✨リレー小説.ファンタジー✨
ファンタジー概要/_news_view?cn=2411180 忙しいんで、概要書くまでちょっと待ってて下さいorz ささ、楽しくいきましょ🎵
0PV119コメ

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書き込み 110件

119・ 諏水紗季
「それにしても光魔法を使えるとは‥‥やはり手駒として欲しいな」

あいつはそう言うと、ゾッと背筋が凍るような視線を俺とシロマに向けた。明らかに感情をもった生き物に向ける視線ではなく物を品定めする目だ。

「親子の縁があることだ。天使とノアは、私が引き受ける。お前はそこの二人の玉を奪え」

「わかりました~。よろしくね音葉と‥‥」

「ムッチーデス。カミサマアイテデモマケナイ。ムライチバンノジツリョクミセル」

ムッチーは、そういうなり玉を変化させ青い鳥が現れた。どうやらやる気は満々のよう。

「こっちの準備はいいわよ」

音葉は、玉を握りしめて詞と対峙する。

「行きなさい」「行くわよ」



118・ 諏水紗季
「お父さん!」

リリーが目を見開き叫ぶ。

「あのとき生かしておいて正解だった。まさか玉を集めたばかりか目覚めさせるとは。私は、いい息子を持ったものだ」

「玉を集めたのはお前のためじゃない。それに俺は、もうあんたの息子でもなんでもない!」

俺は、拳に力をこめる。

「忘れて貰っちゃ困るんだけど緑の玉の持ち主は、私なんですからね!あなたたちには絶対あげないわ」

「くれないなら力ずくで貰うだけよ。行きなさい!」

怪物達がいっせいに襲いかかってくる。

「聖なる光よ、邪悪な者を退けたまえ」

いつぞやシロマが唱えた魔法だ。倒したかと思ったらピンピンしている。驚きみているとセトが口を開いた。
117・ 諏水紗季
「願いがないならその天使と玉二つをこっちに渡してくれない?」

少女特有の高い声が聞こえる。こんなことをいう人物など一人しかいない。

「詞!」

「はぁーい、詞ちゃんです♪お久しぶり」

「今回はずいぶん力が入ってるみたいね‥」

「どういうことだ?数はいつもより少ないくらいだ」

銀の毛並みの狼や巨大な蛇、黒い肌の男、やけに青白い肌の男、鳥頭の男、キメラらしき生き物だけだ。詞は、毎回この数の倍を引き連れている。

「神話級の魔物を連れてきたわね!」

「そろそろ遊んでる場合じゃなくなったからね。量より質で選んでみました♪フェンリル、ナーガ、マーラ、バンパイア、セト、鵺で~す」

俺でも知っ
116・ 諏水紗季
「私もお母さんに会いたいです。小さいときに死んじゃったから。お兄ちゃんもでしょ?」

「俺はあんまり‥‥。自分で叶えたいことは叶えるように努力するし。叶えられないなら諦める。死んだ人間にあっても死んだやつが生き返るわけじゃない」

ノアは、自分の手を見ていう。母さんが死んだとき花を手向けたのはこの手である。あのとき母さんが死んだのを実感した。
「若いのに枯れてるわね~。まぁ、自分の願いは、自分で叶えるっていうのは共感できるわ」

「うん、さすがはお兄ちゃん」

リリーが嬉しそうに言った。

「音葉さん、ノアは今が幸せだから願いがないのかもしれないですよ」

「ノアサマ、マエヨリワラウ。イイコト
115・ 諏水紗季
「話が出来すぎだろ!」

「そう言われましても困りますね‥。私もトラジ様に目覚めさせられるまで知りませんでしたから」

「でも玉が三つ揃ってたのかわかったわ。ノアの‥‥赤の玉の持ち主が何をするつもりなのかが不明だけど」

確かになぜあいつは、玉を集めているのだろうか。強引で残虐な方法を使ってまで‥‥。

「タマニ、ウマイモノダシテモラウ。チガウカ?」

「なんで毎回食い物の話になんだよ」

「オレ、ネガイソレ。ノアトオトハネガイアルカ?」

復讐は願わないことにした。心残りだったリリーもいる。なら俺の願いはなんだ?

