仁科佐和子

支えがあればこそ
良くも悪くも子供は親の背中を見て育つ。子供時代に虐待を受けた経験は、悪い意味で引き継がれてしまう。 その連鎖を断ち切れなければいけないと頭ではわかっていても、「自分は子どものためにやっている」と言う意識下で行われる暴力というのは正当化されやすい。 救われるのは、主人公の場合「自らが子供の頃に愛着を受けていないことが、心理発達に影響を及ぼし、自身の子供に対する敵意や暴力につながっているケースではない」ということだ。 主人公は子供のころに受けた経験によって、自身の子に対して愛着を持てなくなっている訳ではない。 子供のことはちゃんと愛しているし、愛情を素直に表現してくれる旦那さんもいる。 自分が愛されて初めて人を愛することができる。 旦那さんに愛された主人公はきっと恐怖の連鎖を断ち切り、自らの手で幸せな家庭を築くことができると、ラストページは示唆している。
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仁科さん 素敵なレビューをありがとうございます…! 正直なところ、鞠花のような経験をしていない自分がこのような話を書いて良いのか、実体験をした方に申し訳ないのではないかと思いながらも、挑戦したテーマでした。それゆえ鞠花の心情に添い切れず、想像の部分を言葉で補おうとしたために、やや書きすぎてくどくなっている…ような気がします。 そうなんですよね。仁科さんのおっしゃる通り、鞠花は正常な愛し方を身につけている。それはしかし真実なのだろうか…と、今でも自問自答しています。ただ、そうであって欲しいと願います。 ありがとうございます^ ^
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