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三題噺のお題メーカー
蒼玉さんからご紹介いただいた「三題噺のお題メーカー」 https://shindanmaker.com/58531で作ったお話を発表する場です。 名前を入力すると、日替わりでお題が出てきますよ。 ⭐️
2,589PV123コメ

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書き込み 123件

93・ Tempp:わりと低空飛行
Temppは「闇」「いけにえ」「きれいな運命」を使って創作するんだ!ジャンルは「邪道ファンタジー」だよ!頑張ってね!

奇麗な運命の邪道ファンタジー?
邪道ファンタジーってなんじゃろ。そこからか。
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92・ 青史 炎
青史 炎は「雪」「箱」「嫌な遊び」を使って創作するんだ!ジャンルは「サイコミステリー」だよ!頑張ってね!

今夜、考えます!
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91・ 仁矢田 美弥
久々です。
仁矢田 美弥は「曇り」「絨毯」「正義のツンデレ」を使って創作するんだ!ジャンルは「偏愛モノ」だよ!頑張ってね!

「バトル・アクション・サバイバル」に向けて何か書きます。
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90・ 仁矢田 美弥
(つづき)
 足元で血を流すソンウの遺体を、私は呆然と見下ろしていた。普段なら、こっそり闇に葬ることもできる。でも、私にはそれはためらわれた。彼が生きていた事実まで抹殺してしまうのは、どうしても胸が苦しくて、できない。そのとき、片隅の業務用冷蔵庫に目がいった。電源が入ったとき、私は狂喜した。そして、彼をその中に寝かせるように入れた。

 私はもうそのとき、覚悟していた。すでに私の飼い主は、このことに気づいているに違いない。私は廃屋の中で日々を過ごすようになっていた。やがて、私とは別のKCIAの刺客たちが訪れた。その気配を察した私は、その刺客と全力で闘い、そして敗れた。もともと、一人で彼らに勝て
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89・ 仁矢田 美弥
(つづき)
 けれど、そのときが来た。私はソンウの活動を手伝いするまでになっていたが、秘密の会合のなかで、ソンウが反政府デモの決起を呼び掛けたのだ。その計画は、練りに練られ、ソンウとその仲間は細心の注意を払い、味方の犠牲が出ないように、かつ効果的に人々に訴えかけることができるように企図されていることがひしひしと伝わってきた。私はその提案に真っ先に賛成した。そして、会合の場所を去ってすぐに、その計画をKCIAの連絡員に伝えた。私に下された命令は、ソンウの暗殺。
 厚い雲が垂れ込めて、いつもの灰色の街がより一層重苦しかった。私は、「大事な話」を口実にソンウをこの廃屋に呼び出した。ソンウの顔は緊張し
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88・ 仁矢田 美弥
以前にとっておいたお題:「灰色」「冷蔵庫」「正義の罠」、ジャンルは「悲恋」。

 崩れかけた廃屋。かつては何か食料品関係の店だったようで、だだっ広いフロアの端には業務用冷蔵庫が置かれていた。まさかと思ったが、コンセントをつなぐと、冷蔵庫は稼働した。そのとき私は狂喜した。

 好きだった。私は、あなたを。
 でも、私はあなたへの私怨に駆られてあなたに手をかけたのではない。それは「正義」のためだった。
 私は刺客。そして現政権のチョン将軍に忠誠を誓っている。要するに、政敵や反対派の連中を始末するために、私は非合法のうちに育てられた存在。

 でも、表向きは私も「普通」の大学生だった。怪しまれないよ
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86・ 仁矢田 美弥
(つづき)

 あのとき。そうだ。私はすっかり思い出した。私は窓を開け、小さな声で呼びかけた。
 「心配しないでいいよ、洋子」
 自分に呼びかける。
 「お父さんもお母さんもね、大丈夫。離れないでいてくれるから」
 「本当?」
 きょとんとして洋子は答える。
 「うん、そのためには、洋子の力が必要なんだよ」
 「え?」
 「大人はなんでも知っていて、分かっていて、正しいと思ったら大間違い。お父さんもお母さんも、今は迷ってる、でも、きっと洋子のために決断してくれるから。子は鎹っていうでしょう?」
 「こはかすがい?」
 「おうちに帰ったら、辞書で調べてごらん」
 「……うん、分かった。ありがとう
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85・ 仁矢田 美弥
仁矢田美弥は「雷」「窓」「残り五秒の小学校」を使って創作するんだ!ジャンルは「指定なし」だよ!頑張ってね!


