希雪

抜けるような青い空。 街中で見る「それ」とは違って、遠く、高く、でも手を伸ばせば届きそうな気がする そんな青い空。 手にする事はできないけれど「それ」は確実にそこにあって。 眺めるものもいれば、羽ばたくものもいる。 一時一時、同じ「それ」は無くその表情をカタチに残すものもいる。 必ずしも手にするものではないけれど、誰の上にも平等にあって。 その捉え方、想いの馳せ方はそれぞれ違って。 「それ」に向かって顔を上げるか、手を伸ばすか。 その勇気さえ持っていれば。 例え胸の奥の片隅の小箱にしまった勇気だとしても持ち続けていれば。 いつか自分なりの方法で手にする事ができるから。 そんなふうに思えてノスタルジックな雰囲気と甘酸っぱい感情。 忘れていた気持ちをもう一度思い出し受け止める。 そんな気持ちになる作品でした。 始まりや視点も面白く、読み返す度に、その時の気持ちで受け取り方が変わる。 手元に置いておきたい一冊です。
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