桜井清志

きっと、どうすることもできなかった関係が切なかったです
衝撃の始まりから、穏やかで思わず笑みが浮かぶような純愛へ。しかし、徐々にその関係にヒビが入ってきて…。 とても苦しくなる展開。どちらも、相手のことを思うが故の行動だったとは思うのですが、こうなる運命はどこか必然的にも感じられました。 一番の原因は、やはりみそらさんの過去と、抱える心の病でしょうか。 しかし、それを引き起こしたのは本人ではなく周りの環境だったわけで。責めるわけにもいかず。 どうすれば良かったのか、どうするべきだったのか。 正直僕はその答えを見つけることができませんでした。 二人には幸せになってほしいと願いながらも、実際その場にいたとしても、きっとどうしてあげることもできない。 ただ、崩壊していくのを傍観することしかできなくて。 一人称なので、読んでいる分にはお互いの心理がわかるのですが、実際は相手に届いていない心の声。これがせめてもっと伝われば、湊くんも何かを感じ、行動に移せたかもしれませんね。 それを伝えないのもまた彼女の強さであり、弱さであり、優しさでもあるのですが…。 『あなたのために』というタイトル。その思いが時には悲しい結末を迎えることもあるんだなって。人の心のいろいろな側面を見ることができました。大きな傷を負ってしまうと、それを治すことがいかに難しいことかも知りました。 小説として良い意味で、心のダメージが大きかったです。ぽっかり穴が空いてしまったような余韻です。 とても読み応えのある作品でした。 まとまりのない感想ですみません(^^;) スター特典も書いてくださっているようですので、そちらの方にもお邪魔しますね♪
2件・2件
桜井清志さま、感想ありがとうございます。 「すれ違う心」という10年くらい前の小作のリメイクでしたが、描き続けていくと一応文章の腕は上達していくようです。そして色々なエピソードを込めることができました。 一人称の交代制での展開は読みづらくなってしまうかもと思いましたが、それぞれの想いを近くで感じとるには最適だったかと。 今回はちょっと長い話だったので、退屈せずに読んでいただけたのなら幸いです。
1件1件
退屈なんて、まったくしなかったですよ(^。^) ちょっと忙しくて時間が掛かってしまいましたが、ほとんど読み返すことなく物語に入り込めました♪ 『ハッピーエンドを探してる』っていうメッセージ。ここに、池上さんの書く上での、痛みのようなものも感じました。 この作品、読み手と同じくらい、いや、それ以上に、書き手の方が苦しいのではないでしょうか。 僕にはとても真似できない、魂のこもった作品だと思います。 長編、お疲れさまでした。 次の作品もまだ未読なので、そちらもまたお邪魔しますね。
1件

/1ページ

1件