 いきなりの雷鳴。文字通り天を引き裂くような轟き。不気味な仄明るい薄紫色。「これは、来るな」と思った私は足を速める。しかし、間に合わなかった。ぽつぽつと雨粒が項にかかるのを感じたか感じないかのうちに、どっと土砂降りの雨。自然に小走りになる。
 そこの角を曲がれば、小学校がある。古い小学校で、門には瓦屋根がついているのだ。そこで雨宿りしよう。「あと5秒」。水しぶきの立つ路面を蹴るようにして急ぐ。すでに上半身はびっしょり濡れて、服が肌に張りついて気持ち悪い。
 「えいっ」と叫んで門の屋根
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84・ 仁矢田 美弥
(つづき)
「愛していたんだよ」アキラは呟いた。「美奈子、君を愛していた。それでつい」
 涙がこぼれた。本来なら、美奈子はいつものように早起きして、トーストを焼き、コーヒーを淹れ、スクランブルエッグと野菜サラダを作って待っていてくれたのに。もうあの幸せな日々は二度と戻っては来ないのだ。

 ぼんやりと仕事に出かけ、一日何をしていたのか分からなかった。家に帰って、リビングに入り、アキラは仰天した。あの、美奈子の裸体画が壁にかけられている。低い位置に。
「お母さん。土の中じゃかわいそうだから」
 薫が背後から呼びかけた。アキラは薫を抱きしめた。
「お前はすべて知っているんだな。お前は、俺にとって危
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83・ 内藤理恵
 達雄は古着で買った服を着て破れたダメージジーンズをはいて地元の街を歩いていた。昔からある廃れた商店街を歩いていると古びた小さな古本屋さんを見付けた。達雄は本が好きだ。だが大学生でアルバイターの身なので時給一時間分もある新刊を買うことが出来ない。達雄は埃っぽい古本屋さんに入った。
「いらしゃいませ、立ち読みはご遠慮ください」
 いきなり店主が言う。
「いや、立ち読み目的じゃありませんから」
「じゃあ、万引きは犯罪です」
 達雄は自分が古着を着ているからだと直感した。
「これはお洒落なんです。ってかここだって相当ですよ」
「相当とは?」
「相当オンボロです」
 店主はドキッとした様子だったが口を
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82・ 内藤理恵
内藤 理恵は「本」「リボン」「意図的な罠」を使って創作するんだ!ジャンルは「ギャグコメ」だよ!頑張ってね!
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81・ 仁矢田 美弥
(つづき)
 アキラは夜、庭の土を掘っていた。「何をしてるの」と尋ねる美奈子には、「庭を作ってやろうと思ってね」と答えた。気がつかなかった、殺風景な庭。子供には緑の木々や草花や、ちょっとした遊具もある庭の方がいい。
 何日目かのとき、アキラのスコップの先が、固いものに触れた。不審に思って丁寧に掘り出すと、金属製の箱だった。
 何か嫌な予感がした。美奈子を呼ぼうかと思ったが、暗い好奇心がうずいた。
 がっちりと固定された蓋を開けるのには骨が折れた。それでも細心の注意を払って、丁寧に開けてみた。
 そこにあったのは絵だった。数枚の絵。女性裸像。そしてその顔は紛れもなく。
 アキラの顔にかっと血が上
80・ 仁矢田 美弥
仁矢田美弥は「土」「オアシス」「危険なかけら」を使って創作するんだ!ジャンルは「ミステリー」だよ!頑張ってね!

 アキラにとって初めて得た人生のオアシスだった。美奈子のようなたおやかな女性と静かな家庭を築くことができ、そしてすぐに待望の男子、薫を授かった。東京郊外の一軒家は美奈子の父の所有していたものを譲りうけた。義父は名の知れた画家で、かつてはアトリエとするためにこの家を建てたが、今は使わなくなっているということだった。
 薫が3歳になったころ、夫婦は車で近くの運動公園に遊びに行った。ビニールのボールを使って、アキラは薫を遊ばせた。薫は一生懸命ボールを追っては、短い脚で蹴り返してくる。その
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79・ 内藤理恵
 優斗の家がある住宅街の傍には雑木林がある。そこから300メートルほど離れたところには車の部品を作る工場があって24時間フル稼働で製造ラインが動いている。
 今は8月だ。夏になると雑木林からクワガタやカブトムシが飛んで来て工場の窓に集まる。夜中でも明るいからだろう。灯りに誘われた虫たちは優斗の家にある外灯にも集まる。一斉にブーン、ブーンと飛んで来るのだ。
 優斗は高校生だ。今は学校が夏休みなので朝早くウオーキングをしている。今日も6時に起きたのでTシャツにジャージを着てスニーカーを履いた。空は曇りだが雨が降るか降らないかギリギリの天気だ。玄関から外へ足を踏み出すとクワガタの屍があった。昨日はな
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78・ 内藤理恵
内藤 理恵は「曇り」「屍」「過酷な小学校」を使って創作するんだ!ジャンルは「悲恋」だよ!頑張ってね!
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77・ あかつき草子
(『ノースリーブが着たい』3)

