夏月 海桜

読了しました。 個人的には、この時代、好きでも嫌いでも無い。おそらくこの時代に好きな人が居ない為だろう。しかし。今日を持って、この時代を好きになった。足利尊氏も直義もどちらもなんと活き活きと描かれているのだろうか。 短編で書かれたにしては、濃い内容だ。無論、長編ならば更に濃い内容であっただろうが、短編だからこそ、歴史小説を読ませる腕が無いと難しい。 今回、初めて筆者様の作品を目にする機会を得られたが、おそらく、筆者様は相当な歴史好きで、知識を多く得ている、と思われる。知識不足の方の作品ではない。何人か、歴史小説を書かれる方を知っているが、何れの方と、優るとも劣らない歴史小説の書き手がまだ居たとは思わなかった。しかし、なんたることだろう。 元々歴史好きの私だが、やはり好きな時代・好きな人がいるから、その分、好きでも嫌いでも無い時代にはあまり嵌まらないのだが、この作品に出会ったおかげで、鎌倉時代から室町時代にかけての歴史を更に詳しく知りたくなってしまった。自分の知識が増えるのは嬉しい限りだが、その時間をどうやって捻出しようか、難題もある。 いやはや、歴史上の人物は、教科書や年表などの紙の上でしか知らない、というのに、またしても、ここにいる一人の筆者様によって、魂が吹き込まれて、血の通った一人の人間として蘇った。さあ、足利尊氏を知りたい。という方達は、ぜひともこの作品から読むべきだろう。
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最後までお付き合い下さり、ありがとうございました! そして、こんなにも夢のような最高のレビューを頂けて、感激しております。とても、感動しています! 南北朝時代をお好きな方は少ないと思います。ご興味を持って頂けましたならば、嬉しいです。 私は好きな時代なのですが、いざ小説にと考えますと、しり込みしてしまって、これまで手を出せずにいました。たまたま今回書くことになりましたが、いきなり長編を書く勇気はなく、短編にしました。しかし、やはり短編では纏めきれない濃厚な時代、人物。今度は是非とも長編に挑戦したいと思います。 丁寧でお心のこもった本当に有難いレビューに、心から御礼申し上げます。

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