遠藤さや

作品に流れる、切なさが染み込んだような雰囲気。 読んでいると、胸がきゅうっと締め付けられるようなピュアなもどかしさを感じます。 けれど、私は思いました。 ああ、これはミステリーだな、と。 リレー小説の前編として書かれた本作は、後編へと続く謎に満ちていました。 この作品の後編を書くことになっている私の気分はもう、コナンです。 主人公の一二三ちゃんの淡い恋心。硬派な六三四の言動に隠された想い。苦しくなるくらい繊細な感情の機微。そして、二人が抱える痛み。 ひとつひとつ丁寧に紐解いて、胸に広がる悲しみにため息が出ました。 何度も読み返しましたが、読むほどにさすが多数さん…しみじみとそう感じます。 まだ十五歳の幼い二人をつなぐもの。 恋でも友情でもないそれがじわりと切なく滲むたびに、心が痛みました。 深い悲しみを乗り越えるには、二人はあまりにも純粋で、まっすぐで…。 前を向くためには、離れるしかないのかもしれません。 宿題のように、多数さんから出されたたくさんの謎。 私が導き出した答えが正しかったのかは、今もわかりません。 きっと真実はひとつじゃない。 ですから、ぜひ皆様にもこの切ないミステリーの謎解きをしていただきたいと思います。 (そして、私との答え合わせとして、ぜひ後編の『青春★ナインティーン』/_novel_view?w=23525897も読んでください…ぐいぐい) 全力でオススメいたします。 ジッチャンの名にかけて!!!←
11件

この投稿に対するコメントはありません