Gacy

職を失い郷愁に浸る男がみた,夢では片づけることのできない,ひと夏の出来事。

四十を前にすべてを失った男は,幼い頃に過ごした故郷に残る廃墟を訪れる。なぜそこへ行ったのか,なにが男をそこに引き寄せたのか,すべてが謎であり読み手の想像を掻き立てる。 昼と夜の境目である逢魔時,男は廃墟で出会った白い少女と,その少女の心痛い過去を知り追懐の涙を流す。やがて心に残された切ない想いと,決して約束されたわけではない不安定な未来が交錯する。なぜ腕時計が男の腕にピッタリだったのか……陽が落ちるようにすべては謎のまま,微かな優しさと希望を残して静かに幕を閉じる。 作品のなかに潜む残酷さと意図的に残された微かな希望によって,読後に残るのは希望か絶望か……読み手によって感じ方の違う作品に仕上が
・2件・2件

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Gacy

ダメ。ゼッタイ。

『オーバードーズ日記』というタイトルを見て,薬物中毒者の実録記かな? くらいの軽い気持ちで表紙画像をクリックした。そこには必要以上の薬物摂取をしたらどうなる? という少年の心をもったピュアな大人の体当たり実験記が記されていた。 自分がアメリカで過ごした約10年間,オーバードーズでぶっ倒れた友人・知人,気道に吐瀉物を詰まらせて死んだ日本人の後輩の笑顔を思い出し,やや緊張しながら文字を追う。お腹が痛くなる。目の前がチカチカする。そんなイメージが文字から面白おかしく飛び込んできた。 身体を張ったオーバードーズ,市販薬から苦手なカフェインの過剰摂取まで。無意識のうちにしてしまうオーバードーズも含め,薬
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この作品は非公開になりました

Gacy

淡々と綴る価値観の違いとそこにある現実

恋愛カテで『かなわぬ想い』……この作品を選んだ時点で自分とはまったく無縁な世界に足を踏み入れたことは理解していた。 それでも読み進めるうちに,展開が気になり,この先はどうなるのだろう? かなわぬ想いはどうなるのだろう? 家族との絆はどうなっているのだろう? と作品に集中していく。 やがて幼馴染はそれぞれの環境の違い,そもそもの違いにお互いが触れてゆく。限られた時間のなかで完全に異なる価値観がかなわぬ想いとなり,一方的な想いは儚く消え去ってゆく。大切な家族との別れも含め,去る者とそれを見送る者の決して交わることのない想いが淡々と綴られ,読後に「そうか……でも生きていけるのだろうか……」と余計な心
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Gacy

読み手の心の奥底にある,隠れた不安を素手で鷲掴みするような作品

なにもかもが信用できない。この話を素直に受け入れられる読者とすべてを疑う読者がいるとしたら自分は後者でしかない。暖かい家族の絆は存在するのか,実は母親を除く家族全員が欲望という名の裏切り行為をしているのか。ほのぼのと展開される話とは裏腹に不快感と不安感が増してゆく物語は読み手の人生を炙り出していくようで,ヒューマンドラマというカテですら疑わしく思えてしまう。 雪の上の「足あと」が決定的証拠なのか,夫の反応はなんだったのか,最後まで読み手に答えを与えないまま終わる本作品は自分にとっては十分すぎるほどのホラーであり,作者のセンスに恐怖すら感じる。
・1件・2件
Gacy

こういったジャンルもいけるのか!!

コロナへの不安と政治に対する痛烈な社会風刺かと思いきや,昔からどこにでも存在するクレーマーという名の過激派を面白い角度から切り取った作品。以前からネットでは当たり前のように使われている「自粛警察」をタイトルにし,コロナ問題と社会問題にうまく当てはめ,痛烈な批判とともにブラックユーモアで読み手が不快にならないギリギリを攻めている。 かつて欧米ではこういった作品が数多く新聞に掲載され,そこから多くの偉大な小説家が生まれた歴史がある。そんなことを思いながら作品を読み進めていくと,非常に知的かつ狡猾さを感じさせる作者の巧妙なセンスは色々な可能性を想像させてくれる。社会風刺作品は文化であり,本作品を執筆
Gacy

上質な怪談

タイトルの「足跡」をこれほど見事に作品の中で想像させ,読後の余韻に浸らせる文章に脱帽です。語り部の口調に合わせて進んでゆく物語の展開は,登場人物の生活感を鮮明にし,どこにでもありそうな日常を上質な怪談として見事に仕上げています。短い話のなかで「ああ……そういうことか……」では終わらせない作者のセンスは,読む人によって受ける印象もさまざまかとは思いますが,最後の最後で受ける印象は「確実にこれはヤバイやつだ……」と心の奥深くに不安と恐怖がじっとりと染み込んでいくこと間違いなしです。 酒解さんの作品はどれも読み手の心を揺さぶる作品揃いで,すべての作品をまとめた短編集があれば普通に買っちゃう……映像に
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Gacy

とにかく

この作品を表現するとすれば「とにかく上質!」。最初はドラマの台本でも読んでいるかのような気持ちでいたが,いつのまにか読み手が舞台に立っているような心境にさせられる。 最初から最後まですべての話に無駄がなく,短い話のなかでありとあらゆる伏線が最後につながってゆく心地よさは見事としか言いようがない。 読後には舞台上で観客に向かって挨拶をしている自分の姿が思い浮かぶと同時に,独りよがりの寂しい道化師役にも拍手を送りたくなる。すべての登場人物がそれぞれの役割を完璧にこなしているのと同時に,監督である作者のしてやったり感を感じつつ,素直に「ありがとう」と言いたくなる上質なエンターテイメント作品です。
・1件
Gacy

