妻としての初仕事

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「なあ、遥菜。今日のパーティー覚えているよな?」 綾瀬さんがピックを取ったホットサンドを口に入れながら、コンロの前にいる私に視線を向けた。 「は、はい。12時頃に早川さんがここに迎えに来られるんですよね?」 「ああ、着いたら下からインターホンを鳴らすように言ってあるから、そしたら降りて早川の車に乗って青山に向かってほしい。そこに義姉さんもいるから一緒にヘアメイクとパーティー用のドレスに着替えるようになると思う。俺は会場で待ってるから」 こんな大きなパーティーで、ちゃんと綾瀬さんの奥さんとして務まるのだろうか。 粗相のないように細心の注意を払うにしても、やっぱり不安が押し寄せてくる。 「そんな心配な顔しなくても会場には俺も親父も兄貴も義姉さんもいるからな。俺もなるべく遥菜から離れないようにするが、心配だったら義姉さんのそばにいたらいい」 綾瀬さんが優しい笑顔を向けてくれる。 その笑顔に心が安定するのを感じながら、私は小さく頷いた。 綾瀬さんはその後朝食を食べ終わると、シャワーを浴び、支度をして、「じゃあ、今日はよろしく頼むな」と言って会社へと出かけて行った。 12時には早川さんが迎えにくるというので、私も朝からさっさと家事を済ませて、シャワーを浴び、髪の毛を乾かす。これから青山に向かってヘアメイクとパーティー用のドレスに着替えると言っていたけれど、それ以外ほとんど何も知らされていない。 私はとりあえず少し華やかな白っぽいツイード風のフレアのワンピースに着替えると、早川さんが迎えに来るのを待った。
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