あおい

二世代に渡る物語、父娘を繋ぐのは罪の楔? それとも──
第一部の見事な締めくくりから第二部を始められるにあたって、相当なプレッシャーがあったのではないかなと勝手に思っています。けれどこうして第二部の物語を書き切って下さったこと、本当に感謝いたします。一部の始まりから二部の終わりまで、肺腑を衝く物語でした。 一部読了済でまだ二部を読めていないままのかたがいらっしゃるなら、是非早く次頁を開いて頂きたい。彼、ジーンの人生はその先もまだ続いているからです。 第一部では、一人の男の生は歴史の大きな渦に翻弄された粒子の一つに過ぎず、何の意味もないものだったのか?とラストに問われている気がする、と個人的に思っていました。私はあのラストがとても好きです。上手く言葉に出来ないのですが、ままならないあの終わりにこそ現実感を見出してしまうというか……凄くリアルを感じました。 対して第二部で、意味はあった、と、登場人物達それぞれの苦悩を巧緻に絡めながらも軸にはそれがぶれずにあり、読者へ示して下さっていると感じました。そして彼の生を意味のあるものにしたのは、愛娘のアイリーンだとも。リアルを保ちつつも救済もあり、本当に凄いなと……。 非常に難しいテーマだったと思いますが、厚い文章と先が気になる展開でとても上手くまとめられていて全く読みづらさを感じなかったです。そこも凄い……!! 一部の主人公ジーンと、二部の主人公その娘アイリーン。第二部開始時点で二人を繋いでいるものは父が犯した『罪』ですがラストまで読み終えたとき「ああーッ😭!」となります。急に語彙力皆無ですみません。でも本当にああーッ!と、えも言われぬ気持ちになるんです。 二人を繋いでいたものは何だったのか、またアイリーンがこれから繋いでいくものは何なのかが明確に分かります。それはもちろん罪でも復讐でもなく……これがとても胸を打ちます。  第二部の序盤ではカナデと共にアイリーンの態度にハラハラやきもきしましたが、同じく序盤にて既にアイリーンは教えてくれていたんですね。「アイちゃん、おとーさん、だいすきでいるよ。ずーっと」と。 完結おめでとうございます。長編執筆、お疲れ様でした☺️リアルタイムでアイリーン達を追いかけられて幸運でした!
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あおいさん! このたびは本当に読了ありがとうございました。どんなに励みになったことか。その上こんな光栄なレビューまで頂いてしまってもう泣いてます( ; ; ) 仰るとおり第一部のラストを損なわず、どうジーンの生を見つめ直す第二部というものを書くか、というのは非常にプレッシャーがありました。第一部で描いたジーンという個人の無情を、どうしたら「遺された女たち」のひとりであるアイリーンが意味あるものに変えるか、本当にそこが書きつつもなかなか見えなかったのです。アイリーンはどうしたらジーンと和解できるのか。和解できずとも受け止めることができるのか。手探りのまま書き進めていたので不安になることも多か
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