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島を渡る日、海に還る日
紅玲(くれい)@旧・栗原宗
2017/6/17 3:15
ちょっと不思議でロマンチックなタイトルに惹かれました。 そして、表紙のイラストが、一瞬ホラーかと思ったけれど、まさかの恋愛物という意外性に、表紙のイラストの謎が氷解。水面からの手と女性の手の繋ぎ方が『恋人繋ぎ』だったので。ただ、相手が誰なのかはラストの数ページでわかるようです。 いきなりの竜神様への供物という熱い料理バトルと、完成した料理に対する人々の歓声。私も食べたくなる調理の描写。海へ向かえば、そんな喧騒(けんそう)など知らないという様な静けさ。 そんな祭りのシーンに、私の祭り好きな心が、『行って見てみたい』と騒ぎました。 主人公の元人魚……鱗(りん)が元々追い求めるのは、姉、波流(はる)の事。姉の仇? が誰なのか、はたまた『姉らしき人』の噂はなんなのか。ミステリーを含ませた展開は、ドキドキわくわくさせてくれます。 鱗のバトル相手は、地底人の漁(りょう)。海の中で育った鱗は生食料理。対する地底で育った漁は、加熱料理。環境の違いが出ています。ただし、漁の料理には、珍味も多そうです。 地底人の漁が地上に上がった理由はなんなのか。好きな人を追って陸に上がったのか、それとも……他に理由があるのか。それが何なのかは物語の中の伏線が私たちに語りかけてきそうです。 それが何なのかわかった時、私は胸が熱くなりました。 もう1人、そんな2人を料理バトルに導いた少年、神津龍一(かみづ りょういち)。にこにこと笑って料理バトルを見守る彼。 人の中に紛れ込んでも違和感のない彼の住処(すみか)を意外と誰も知りません。 彼は、2人に取って、敵なのか味方なのか。 最後まで目が離せませんでした。 素敵な物語をありがとうございました。 (★)
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