「私は‥‥もう一度死んだ家族に会って話したい」

音葉と違って不思議と母さん
114・ 諏水紗季
要するにめんどくさかったということだろうか。

「作戦成功してシロマ出てきたしいいでしょ。それでノアの家族の話を聞きたいんだけど。話してくれるわよね」

「バレちゃいましたか。確かに私はノアも知らない母上の秘密を知っています」

母さんの‥‥?俺の母さんの記憶は、ほとんどないに等しい。

「ノアの母上のトラジ様は、玉の研究者。そして玉を守る巫女の末裔でもありました」

「はっ‥‥巫女?」

「玉本来の力を封印していたのです。だから私を含め3つの玉は、悪用されてこなかった」
113・ 諏水紗季
「で?実際のとこどうなのあんた何か隠してない」

リリーとケーキを食べてから、俺の目の前に仁王立ちにたつ。身長は俺の方があるはずなのにやけに迫力があり怖い。

「何も隠してないっての。あっ、名前隠してた」

「それはリリーちゃんから聞いたから置いといて」

俺が話さないからってリリーに聞くのはズルくないか!?

「あと私が話したい相手は、ノアじゃなくてノアの中のシロマ」

「私ですか?」

シロマが扉を開けて入ってきた。

「シロマを探すよりノアと繋がってるんだからノアを通じて話した方が早いわよね」
112・ 諏水紗季
リリーの話を聞いたことで音葉は、その理由を理解したのだった。そしてもう一つ気になることに気がつく。

「もしかしてリリーちゃんのお父様もお母様の形見を持っていたりするのかしら」

ノアの母親の持ち物だった指輪とペンダントが玉だったのだ。偶然で片付けるには、都合が良すぎた。

「今はどうかわかりませんが‥‥腕輪を持ってました」

「そう、‥‥どういうのかは覚えてる?」

「たしか大きい赤い石がついた腕輪だったかな‥‥?」

どうやら記憶があやふやらしい。だが予想が当たっていれば父親の腕輪も玉の可能性がでてくる。

だがこれ以上のことは、リリーではなくシロマに聞くべきだろう。たぶんあの天使は、いろ
111・ 諏水紗季
リリーは、音葉にノアの本名を言ったのだった。

「へー、いい名前じゃない」


「でも、ノアって名前も素敵だと思います。音葉さんはお兄ちゃんをよくみてるんですね」

「そっ、そんなことないわ。オホホ‥‥」

音葉がとぼけた顔で笑うとリリーが控えめに笑う。

「オホンッ、それより玉をどこで手に入れたか教えてちょうだい」

「お兄ちゃんに聞きませんでしたか?あれは母の形見のネックレスですよ。お兄ちゃんも指輪を持っていたはずです」

「そういえば拾った指輪‥結構な魔力があったわね‥‥」


以前ノアが捨てた指輪を音葉は、拾って渡していた。ノアの魔力は、大したことがないのに指輪に篭められた魔力はとてつ
109・ ALASKA
次の日の朝にはリリーは目覚めていた。
何事もなかったかのように朝食を作ろうと
キッチンに立とうとしたが
昨日の今日だ。昨日のところはゆっくり休んでもらおう。

「ねぇ、お兄ちゃん?」

「どうした、リリー?」

「ごめんね?」

「なんでお前が謝るんだよ」

「だってお兄ちゃん達を攻撃してしまったし」

「あれは力が暴走しただけだろ?気にするなって」

「うん、ありがとう。あと、お兄ちゃん」

「今度はなんだ?」

「お兄ちゃん、なんでノアって呼ばれてるの?」

「あぁ、音葉が名付けてくれたんだ。親父の、あんなやつから貰った名前なんて使いたくなくてな」

「うん、ノア。お兄ちゃんに似合ってるよ
108・ ALASKA
俺たちはリリーを運んで
俺の家へと移動した。

「生命力って、具体的に言えば寿命の事か?」

「まぁ、平たく言えばそういうことです。この玉の力は本来使われてはいけないものですから」

「……リリーは生きてるんだろうな?」

「いくら力を使ったとはいえ、あの程度では死にません」

「そうか……」

「なんだかんだ言って妹の、リリーちゃんの心配をしているのね」

「……当たり前だ、たった一人の肉親だぞ」

「ねぇ、ノア。リリーちゃんが起きたら聞きたい事があるのだけれど」

「……リリーにか?」

「ええ、だめかしら?」

「い、いや……何を聞く気だ?」

「貴方には言わないわ」

「なんだよそれ」
107・ 諏水紗季
「ナニガオキタ?カゼヤンダ」


「私の中に黄色の玉を入れました。もともとあの風を出していたのは黄色の玉。だから、私の中に入れたことでリリーさんとのつながりがなくなり風がやんだのです」


「なるほどね」


音葉は、理解したのか頷くがムッチーの目が泳いでいた。


「なぁシロマ。リリーは、大丈夫なのか!?」


もうリリーが、安全なのはわかった。だがリリーが、ぐったりしたまま目を覚まさない。


「大丈夫です。1日寝て起きたらちゃんとご飯を食べたら生命力は回復します。自覚はないと思いますが、ノア達も生命力を使っているんですよ」


シロマの言葉にほっと胸をなで下ろす。だが、知らないうちに生命
106・ 諏水紗季
足を踏ん張って手を伸ばす。


「届け!」


今度は鎌鼬が来る。でも絶対に逃げない!

