あーる

ただならぬ雰囲気の始まり、この後には何が起こりどんなお話になるのか、期待が膨らみ読み進みました。 BL的な部分はもちろん魅力的に描かれとても惹かれましたが、他にも盛り込まれた様々な要素も興味深く感じました。 兄弟愛、親子の絆、己を知る事、家族、命の意味、善と悪の認識… 前半は克己さんの胸を掻きむしられるような孤独と想いの強さに心揺さぶられました。 気の遠くなるよう年月を重ね酸いも甘いも知っている雅也さん、待ち続けた存在を愛しく想う克己さん、本来の自分を受け入れ安心できる場所を見つけた真君。三人の想いが交錯する中盤にもドキドキでした。 そして後半。 「善と悪」「人を傷つける事」で葛藤する真君。 立場が変われば、見え方も変わる、その人のバックボーンでも判断基準は変わるもの。 狼男のベースに吸血鬼としての能力を持った時、父の教えを忠実に守ってきた真君は、これをどうクリアして行くのだろうか… 備えた能力、性(さが)は、本能の部分で抗えないだろうし、かと言って培われてきた人を傷つけることへの抵抗感。 どんな風に折り合いをつけていくのか、とても興味深かったです。 ペコメでも触れましたが、どんどん真君の可愛らしい無邪気さが薄らいでいくのが本当に切なかった。 この善と悪、命を奪うことに関して、真君の出した答えが正解と思えるかは、もしかしたら読み手しだいで変わってくるかもしれません。 でも、この物語の中の真君は、愛する克己さんと親愛なる雅也さんと共に「ずっと一緒…」にいる事を望み、幸せを感じている、それがすべてのかな、と私は思います。 最後に少し大人の階段を登ったけど、それでも愛らしく無邪気な真君に戻って本当に良かった! もう一つ。真君のお父さんに思いを馳せてしまいました。 幼い頃は感情のコントロールなどできるわけもなく、本質が表に出ていただろうに、それを受け入れ、守りながら導いていたんですよね。 いつか思い悩む日が来る、その時のためにきちんと自分で道を見つけられるように、繰り返し教え説いていた…こんなところにも泣けてきます。 このお話を、単にこのジャンルの切なさ、甘美さを求めて読むと深みにはまるかもしれません。 ラブコメからシリアス、ダークなもの、はたまたファンタジーまで、どれをとっても単純にカテゴライズできないたろまろワールド、今回もたっぷり堪能させていただきました!
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わーーー! あーるさんレビューーー(≧▽≦) す、凄い! 凄すぎる! 物語の奥深くまで読みこんでくれて本当に嬉しいです! 思えばあーるさんには母心でずっと見守られてきましたよね。 元気いっぱいで人懐っこい。でも、同時に寂しがりやで甘えたでもある。でも、後者の部分を健気に奮い立たせたのが前者なんだよね。 それらはワンコの要素だって思って、ワンコ気質を意識しながら真を描きました。 自らの意思で考え立ち向かっていくのも、言いつけを忠実に守ろうとするのも、またワンコだと思います。 それに、お父さんに着目してくれるのも嬉しいです。 プロローグと、真の語りでしか登場しないお父さん。お父さんは真を授かった時
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たろまろさん、こんばんは。 お返事ありがとうございます(^-^) はい、真君のワンコ気質随所で感じられました! そして、所々で出てくるワンコな行動もツボだったりします。 シャンプーの香りより自分の匂いが好きで落ち着くとか、気持ちが出てすぐ尻尾ユサユサ振ったり、興奮してハッハッしちゃったり、水をブルブルってはじいたり(´∀`*) めちゃ可愛いかったです! 克己さんは、「体感は冷たいのにあったかい」って真君が言っていましたが、それを克己さん本人の描写だけでも感じました。 佇まいは冷気を纏ってるのに、真君に対しての言葉と行動で内からにじみ出る温かさを感じるというか…うん、やはり流石の描写力で
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