蕚ぎん恋

大正のをとめのうつくしき夢路、飛翔
大正時代って独特ですよね。短いし、洋が混ざった色々な文化、モガとか女性活動家の台頭とか、朝日が昇るような活力が生まれて来たのかなぁという印象がありますが、 その裏では、まだまだ女性がこのような悲運を抱えていたのかもしれない、と読み進めるうちに想いを馳せた物語でした。 (すみませんあまり歴史的背景など確認せず書き込んでいるので、前後で諸々間違いがあるかも知れずご容赦ください) 大正の文化、風俗を風景の中に綿密に盛り込み、終始流麗な少女の語り口で物語は紡がれ、 はじまりからすっとその世界に没入して仕舞います。 美しい少女二人だけの旅路、楽しい旅なのかと思えば冒頭から漂うどこか憂愁を伴う二人の風情、 二人の秘められた哀しみ、熱情が露わになるにつれ、もしかして…とこの旅の結末を暗示させられるようでした。 何とか救いはなかったのかな、とつい惜しんでしまいますが、 何百年も先の大分女が対等な力を持ち始めた時代に生きる女なのに、あまり光明な救いの策が見つけられない。情けないことです。 旦那さんなどの男たちや周りの者をコントロール出来る図太さやおおらかさを持てれば良かったのかな、などと思いますが、それも彼女達には酷かな…。 そして今の時代に生まれた者のずるさですが、この時代特有の少女のうつくしさ儚さ、こうなるしかなかったのかも知れない、という運命の徒に、やはり酔ってしまうのです…。 そりゃ好きでもない男の慰み者、従属した人生を終えるより、 うつくしく同じ想いを共にするお姉様との明けを迎えて、ふたりで永遠の世界へ旅立っていくのが良かったのかな…。 後半の官能を伴った二人の交合には、眩暈が起きそうな恍惚を感じるようでした。 ふたりだけの世界へ飛翔し、永遠にそのままのうつくしい姿で微笑み合って欲しい。そう願わずにはいられません。 美しいお話に陶酔しながらも、少女達や自身の想いを馳せ、面倒な文言を並べてしまいましたが、通常BLをメインに書いている身でありながらとにかく好みでツボなお話でした!!
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蕚さまの熱いレビューにうっとりしてしまいます❤️ 何気なく読んでる文豪達は明治から大正辺りに生まれていて、参考の為に読んで圧倒されたのは描写の細かさでした💦 つまり、その時代実際に生きた人間にしか書けないレベルの事が書いてある そこで実際に、その当時のS(百合)のいうものに直に触れている作家作を読んでみました 吉屋信子辺りが有名ですが、当時の雑誌に投稿された同性への恋心等を覗いてみました これでもかってくらい流麗で装飾過多な文体なんですよ だから乙女の雰囲気出そうと文章をひねくり回して書いてみました ヒネクリコネクリww 大正は百合の心中の割合が多かったらしく、柳原白蓮辺りから伝わる女性の悲
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