必死に手を伸ばしやっと‥‥


届いた!


「リリー!」


リリーをぎゅっと抱きしめる。体の節々が痛むが放すわけにはいかない。


「今度は私の出番のようですね」

「シロマ?」


にっこりと天使らしい笑みを浮かべるとシロマは語りかけるように言った。


「神の創りし玉よ。古の定めを思い出し我と共にあることを望む。戒めを解き放ちなさい!」


リリーのネックレスが黄色に光りシロマの中に消えた。それと同時にあんなに強く吹いていた風が止んだ。
105・ 諏水紗季
音葉が手を組むと地面が輝く


「大地に芽吹け命の輝き!」


途端に地面から蔓が現れ絡まり一本の木となる。同じように蔓が次々現れるとリリーの近くまで木の風除けが出来た。


「ただの風ならなんともないけど鎌鼬が吹いてるから急いで!」


「わかってる!」


木に捕まりながらリリーに近づく。時々鎌鼬がきた時は木に隠れてやり過ごした。


「あと少し!」


腕一本分の距離に近づいた時だった。まるで俺を拒否するように風の勢いが増して木に叩きつけられる。


「いって!」


「「「ノア!」」」


背中が痛いし風が強すぎて呼吸も辛い。

でもリリーは大事な妹だから‥‥
104・ 諏水紗季
「どうすればいいんだよ!」

「嫉妬で力が暴走しているのですから正気に戻れば‥‥たぶん収まる。でもリリーさんが何に嫉妬したのかわからないので対処しようがっ」

シロマの掴んでいた草が切れそうだ。

「それだけわかれば充分だ。まずはリリーに近づく!」

「どうやってやるの!すごい風よ」

「音葉玉の力を使って木を生やせるか?」

「たぶんできるけど‥‥わかったわ!木に捕まりながらリリーちゃんのところに行くのね」

「ご名答。ムッチーは音葉を手伝ってくれ」

「ワカタ」





リリーいま助けるからな!待ってろ!
103・ 諏水紗季
「置いていったのは悪いと思う。でも俺がやろうとしているのは本当に危ないことなんだ」

「お兄ちゃんのわからず屋。馬鹿ー―――!」

リリーが叫ぶと胸元が黄色に光だした。

「あれは嫉妬の玉!」

「最後の玉はリリーが持っていたってことか!?そもそもあの玉の能力はなんだよ!」

「黄色の玉の能力は‥うわっ!」

シロマが何かに吹き飛ばされた。確認しようと後ろを向いたら頬が切れた。

「この力きっと風よ。しかも鎌鼬みたいな風も混ざってる‥‥!ヘタしたら吹き飛ばされかねないわ」

「それよりリリーだ!あんなに力使って大丈夫なのか!?」

シロマが近くの草を掴みながら答える。

「大丈夫じゃありません
102・ 諏水紗季
「いきなり何驚いてんのよ」


「なんでもねーよ。それより今日は出直すぞ。シロマ、頼む」


街に背を向けた時だ。今はまだ会いたくない声が背後から聞こえた。


「お兄ちゃん?お兄ちゃんだよね。リリーだよ!いつ帰ってきたの?」


「えっ、妹さん?そういえば妹を置いてきたって」


面倒くさいことを思い出しやがって。


「人違いだ」


「絶対お兄ちゃんだよ。生意気でおっちょこちょいで寂しがり屋な私のお兄ちゃん!どうしても信じないなら‥」


「あのね、リリーちゃん?この人お兄ちゃんで合ってるから。ただ1人にさせて悪いなと思ってるから言えないのよ」


好き勝手に言いやがって!音葉を睨みつけ
101・ 諏水紗季
目が覚めると青々と茂った木と曇天が目に入ってきた。


「ここは‥‥?」


「瞬間移動で玉の力がする北にとびました」


「他のやつらは?」


周りにはシロマしかいない。もしや別の場所に落ちたのか。


「先に目が覚めて散策している。と、言っても勝手にどこかに行こうとしたムッチーを音葉が捕まえに行ったのですが」


「またムッチーかよ」


それにしてもこの森を見たことがあるような気がする。だとすると一度訪れたということだが思い出せない。