秀逸なショートショート

『3秒で読める怪談集』というだけあって,ショートショートをまとめた作品集。胃を鷲掴みにされるような話もあれば,背筋に悪寒が走るような話もある。全体を通して作品が『ブラック』であり,それが上質の怪談集となっている。 読めば読むほど頭の中が東本ワールドに浸食されていくその中毒性は,無駄な単語を完全に排除した秀逸なショートショートであることを証明している。 『3秒で読める怪談集』の凄さを味わった方は,是非とも『秋田県民絶滅計画』を検索し,読んでみて欲しい。
・2件・1件
Gacy

展開の妙

ホラーとしては王道な出だし始まる本作品。書き手によっては「だよね……」で終わってしまう可能性があるなか,さすがとしか言いようのない展開に……。 王道な導入なだけに話の展開が容易に想像できるかと思えばそうではなく,読み進めていくうちに,いったいなにが起こったのだろう……これからなにが起こるのだろう……これは……と,胸の奥で羽蟲が這いずり回るような感覚に襲われる。 「無間の音」で新開ワールドの入口を味わった方は,本編でもある『文乃』を読んで更なる恐怖と不安そして真っ黒な快楽に溺れてみてはいかがでしょうか……。
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Gacy
「ロミジュリ病院」というパワーワードから始まるこの作品,もしかしてメンヘラ臭いっぱいのホラーなのだろうか? ロリィタ好みな作品なのだろうか? 書き手がバンギャだったらどうしよう? と,強烈なこの1語で期待と不安を読み手に与え,いきなり心を鷲掴みにします。 本来の「ロミオとジュリエット」とは異なる男女関係はホラーならではの展開で,読み進めるうちに読み手を不安にさせ,この先なにが起こるのか嫌な想像を掻き立てます。そして恐怖と不安が入り混じり,最後に純愛を感じさせつつも不安を残したまま静かに終わるこの展開,まさに書き手よって突然部屋の照明のスイッチを切られ,読み手を暗闇の置き去りにするような感覚です
ネタバレあり
・1件・1件
Gacy
とっても難しい作品。何度も何度も読み返し,何度も何度も想像し,その世界観が身体全体に染みわたったときに,その怖さから抜けられなくなっていることに初めて気が付く。 なぜ? なに? どうして? どうゆうこと? と頭の中で整理していくが,そんなものは関係なく,すべてを取り払ったときに残る純粋でグロテスクな恐怖は書き手の世界観に読み手を完全に引きずり込む,そこはまさにトレビィの泉のよう。 この世界観が染み込むまで何度も読み込み,何度も想像するうちに完全にハマる,底の見えない苔や藻で緑色の沼のような作品だと感じました。
・1件・3件
Gacy
生かさず殺さず,かといって慰みものにするわけでもなく,最初から最後まで想像を掻き立てる書き手のセンスが感じられる作品です。 途中まではよくある山の怪談噺を妖艶な空気を纏わりつかせた文章で展開してゆき,「あれ? 助かっちゃうの?」と思わせたところから第二幕が始まるといった印象です。展開の変化に,おお~これはショートでありながらきちんとした三幕構成になっているのかと思わせられます。 そして第二幕で登場する彼女,「この彼女はどういった立場なんだろう?」といったところで一気にクライマックス(第三幕)へと進み,最後まで読み手を追い込んでいきます。 「腐って甘い香りをはなつ肌…」という言葉の選択が秀逸で,
ネタバレあり
・6件
Gacy
切なさのなかに力強さを感じる、誰が誰のために、なにをどうしたいのか、なにを望み、なにを求めるのか、読み手によってまったく異なる解釈をさせる世界観。 闇夜に滲み出る欲望と願望、そしてその感情を闇に隠しているようで実は剥き出しにしている危険な世界。 書き手の心の奥底にある危険な感情が滲み出ているように感じてしまう作品です。
・1件
Gacy
言葉の選択、言葉の間、流れるようで滞る文字、一つひとつに狂気を感じ、一つひとつにもの悲しさを感じます。 1度読んで咀嚼して、2度読んで間を詰めて、3度読んでその世界観に引き込まれ、読めば読むほど登場するモノたちの心と身体がバラバラになっていく感じが沁み渡ります。 詩的でありながら、狂気を、悲しさを、独自の世界観が読み手に不思議な感情を与えるオリジナリティの高い作品です。
・1件
Gacy
作品からは「わたし」の中にある時間の流れに抗いたい気持ちと、受け入れなくてはいけないと思う気持ちが交錯し、若い頃にしていた危険な遊びをいまでもできると証明することで現実から目をそむけ時間の流れを少しでも止めたい、昔に戻りたいという切ない思いが感じられました。 しかし若い頃は気にしたかもしれないことを年齢とともにどうでもよく感じ、それがどんな結果になろうと構わないと思う自虐的な感情が、時の流れに抵抗したいと願いながら現実の世界に引き戻されていく、そしてもう自分がどうなろうと大した問題にはならないという諦めと冷めた気持ちが最後に悲しさを増していきます。 最後の「気分爽快」という言葉とは正反対の感情
ネタバレあり
・2件

死んだ1

ホラー 休載中過激表現図書券利用
4分 (2,232文字)
Gacy
なんだろう…どの話を読んでも、意味不明だが、必死に解読しようとする自分がいる。 外国人が自動翻訳機に投げ込んだ文章を羅列しているのか、なんらかの規則があるのか、どの話も同じ単語の繰り返し。 なんらかの意図があって、この文章なのか… 確かにこの「敷ければ」は、ある種のホラー。 だが、他の話も同じようなモノ…。非常に困惑するが、目が離せない。
・3件

結果発表した公式コンテスト

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