イマイチ

大変お待たせしてしまいました、レビューを投稿させていただきます。 いわゆるライトノベル的な派手さや華々しさよりも、人の心の機微やミステリーめいた展開の面白みに重点を置いた抒情的な作品です。 ざっくり書いてしまうと自分の過去にタイムスリップしてしまうお話なのですが、子供たちが駆け回り賑やかだった「過去」の孤児院。寒々しく朽ち果てた「現在」の孤児院。その対比だけでも、個人的にはぐっとくるものがありました。もっと戦闘だとか心理描写とか、評価されるべきところのある作品ではありますが。この作者さんは「人間」を書くのがうまい。上から目線になってしまいますがそう感じました。 なにげない日常の描写にも、「かつてそこに人がいて、生活が繰り広げられていた」というだけで無性に胸に込み上げてくるものがある。そのさびしさがもやのように広がっている作品だと感じました。 もう失われてしまったものだからこそ、過去の欠片はどれも切なく、愛おしい。寂しい冬の森のイメージが頭から離れない。廃墟好きの方におすすめの作品かもしれない。 つたない文章になってしまいましたが、レビューを依頼していただきありがとうございました!

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