一布

記憶という謎を解き明かしつつ、それぞれの人間関係に胸が痛くなりました
 あくまで個人的な感想ですが、リュウトを憎み切れない部分がありました。  リュウキは、リュウトの弟。双子なのに自分よりも遙かに優れていて、健康で、力がある。  弟だからこそもっとも身近で見なければならず、それだけに、劣等感は相当なものだろうな、と。  もちろん、やったことは多くの人を不幸にすることだし、許されるものではない。罰は受けるべきだし、なんならこの世から消えるべきとも思う。どんなに少なくとも、見ず知らずの第三者にとっては。 「もし~なら」  そんな仮定の空想がたくさん浮かびました。  もし、リュウトに、リュウキとは違う何かを与えようとする者が彼の身近にいたなら。  一途に、優れたリュウキと同じかそれ以上に認めてくれる者がいたなら。  リュウト本人を愛してくれる人がいたなら。  悲しい運命を辿る人は少なくなっていたのではないか。  物語の最後の、本人の言葉通りとも思います。  もっとも、本人の意思と行動次第で変えられる局面も多々あるのですが。だから、リュウキも最後には突き放している部分がある。ほんの少しの希望の言葉を交えていますが。  そのリュウキやヤエは、紅い幻草が燃やされた後は、黄泉の国へ行ったのか。一部化け物と言える彼等だから、その可能性が高いのかな、と思っています。  とはいえそれは、ハクの言う通り、平和な世界で。  ハクや朱鷲の少女と一緒に、ようやく安寧の場をえられたんだろうな、と。  完結、お疲れ様でした!m(_ _)m  
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一布さん うわぁぁぁぁあ素敵な感想をありがとうございますぅううううう😭!!!!!! わたし史上もっとも苦戦した作品なので、追ってくださって、しかも深く読み取っていただけてありがとうございます。・゜゜(ノД`)❤️❤️ おっしゃるとおり、リュウトは悪なんですけど彼の恵まれない環境によって悲劇が生まれてしまった要因でもあるんですよね……。人を恨んで自分の権利と暴力で国を支配して、抱いてはいけない野望でたくさんの人たちを犠牲にしてしまいました。 彼になにかひとつでも救いとなるものがあれば……と、リュウキ自身も心のなかでは思いつつも、正義感が強いあまり実兄でも許せなくて最後は突き放してしまったと思い
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