静かな小川の水面のような

暑さと冷たさ、忙しなさに揺り動かされて、忘れかけてしまう大切なことを、色や温度、ともすれば手触りや匂いまでも引き出す綺麗な描写とともに届けてくれる作品です。 夏に読むにはぴったりですね。ありもしない

ひたすらに読んでほしい作品

何度か読み返しました。 何度か読み返したくなりました。 綴られた言葉に込められた概念や感情を想像する。 そんな読書の喜びそのものがこの作品にはたっぷり忍ばされています。 恋と愛を巡る独特な観点は、私

3時に香る優しい湯気

絶望の淵で伸ばされた手にすがる時、利用した、甘えた、そう感じてしまう人がいます。 きっとそういう人こそ優しい人なんだと私は思っています。 この物語の語り手も優しさを持っていたからこそ、この帰結へと歩

かけ値ない赤

赤いランドセルとそこに秘せられた想い、願い。 それを受けて自分の世界を作り上げた少年。 均質化や同調圧力みたいなものが空気中の成分に含まれているような世界で、 この作品は大切なことを教えてくれました

溶けてしまっても、ほどけない

私たちの生きる現実から少しだけずれた日常。 身体を形作る雪とは裏腹に、温かい心根を持つ白い友達。 また逢える日が来るまで、新たな出逢いと寄り添うのでしょう。 とても素敵な物語でした。 ありがとうご

その行く先

私たちには空気のように思えてしまう景色が、決して叶うことのない夢として映る。 わずかとも永遠とも取れる時間の果てに、彼と彼女は何処へ向かい、何を見るのか。 続きを読んでみたい物語でした。 素敵な物語

舞が止まったその先で

後味が決していいとは呼べない原作。 そのトーンをなかったことにするのではなく、その延長線上に何か上を向ける行く末を見つけられないか。 それを真剣に追い求めた作品ではないでしょうか。 素敵な作品をあり

雨の香り

散歩をするとき、気まぐれに路地裏に迷いこみます。 そこは近所なのに発見に溢れていて、誰かにとってはありきたりな日常の風景かもしれないのに、私にとっては異世界の冒険をしているような。 そんな記憶がいく

繊細に組み上げられた宝石

ひたすらに感じたことは、おそらく言葉にすればほどけたりほつれたりしてしまうのかもしれません。 ですが、その世界の描き方を私は美しいと呼ぶしかなく、それ以上にもっと相応しい言葉を見つけられない自分を恥じ

絡み合う冒険と日常の妙

冒険を愛する鈴木と日常に拘る真島をはじめとする、様々な登場人物たちが、各々の持つ物語を進み、やがて交錯し、絡み合っていく。これはもはや世界の形そのものではないでしょうか。 このような物語を紡げる作者様

斬新と驚きの連鎖

現在、夜宴編まで読んだのですが、とても楽しんで読むことができました。 いわゆるイメージとして思い起こしやすい、ゲームのRPG的なものとは違う独特な魔法、モチーフとしているものに対する解釈の仕方など、

荒くも美しい青い世界

夢中で読みました。 繊細なのに躍動感がある描写、生き生きとしたキャラクターたちによって紡がれる幻想的な世界に、ただ没入してしまいました。 私には知らない筈の海の底が、読んでいる間には確かに見えるし

愛の形をただひた向きに

この作品に登場するキャラクターたちは、皆それぞれの愛の形を持っています。 その形はきっと誰かからすれば悪く取られ、そしられる可能性もあるかと思います。 しかし、自分の信念や心から誰かを愛する想いが