なんて考えていると音葉とムッチーが戻ってきた。


「チカクムラアル!」


「村があるのか?」


「村と町の境みたいなのがあるわ。ちょっと行きまし
100・ 諏水紗季
食べ終わった後みんな揃ってシロマの周りに集まった。


「皆さん準備はいいですか?」


「オヤツニバナナモッタカラダイジョブ」


黄色の完熟したバナナを一房取り出した。


「ムッチー遠足じゃないんだぞ」


「それより早く瞬間移動させなさいよ」


「わかりました。少々不安が残りますが‥‥。皆さん私と手を繋いでください」


シロマの羽が開き足元に複雑な紋が現れた。紋は自ら白色に発光してまるで生きているみたいだ。


「くれぐれも手を離さないでください。異界に落ちることはないと思いますが別の場所に落ちると大変なので」


「わかったわ」


「ワカタ」


「あぁ」






全員が返
99・ 諏水紗季

「食べながらで悪いと思うけどこれからの話をしましょう。シロマ、最後の玉の場所わかるのよね?」


「すみません、玉の力が弱いのでここより北ということしか‥」


シロマが自信なさげに俯く。


「方向がわかるだけましだ。それにしても北か‥‥。北はこれから雪だな」


「そーね、移動が大変そう。んっ?移動っていえばシロマの能力は移動なのよね。瞬間移動とか出来ないの」


「おい、無茶ぶりするな」


いくらなんでも出来ないだろ。


「出来ますよ」


「「嘘っ!?」」


「あとで瞬間移動してみますか?」


これなら玉の場所もすぐにわかるかもしれない。
98・ 諏水紗季

壁の修理が終わりとりあえず昼ご飯を食べ始めた。


「天使もご飯食べるのね」


「神の与えていただいた恵みをむげにはできません。でも肉は食べられませんよ」


「へー」


なんて会話をしている隣では食べ物を巡る戦いが起きていた。

「ソレタベテイイ?」


「それは僕の分ですから駄目です」


ムッチーがヤッカの分を狙っていた。またムッチーがヤッカの分まで食べるんだろうな。
97・ 諏水紗季
弟の蚊がそういうと兄の蚊の腹が鳴る。


「とりあえず飛ぶの疲れたし腹ごなしに誰かの血貰うか」


「えっ、兄ちゃん危ないよ」


「兄ちゃんは腹が減ったんだ」


弟の静止を振り切り兄の蚊は一人の人間の首もとへ。


「いただきまー‥‥」


最後まで言わないうちに兄の蚊は手で叩かれてしまった。ぺちゃんこに潰れて惨めな最後だ。


「兄ちゃ~ん!兄ちゃんの代わりに俺頑張ってこの仕事やり通すよー――!」


そんなこと知らない人間達。


「嫌だ。蚊に刺されたわ」


「血がないから吸う前だったんじゃないか?」


「カユミケスクスリツクル?」


「??なんか邪悪な気配が減ったような??」
96・ 諏水紗季
「えへへ、やつら気がついてないぞ」


「そうだね兄ちゃん」


ノア達は、気がついていなかったが実は魔物が残っていた。なぜ気がつかなかったか。いわゆる蚊の姿をした魔物で、注意深く見るか羽音を聞かなくてはわからない。


「詞様も俺達が一番隠密行動に適しているとわかってらっしゃる」


「かっこいいよね!闇に隠れて情報収集」


「とりあえずあいつらについて行けば六番目の玉の場所につく。そこで俺達の出番だ。六番目の玉の場所を詞様に伝える」


「うまくいったら美味しい血をくれるって言ってたからたのしみ」
95・ 諏水紗季

詞は軽々と光をよけた。


「あぶないわね。天使なのに好戦的なわけ?」


「威嚇です。これ以上おかしな真似をすれば人間といっても当てますよ」


「うーん、直感的にあの光当たったらまずそうね~。出直そうかな。じゃあねん」


詞と魔物の姿が消えた。案外あっさり引き下がったな?


