子】
教室を、後ろの扉からそっと覗くと、磯山先生と髪の毛さらふわのロリ系美少女がいちゃついてた。
そして磯山真凛とメガネ塩系イケメンが熱い視線を交わしていた。
カオスだ。
ホームルームは既に終わって、みんな席を離れてわちゃわちゃしてる。黒板には「体育祭種目決め」と担任の性格を表したねちっこい字が書かれていた。
俺がなぜ遅刻したかって?
電車の定期券を、制服のポケットに入れてたからだよ!
ジャージ姿の俺はするりと教室に入り込み、何食わぬ顔で自分の席に着く。すると莉緒の席に座ってる男が満面の笑みを向けてきた。
「良かった、今日休みなのかと思って心配してたんだ!」
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20・
Nil@激多忙
4/4 21:21
ラスト
「真凛は足速いんだよね? だったら障害物リレーとかはやめてね」
「なんで?」
「だってさ、他の男の子と体が触れ合うかもしれないじゃん! ネットくぐる時とかさぁ、もつれちゃって、ネットの中で抱き合っちゃうかもしれないじゃん! そんなの耐えられないよぉーー!」
あぁ、想像するだけで嫌すぎて涙がボロボロこぼれてしまう。
「な、泣くなよ……分かった、ちゃんと考えて競技選ぶよ。だから早く戻らないと良いの取られちゃうよ?」
真凛が僕の涙を制服の裾で拭きながら、心配そうに顔を覗き込む。
「うん……実はさっき、どさくさに紛れてもう名前書いてきたんだよね」
空気になるのは得意なんだよ。
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19・
Nil@激多忙
4/4 21:20
続き
「ほんとに、やめ……」
恐ろしさで声が震えた時、パキンと何かが折れる音が聞こえた。
「おい。その汚ねぇ手をどけろ。へし折るぞ」
低音ボイスが、折れたチョークと共に横から聴こえる。次の瞬間、磯山フェイスマリオ、もとい真凛が目にも止まらぬ速さで、チャラ男の腕を捻り上げていたのだ。
「きゃあぁー素敵〜♡」とか、どうやら真凛に向けられた声援が教室内に響く。チャラ男は真凛の迫力と捻り上げられた腕に、顔を真っ青にして怯えている。
だけど僕はめちゃくちゃかっこいい真凛を見上げながら、チャラ男の手を捻り上げた真凛の手を強引に引き剥がした。
「わた……いや、こうちゃん……どうしたの?」
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18・
Nil@激多忙
4/4 21:20
【Nil/小波航子】
磯山くんの顔をした真凛、もといマリオに慈しむような瞳で見つめられて、すごく。
すごーく。すんごおぉーく。複雑……。
だって目の前には、磯山くん。
だけど空気感は真凛。
もっと喋りたい。触りたい。手を繋ぎたい。
せっかく、せっかく心が通じ合えたと思ったのに。手を伸ばそうとしても、まだ慣れない磯山フェイスマリオに、つい二の足を踏んでしまう。
おまけに当の磯山くんは楽しんでいるのか、真凛の顔ですっかり女の子らしい振る舞いをしながら教室内を闊歩している。
その隣には塩顔の一重イケメン。
恐らく沖瀬さんだと思うけど、真凛の隣に男の人がピッタリくっついてる絵面はなかなか堪
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17・
綾瀬 シキ@やや多忙
3/28 13:05
「あの……その目やめて」
「え? どの目?」
「昔アイ◯ルのCMで見たチワワみたいな目!! なんなんこれ! その目見てるとなんか下半身が変になるんだけど!!」
「そっ、そんなこと大声で言っちゃダメだ!」
航が真っ赤な顔をして私のシャツを両手で握りしめた瞬間、黄色い声が上がった。いつの間にか嬉々とした女子と男子の視線に囲まれている。
なんだその、動物園のパンダを見るような目は。
「なんだよ……文句あんの」
航の前に身を乗り出しできる限り凄んだはずなのに、怯んで帰っていったのは男子だけだった。ショッキングイエローの奇声に耳がキンキンする。
ダメだ、きっとこいつら何を言ってもきゃ
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16・
綾瀬 シキ@やや多忙
3/28 13:02
【綾瀬/真凛央】
「────というわけで、今から体育祭の種目決めをする。1人1競技必ず出ること。じゃああとは、各々自由に」
何が「というわけで」なのか全く話を聞いていなかったから分からないけれど、ピッチリスーツの担任はあいも変わらずの気持ち悪さだった。
未だ莉緒を生温い目で見ていたのは気にしないことにする。BのLな世界は踏み入ってはいけない、触れちゃあいけない禁断の園だ。
その時、ついついと制服を引っ張られた。ふと顔を上げると、そこにはスカートの裾をもじもじと弄りつつ私を見下ろす超絶萌ロリ美少女が。
嘘、まさか……
「……もしかして」
「うん……」
「航?」
「うんっ……」
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15・
ねこまむ
3/20 21:26
【大洋 続き】
つい調子に乗って、美波の胸元に手を置いて、アッて気づく。
「ゴメンね。今は男の子だから」
困ったように眉を下げる美波にブンブン首を振る。
「いや、俺の方こそゴメン。つい……」
そう言うと、美波はクL3ソしんちゃんみたいな顔をした。
「女の子になった大洋くんの胸、見てみたいな♪」
「へっ!」
「私が女の子に戻ったら、見せてあげる。
だから、見せてよ♡」
「や、ヤダ!! 見せないよ。美波のエッチ!!」
本気で恥ずかしくなって胸を両手で覆うと、美波は可笑しそうにケタケタ笑った。
「もう教室に戻ろうよ。そろそろHR《ホームルーム》が終わった頃だろうし」
「そうだ
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14・
ねこまむ
3/20 21:25
【ねこまむ/磯山大洋】
「どうって……か……可愛い……」
へへ、って笑ってみせたものの、引きつった美波の顔を見て、それまで浮かれまくっていた気持ちがシューってしぼんでいく。
やっぱり、困惑するよ……な。
今の俺、真凛そのものだし。
仕方がない。
仕方がない……けど。
男になってしまったとしても。
俺はやっぱり美波が好きな訳で。
距離を取られるのは、嫌だ。
だから、こっちから距離を詰めてやる。
「美波。ちょっと」
制服の袖を引っ張って、教室の外に連れ出した。
もうすぐ|HR《ホームルーム》が始まる中、外に向かって歩くの
は結構目立つ。
ジロジロ見られるのが恥ずかしいのか、美波
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あ、美波、美波はどうしてる…?」
スマホを操作して美波に電話をかける、が、出ない。
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朝から変な事言って申し訳ないんだけど、私、男になってて……どうしたらいい?どうしよう……』
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『私も男になってる……』と、真凛。
『僕は女の子になってる……』と、航きゅん。
『何を馬 鹿な……◯△□×↓¥⁑』と大洋くん。
『俺の息子が……』と、洋平太くん。
『……死 ぬ』と、美波。
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