ショートは大別すると、星新一さんのように切れ味鋭いオチで読者を唸らせるものと、短い中でストーリーを構築して味の有るドラマに仕立てるものとに分けられる。 前者を御大の名にあやかってH系、後者を、漫画で申し訳ないが、わたせせいぞう氏のイニシャルをとってW系とするならば、マジシャン氏は(両刀使いではあるが)どちらかと言えばW系の話を書くのが上手い書き手だと思う。 短編小説から不要な部分を可能な限り削ぎ落として掌編に仕上げる作風は、電子媒体に適している。山手線なら新宿ー池袋間で二つ三つ短編が読めてしまう、と考えると時間に追われる現代人には有難い。またエブリスタという場所にも向いているだろう。 この『SSは突然に』の中で最も興味深かったのは「苦いコーヒー」 これはH系とW系のミックスとでも言うべき作品。 HとWはお互い排斥し合うというほど険悪な関係ではないが、かといって仲良しこよしというほど親密な関係でもない。どちらかと言えばあまり相性の良くない両者を上手く融合させることが出来ればSSの新しい形が見えて来るかもしれない。そんな可能性を感じた一作でした。 人形は顔が命、SSは数が命。 これからも書き続けて頂きたい。
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レビューを、ありがとうございます。m(__)m 作者にとってレビューを頂く事ほど励みになるものはありません。 作品を丹念に読んで頂いて感激しています。 作風や執筆の手法について、これほど緻密な分析をされる方を他に知りません。驚きました。 おそらく膨大な量の読書と研鑽を積まれたのだろうと拝察致します。 仰る通り、私も星新一のファンの一人です。わたせせいぞう氏の漫画を読んだ事はありますが、どんな物語を描いていたか思い出せません。ちょっと気取ったような洒落たストーリーだったように思います。その程度の印象です。 従って、わたせせいぞう氏の作風を意識した事はありません。 影響
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