 みなもちゃんは、僕を見ると、ふふっと笑う。
 水色のノースリーブのワンピースがよく似合っている。
 夏のぎらぎらした日差しの下、みなもちゃんの白い腕が眩しかった。

 完 


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76・ あかつき草子
(『ノースリーブが着たい』2)

「戸籍上はね。ねえ、できる? お母さんが言ってた。お隣のお兄ちゃんは、頭が良くて、なかなか入れない中学に行ってるんだって。だから、方法も思いつくでしょ?」
「え……そんな、方法なんて、知らないよ。それに、虐待とかされてるなら、先生や警察とかに相談した方がいいだろ」
 みなもちゃんは、目を細めて、にゅうっと笑う。けれど、さっとその笑いを引っ込めると、切れ長の目で僕を見据える。
「なあんだ。がっかり」
 みなもちゃんは階段をかけ上がり、行ってしまった。

 僕はそれから考えた。
 みなもちゃんは、抹殺してほしいのだ。
 けれど、僕だって捕まって、将来を棒に振りたく
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75・ あかつき草子
お題「天」「少年」「荒ぶる幼女」
ジャンル「ミステリー」

『ノースリーブが着たい』

 マンションの隣の家から、また怒声が聞こえる。
 荒ぶる幼女の声がする。
 あれは、妹のまりもちゃんの声だ。
 ほぼ毎日、夜の7時くらいになると、聞こえてくる。
 しばらくすると、急ぐ足音が聞こえて、ガチャガチャとドアが開けられる。
 あの家の奥さんだ。
 商店街のスーパーで、レジ打ちの仕事をしている。
 そのうち静まる。
 きっとみんな、お腹を空かせて、お母さんの帰りを待っている。
 お父さんは、それをなだめられずに苛立って、怒ってしまうんだろう。
 ぼくはそう思い、納得しようとした。
 けれど、毎日繰り
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74・ 仁矢田 美弥
(つづき)
「確かに、われわれ人間も、人間とは何なのか、ときどき悩みますね」
「あら、真琴くん、そんな哲学的なこと考えるの?」
 私は茶化した。
『われわれセイレーン人はもっとシンプルなのだ。セイレーンの自然環境は地球よりも過酷だ。星の全体が砂漠に覆われ、南半球の一部のみ、オアシスが点在する。そこに生きものたちはひしめき合って生きている。食べるのは植物だけだ。動物はどんな種類も助け合って生きている。そこで、信頼や友情、愛といったポジティブな感情しか持ちあわせていないのだ』
「へえ、平和でいいですね」
 真琴はセイレーン人との会話を楽しんでいるようだ。
『過酷さの中で生きるにはそれしかない。恵ま
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72・ 仁矢田 美弥
仁矢田美弥は「南」「オアシス」「ねじれた目的」を使って創作するんだ!ジャンルは「SF」だよ!頑張ってね!

 水族館に彼氏の真琴と行った。暑いから、涼しげなものが見たかったんだ。ただそれだけの理由。
 大水槽には大きな魚たちや小さな魚たちがぐるぐると泳ぎ回っていた。一つ一つが銀色の光を放つ。その見事な流線形にほれぼれとした。
 次に、小さな水槽に入った魚たちのコーナーに来た。一匹ずつ入れられている。
「なんかさびしそうね」
 私は呟いた。
「一匹だけでは、生きていると言えないね」
 真琴も答えた。

 すると、その水槽の魚がしゃべった。口をパクパクさせるのに合わせて、声が聞こえた。
『面白い人
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71・ 仁矢田 美弥
仁矢田美弥は「入学式」「終末」「残念な存在」を使って創作するんだ!ジャンルは「ホラー」だよ!頑張ってね!

 よりによって、涼太の小学校の入学式の前日に出て行くなんて。
 私は夫・文彦の身勝手さを罵った。
 あなたに女がいることは知ってたのよ。でも、私は黙って我慢してた。涼太のため。涼太には両親がそろっていることが必要だと思ったから。
 ほら、さっそく。入学式に夫婦で出席しない家なんて、この小学校ではありえない。涼太は私たちの子供にふさわしく、厳しい受験競争に勝利して狭き門をくぐったというのに。
 私がどんなに肩身の狭い思いをしているか、涼太がどんなに心細い気持ちでいるか、あなたに分かるかしら
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70・ 仁矢田 美弥
仁矢田美弥は「暁」「残骸」「正義の遊び」を使って創作するんだ!ジャンルは「ラブコメ」だよ!頑張ってね!

