はーこ

『もうひとりの自分』に襲われる恐怖! 謎が謎を呼ぶミステリーファンタジー!
悠人と莉子、俊昌と彩佳。4人の少年少女たちが、『もうひとりの自分』に命を狙われるという、ドキドキハラハラなストーリー展開が一番の特徴の本作。なんと気づいたら一気読み×2周しておりました。 主人公の悠人が、まったく同じ顔の人物に追いかけられ、殺されてしまう男性を目撃する冒頭シーンは、衝撃的かつ不気味で、読み手側としても鮮烈な印象を刻まれます。 そうした悠人の目撃談は、単なる都市伝説かも、程度にとどめられ、高校生たちの初々しい青春の日々が描かれるかと思いきや、そう長くは続きませんでしたね…… 彩佳が『もうひとりの自分』に襲われたことで、激変する状況。そこにいるのは本当に彩佳なのか。私も疑心暗鬼になりながら、恐る恐る読み進めていました。彩佳だけでなく、俊昌にも『もうひとりの自分』がいることがわかり、彼らの魔の手に対抗するために団結する悠人たちでしたが、状況は悪化していくばかり……まさに、もがけばもがくほど抜け出せなくなっていく、沼底に沈むような展開でした。 そんな中、容赦なく襲い来る彼らが、自分の嫌な記憶を切り離したことで生まれた『捨て子』と呼ばれる存在だと判明し、悠人たちは忘れてしまった記憶、その鍵となる由紀という少女について調べることに。ようやく前進した瞬間でしたね。 そして事の真相は、悠人たち4人がみんな、由紀が死んでしまったのは自分のせいだと思い込んでいたということ。誰が悪いというわけではなくて、それぞれが想い合うがゆえに、すれ違ってしまったんですね……切ないです。 悠人、俊昌、彩佳、莉子の『捨て子』、宏輝、秋斗、紗英、梨乃にも、それぞれ譲れない想いがあって、迷いながらも、由紀のために行動していました。 ラスト、由紀にも『捨て子』がいたという伏線回収は、お見事でした。失ったものは大きいですが、その分、悠人たちは大きな成長を遂げられたと思います。個人的には、由紀のお父さんも報われてよかった……宏輝が悠人の『捨て子』ではなく、宏輝というひとりの人間として由紀といられることを願っています。というか、あんだけ苦しんだんだから、みんな幸せになれよもう。 長々と失礼しました。心にグッとくる、少し不思議で素敵なお話をありがとうございましたm(_ _)m
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お読みいただきありがとうございました! そしてなんと2周も読んでいただいたとは😭序盤から伏線を張った(つもり)でしたので、2回読んでいただけるなんてこの上なき幸せです🎉 そしてレビュー、感想の文章力…! 嬉しくて何度も読み返してしまいました。 長編でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました✨
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