こんばんは、亜希子です。 えっと……新しい先生、ですよね? よかった! 昨日までの先生は私の話をちっとも聞いてくれなくて、本当に困ってたんです。 でも、あなたはちゃんと聞いてくれそう。 え? どうしてそう思うかって? だって、私の『孤独』と『絶望』を理解してくれてるじゃないですか。 私、ずっとつらかったんです。 広貴……あ、夫のことなんですけど、あの人ってば、いっつも口だけで本当に何もしてくれなかったんですよ。 家に変な虫が沢山出てくるって言ってるのに、真面目に取り合ってくれなくて。退治しようと思って殺虫剤を撒いたのに、無駄にされちゃうし。 無責任すぎると思いませんか? あんな得体のし
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…彼女、安らかな顔してますね …ああ、夢でも見てるんだろう え?こんな状態ででもですか? 彼女は生きてるんだから、当たり前だろう。それじゃ、後は任せたよ。 はい、先生、お疲れ様でした。 …ふう。あ、カーテンが開いてる。閉めなきゃ… ……あれ?窓開いてたんだ。危ない危ない。 ……それにしても、本当に安らかな寝顔ね。どんな夢を見てるのかしら? ……ワ……ザ…ザ…… …ん?何かしら今の音……? ……気のせいかしら。疲れてるのかな…… ここは、もういいかしら?それじゃ、亜希子さんおやすみなさい。 … …… ……ザワ………ザワザワ………ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
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