エブリスタ読書会 【群芳譜】


【第三弾】『新しい人よ眼ざめよ』大江健三郎
しかしこの読書会で取り上げる本は、賛否両論というか、いろいろな「読み」がある本が多いですね。
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書き込み 2件

2・ 蜜原みな子
 思想など、自分とまったくの正反対なのに、その文章や構成、戦略によってまんまとページを繰る手がとまらなくなる……。
 
 全編に及んでウィリアム・ブレイクの詩への言及があります……あの聖歌「イェルサレム」の……♪
 そして、文章も「遅延」の技術が発揮されています。
 Aのことを緻密に書いていたかと思うと、そのAの続きはすぐ書かず(すぐ書いてしまったら時間的な「あ、そうなのか!」な効果がないからです)Bの事象を書き始め、そのAの「捨てカット」かな、と思わせておいて、Bの事象もAと同じぐらいの重要性が高まってくる……そしてまたAに戻ったり、果てはCの事象が語られたり……これは読み手にもそれなりのテ
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1・ 蜜原みな子


 「魂が星のように降って、跗《あし》骨のところへ」でのブレイク引用。
 「想像力は状態ではなく人間の生存《イグジスタンス》そのものである」
 ちょっと長いこの作品、イーヨーが音楽劇にさいして大役を務めるのですが、この音楽劇については感激する人も多いかもしれません。
 イーヨーの作曲は事実でしょうが、タクシー内でのダジャレなどはちょっと意外でした。
 
 「鎖につながれたる魂をして」。
 宇波と稲田の優生学的な思想、そして大江への鋭い思想的な問いと挑発。
 そして、ある時期の嫌がらせ電話の頻発。これはさすがに大江に同情します。
 
 大江は他にも、こういう作家、詩人の作品を読み込んで一つの
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