「ナニカヒッカカル」


「いきなり何いいだすのよ」


「カンタンニゲル。コレワナカモ」


「確かに簡単に退きすぎだ。なんか企んでる気がする」


音葉の姉だから絶対に転んでもただでは起きない。でも何を企んでるのかがさっぱりわからない。


「はいはい、あんたたちのあてにならない感はわかりました。でも忘れてな
94・ ALASKA
「私に嘘は通じませんよ、詞さん」

そう言い、シロマが一歩前に出た

「シロマ?」

「目的は私でしょう?さぁ、かかってきなさい」

「あら、私はあながち嘘を言ったわけではないのだけれど……ノアの目的が復讐なのも、デートしたのも間違いないわ」

「……ノア、後で詳しく教えてもらうわ」

「……はい」

「聖なる光よ、邪悪な者を退けたまえ」

シロマが手をかざすと、詞と魔物に向かって光が放たれた。
93・ ALASKA
「ふふ、もう気づいてるんでしょ?これがただ魔物を操るだけじゃ、ないってこと」

「音葉、あれはどんな能力があるんだ?」

「そこまで詳しくはわからないわ、でも気を付けて」

「ねえ、ノアこの前一緒にデートしたのに、もう敵同士なの?」

「……ちょっと、ノア。どういう事かしら……?」

「いやいや、ちょっと待て!」

「貴方はもうこちらの味方ではなくて?ふふふ」


詞のやつ、でまかせを……

いや、一緒にパフェを食べに行ったんだからデートになるのか?


「貴方、裏切ったの?」

「ノアサマ……」

「違う!詞のやつが嘘を……」

「貴方、父親に近づいて復讐するために私の仲間になるんじゃないの
92・ 諏水紗季
「笑ってるのはわかったわよ。でもなんで笑ってんのよ」


「それは‥‥‥」


俺がちょっと恥ずかしく思いながらも言おうとしたとき魔物が現れた。それと同時に聞き覚えのある高い声が聞こえる。


「いーこと聞いちゃった♪ソイツをあの人に渡したら誉められるかしら?」


「「詞」姉さん!」


詞は、一番大きな魔物の肩に乗ってこちらを見ていた。


「お久しぶり~♪とりあえずその天使いただくわ」


詞が赤い玉を取り出した。まさかあれが六個の玉のうちの一つ。


「あれは"傲慢"!皆さん逃げましょう。あれは魔物を操れます」


「逃げてなんとかなる状況なら逃げるが、こいつならま
91・ 諏水紗季
シロマはともかくなんで音葉とムッチーといるんだ俺?


「ムッチーあなた救世主助けるより食べ物のほうがメインじゃないの。最初見た時より少し太った気がするし」


「フトッタチガウ。コレキンニク」


「絶対これ肉よ」


アホらしい。真剣になんでムッチーの太った話を‥‥‥。

そうか、俺がここにいる理由はこれか!こいつらは真剣に俺自身を見ている。だから居心地がいいんだ。


「ちょっとノアなににやけてんのよ」


「にやけてないっての」


「ソウデスオトハサン。ノアサマニヤケテナイ。ワラッテル」


笑ってるのか?笑おうとしている訳じゃないのに?
90・ 諏水紗季

なんなんだよ。母さんがいなくても俺は親父とリリーと一緒に過ごせるだけで幸せだったのに‥‥。

なんでそんな幸せまでなくなっちまうんだよ。


「ノアあなた馬鹿?いままでなさけで言わなかったけど」


「なんでだよ」


「あなたには、妹さんがいるじゃない。私にはこの玉しか残ってないのよ?生きてる肉親は両親を殺した姉だけ。それに妹さんの立場を考えたことある?頼れるのは今ノアだけなのに置いていかれたのよ」


「置いていってなんか‥‥」


ないと、言いかけた口が止まる。最後にリリーとあった時リリーはなんて言った?

"帰ってきてね"

気が強くて生意気なリリーが言った言葉。
89・ 諏水紗季
復讐のことか‥。


「いくらひどいことをされてもやり返したら駄目です」


「正論だからって通る問題じゃない。なら俺のあの時や今の気持ちをどこに持っていけばいいんだよ!」


あいつに裏切られて悲しい、悔しい、不安、絶望、怒り。そういうのを一人抱えこんで生きてきた。


「なら私にぶつければいいじゃない。ダテにノアより長生きしてるのよ」


「イヤナコトアッタラ、ミンナデウマイノタベテサワグイチバン。オレイタムラソウシタ」


音葉に続いてムッチーまでなんかいいだしたが、簡単にすむなら困らない。


「お前ら簡単に言うけどな」


「だって簡単にいうしかないじゃない!ノアあんたなー―んにも言

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