藤白 圭

大人同士の事情はどうであれ、子供にとっては両親というものはかけがえのないもの。 大切な両親が離婚し、片方の親の元で過ごしていても。 いくら、新しい父親がいいひとであっても、やはり、子にとっては血のつながった父親はただ一人。 幸せになることに。 本当の父ではない人に心を開くことに罪悪感や何とも言えない後ろめたさを抱いてしまうのも無理はない。 そんな人の繊細な心を描くことに関しては本当に作者様はうまい。 子供の気持ちも。 そして、父親の気持ちも。 物凄く理解出来、可愛くない態度をとってしまう彼女の不器用な気持ちが痛々しくも思えました。 そんな中にも、魚の視点や父親と出会った男の子との会話を組み込むことで、重々しくなりがちな彼女の生い立ちや思い出が少しずつ明るく照らされて行くような気がしました。 亡き父への想い。 そして、ずっと心に引っ掛かっていた彼女の中の気持ちが「シャボン玉」となって天へと向かい、弾けて消える。 まるで、すべてを吹っ切ることが出来、これから彼女の人生が新たにスタートする予感を含ませる希望に満ちたラスト。 雪もシャボン玉も。 いずれは消えるように。 哀しみもいつかは消える。 そんな風に感じさせてくださる素敵な物語に感謝です。
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快さん。 深くまで読み取ってくださり、ありがとうございます。 幸せになる事に戸惑ってしまって、不器用な気持ちを描きたかったので、伝わって嬉しいです。 最後は希望も感じ取ってくださって、ほっとしました。 今回は、書きたいけど、なかなか時間が取れず、我慢に我慢を重ねて、ようやく書けた!って感じでしたので、とてもすっきりしてます。 また次回も頑張ります^ ^

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