終始夢中になれる作品
読了いたしましたので、拙いながら感想を述べさせていただきたいと思います。 謎多く何ともいえない不穏な気配の一ページ目から引き込まれたこちらの作品。四人の高校生が“捨て子”と呼ばれるもう一人の自分達の存在と対峙する、現代ファンタジー要素のあるミステリーです。 主人公・悠人くん達に襲い掛かり危害を加える存在として登場した“捨て子”ですが、彼らを通して知ることになるのは悲しい過去の出来事と四人それぞれの抱える“罪”。場面展開や人物の心の動きの描写が非常に丁寧で、読み手である自分も彼らに様々な感情を抱きながら、いつの間にかその場にいる一人として真相を追いかけたい気持ちでいっぱいになっていました。そのように感じさせる臨場感あふれた作者様の表現力には本当に脱帽するばかりです。 ここからは少々踏み込んだ所感になってしまいますが(そして解釈が間違っていたら申し訳ないですが)、この作品の鍵となる要素でもある主人公達の“罪”に関して、それぞれ苦しんだり悩んだりした末とはいえ、どれも利己的な感情がもたらしたものであるように私は捉えております。悲惨な結果を招いた彼らの行動を決して肯定できるわけではないけれども、人間なら誰しもが抱える感情からの選択だったと思うと少なからず共感できる部分があり、非難するよりも居たたまれない気持ちが強くなっていました。そしてそこに至るまでの複雑な背景と各登場人物の心を、細やかかつ整合性をもって書かれているところに作者様の力量を感じました(しかもそれを主人公の一人称視点でなさっていたところがめっちゃすごい、と個人的には思います!)。 読者を惹きつける始まり方とテンポの良い物語の進み方で最初から最後まで全く飽きることなく楽しめる作品でした。 ミステリーとしては勿論、人物の会話や行動、感情の表現がとても魅力的なのでヒューマンドラマや青春ものを好まれる方にもお勧めしたいと感じております。 このような素敵な作品に出会えましたことを心より嬉しく思います。
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この度はレビューありがとうございます✨ なんと素敵なレビューと思い、嬉しくて何度も読み返してしまいました笑 正直なところ、特に終盤、状況がかなりのスピードで二転三転するのに加え、新しい情報の多さから読者を置いてきぼりにしてしまったのではないかと不安に思っていました。 しかし、まさにおっしゃる通り!伊東いろはす様に読み解いていただいていて、感激してしまいました😭 感情の揺れ動きの描きやすさから、一人称視点としましたが、一方で一人称視点であるが故に描ききれなかったところが多くあります。悠人が見えていない裏で何があったのかをどうしても描きたいところもあり無謀にもスピンオフ作品を書き始めてしまいま
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良かったです😭✨ 感想やレビューを書く際はいつも「解釈間違っていたらどうしよう」「不快に思われたらどうしよう」と内心ドキドキしてしまうので、作者の方に少しでも喜んで頂けたなら嬉しい限りです。書いた甲斐がありました! こちらこそ、レビューに対する温かいご反応ありがとうございました🙇✨
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