 降りしきる雨の中、あなたは現れた。傘もささずに。
「ずぶ濡れじゃない」
 私は眉をひそめた。
「どうしても、君に会いたくて、走ってきたんだ」
 あなたの眼は思いつめていた。
「君じゃなければ、駄目なんだ」
「やめて。いったんは、私を捨てていったんじゃない」
「僕は分ってなかった。僕には、君が必要なんだ。どうしても。入っていいかな」
 マンションのドアにチェーンをかけたままの私にあなたは言った。
「開けてくれ」
「いや……」
 私は抵抗した。
「この部屋は、私とあなたの、愛の残骸。今さら、
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69・ 仁矢田 美弥
 でも、青い蝶を見かけた以上、おれはこれを追いかけ、つかまえなければならない。君との約束を果たせなくて、おれは君に会うことができなくなったのだから。

 おれは青い蝶を追った。蝶はひらひらと、軽やかに空中をのぼったり下りたり。手が届きそうでいて、翅に触れようとする直前にするりと逃げる。だんだん焦燥感がおれを満たした。もう二度と、チャンスはないかもしれない。今度こそはつかまえなければ。


・・・・・・・・・・

 目撃者の証言では、男は何かをつかまえようとでもするかのように、背を伸ばしたりかがんだりしながら、ときおり腕を伸ばしてはひっこめしながらふらふらと歩いていた。多くの人はただの酔っぱらい
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68・ 仁矢田 美弥
仁矢田美弥は「砂漠」「墓場」「最弱の主従関係」を使って創作するんだ!
ジャンルは「ホラー」だよ!頑張ってね!
(蒼玉さんとお題をとりかえっコしました)

 おれは少し疲れていた。一人で一杯ひっかけて、都心の駅を通過する。
 うそだろ?
 目の前を、青い蝶がひらひらと横切った。途端に、遥か昔の、幼い頃の記憶が脳裏に鮮明によみがえった。
 おれが追いかけていた、そして二度と出会えなかった蝶。周りの人影は静止した石像のようになった。急に暗くなる。

 青い蝶を欲しがったのは君だった。あのころ、おれは君の奴隷だった。君はとてもわがままだった。君はおれを支配しようとした。いつもおれに無理難題を吹っかけて
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66・ 青史 炎


「おキヨ。よく似合ってるぞ」
「あんれぇ、喜っつぁん。嬉しいよぅ」
[あぶ熊]の二階で寝床に横になりながら、煙管に薩摩煙草をくねらせた喜三郎は、
「お前のために働いたのだ」と言った。
こうしたところは、少し狡い喜三郎である。
「うううっ。嬉しくて、涙がでてきたよぅ」
お清は数えで十七。何事につけ人の話を素直に信じる。喜三郎は、お清のこうしたところも愛している。
頭を撫でてやると、「喜っつぁん、いつもの言っておくれよぉ」
喜三郎の胸に埋まり、甘えた声を出したものだ。
「わかったわかった」
お清を抱きしめた喜三郎は、いつもの台詞を口にした。
「親もいらぬ、仏もいらぬ。お前がいれば、何もいらぬ…
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65・ 青史 炎
(続き)

じりじり、と互いの間合いを詰めていく喜三郎に、
「くそ!」
しびれを切らせた浪人崩れの二人は、うめきざま刀の先を突き立てた。
その一撃には凄まじい殺気が込められていて、手練れがあった。
侮りがたい二突きである。
「む……」
喜三郎は身をひねってこれを躱すと手近の木立を蹴り上げ、ぱっと宙に舞い上がった。
「ばかめ!」
蛇蝎の如く吐き捨てるや鯉口を鳴らして、ニ閃、刀身が光る。
切っ先はそれぞれ浪人の耳と鼻先を削ぎ落とし、
「うううっ……」
うずくまるようにして、二人はその場に崩れ落ちた。
刀を構えて固まる残った浪人に対し喜三郎は、
「ほれ、そこのお前。ここで引くなら命までは取らねぇよ。
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64・ 内藤理恵
 今日は家族で千葉の海に来た。亮介の家は毎年決まって九十九里浜に海水浴に来る。空は真っ青で雲一つない晴天だ。亮介は熱い砂の上を歩いて、レジャーシートを敷く場所を決めた。周りに家族連ればかりいる良い場所だ。悪そうな人は見当たらない。亮介は小学六年生だが大人びている。お母さんを守るのはお父さんではなくて自分だと思っている。
 海の家に行って水着に着替える。お母さんは小花柄のビキニだ。亮介はシンプルな黒のハーフパンツ。お父さんも派手な水着ではない。
「亮介、朝ごはんを食べて来なかったんだから何か食べたほうがいいんじゃない?お腹空いたでしょう」
 お母さんが言う。朝早くてバタバタしていたので何も胃に入
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