Satori

生きようと懸命にあがくダメ中年貝原と、それを守るべく戦う乙女、野和田ちゃんのタッグが熱い! 愛情とは無縁に生きてきた男の話のはずなのに、読んでいてそこに愛情を感じずにはいられない。 「うわー……」と思ってしまうほど激しく空回りをし続ける貝原。ストリートライブを聴いてあげるシーンなんてちょっと感動的でもあるのに、野和田サイドを読んでふっと笑ってしまったりと、キャラクターたちは至ってシリアスでも読者の頬が緩むような仕掛けがあって楽しく読めました。 (貝原さんずっと音楽をやってたから、実は音楽だけは実力があったんじゃない?!と期待を持って読んでいたのですが、ばっさり(笑)でもそんな率直な野和田ちゃんの思考が大好きです) シリアスベースでありながら、訓練用死神もどきや天使さまなど、時々コミカルなものが紛れ込んでいるのも良かった。 現世とあの世の中間地点の不思議な世界。 死神になる条件や甦りの方法が面白い。 目標を持って過ごし、達成感を得ることが生まれ変わりに必要ならば、そのチャンスをいち早く与えられた野和田ちゃんはラッキーだったのか、と高層タワーが崩されるシーンを見ながらしみじみ感じました。 ラストはちょっと意外というか予想外でした! コミックにしても良さそうな話だなと思いました。
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いつもいつも、たいへん素敵なレビューをありがとうございます。 長編小説を読了するだけでもたいへんなのに、さらに書くのに労力のいるレビューまでくださるなんて、ありがたくてありがたくて。 <(_ _)> 小説を書くとき、いかに読者に飽きさせず、最後まで読んでもらえる文章・構成にするかを考えておりますが、この「魔法使いに~」は、そのなかでも読みやすさを重視した小説ですので、きっと楽しんでいただけるだろうと自負しておりました。(幸運にも「ノベリスタ大賞」に入選できましたし) 読者が女性の場合、やはり野和田に感情移入してしまうようで、女性から見た野和田はかなり好印象をもってもらっ
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こんばんはー☆ やー、すごく好きでした。魔法使いになれなくて。工夫されているだけあって、本当に構成が上手で読むと止まらなくなるので手をつけるのが怖くなるくらい(笑)赤羽さんの小説大好きです! 貝原のお見合いパーティー、すごかったなぁ……。まさかのセールスレディまで登場。これは実際にあるケースなのかなあとか考えてしまいました><; だめだめだけど、なんか愛嬌を感じるというか愛すべきキャラですよね、貝原さん。 お墓参りのところとか、ああこの人本当に不思議なくらい縁が無かっただけで、両親に対しても素敵な考え方をするんだなあとか。 ラストミラクルですよね。 読みながらやっぱりどうなるのかを予想し
コメント、ありがとうございます。 構成については、同じシーンを貝原と野和田で立場を変えて描くのは、自分でも面白かったです。 生命保険への勧誘は実際にあって(ラジオ番組できいた)、それを使わせてもらいました。ちなみにお見合いパーティは友人が参加したので、それを参考にしました。 お墓参りのシーンは、僕はあまり意識しなかったのですが、案外印象深いようで、ちょっと意外でした。 設定からすると、貝原はやはり最後にはだれか思われる人に出会えないであのまま死んでしまっては、読者はきっとモヤモヤを抱えてしまう。作家の五代ゆうさんに「物語は絶対ハッピーエンドに」と講義で聞いて、当時は「そうかな?」と疑
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こんばんはー☆ あはは、確かに自己体験を捻って小説にする方は多いみたいですもんね(笑)それだけ貝原の一喜一憂する様がリアルに描かれていたっていうことですよね。赤羽さんの書く他の小説を先に読んでいたので、私は貝原=赤羽さん、を思いつきませんでしたが(笑) うんうん、確かに読んだ後に負の感情に支配される小説は長編だと難しいですよね。 売り物として考えると、読後感が様々なものよりも、読んだ読者の感情をある一定方向に向けられるものが選ばれるのかなぁと、思ったりします。 そしてそれはマイナスより、プラスのほうが良いんでしょうね~。みなさん仕事で疲れているところ、息抜きで読むわけですし(笑) 現代だ

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