このコンテストは受付を終了しました

三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第171回「今日から私は」
 テーマが転換・始点を意識させたのか、過去から現在・未来への過渡期を描くような、壮大なストーリーの序章にも感じられる作品が目立ちました。  新しい自分になる、あるいは何かが始まる……そんな期待や躍動感でわくわくさせてくれる作品が多いかったですが、中でも受賞作は主人公の成長や展開で、物語の“これから”を強く意識させてくれたように思います。

大賞(賞金3万円+選評)

周囲の目を気にし、恋人に別れを告げたリッコ。しかし彼に請われ、水曜の放課後、一時間だけの逢瀬を重ねることになり――。友達の噂話に怯えたり、周囲の圧に負けてなし崩しに付き合ってしまったりと、等身大の高校生の恋愛が描かれていました。一度別れたからこそ自分の気持ちに気付いた主人公の、ラストの行動には思わず笑顔に。甘酸っぱくも応援したくなる、まっすぐな青春恋愛ストーリーでした。

準大賞(賞金2万円+選評)

バレー部キャプテンを押し付けられ、実力が伴わないことを部員たちに馬鹿にされる主人公。しかし密かな練習の末、ある必殺技を身に着ける――。アオハルの魅力が詰め込まれた、さわやかなお話です。状況描写が丁寧なので、バレーの細かなルールを知らなくても楽しく読むことができます。少しずつ成長していく主人公のを応援したくなること請け合いです。

入賞(賞金1万円+選評)

病気がちで入退院を繰り返す恋人と、彼女を見守っていく主人公。毎年想い出を少しずつ積み重ね、七年目を迎えたその日、二人の関係に終止符が打たれることになる。静謐な世界観を伝えてくる文章が、恋人との儚くも幸せな日々を過ごす主人公の心を丁寧に表現しており、強く感情移入しました。二人の関係が変わる日の日付が4月1日というのも、じつに意味ありげで印象に残ります。

佳作

五分間だけしか記憶を保てない主人公は、訪れた美術館で笑顔の自分を描いた肖像画に魅入られる。こんな境遇の自分に、こんな表情ができるのだろうかと思うのだが……。己を蝕む病に絶望し、不安を募らせる主人公の心を支え、受け止め続ける周囲の人々の優しさに心を打たれます。何度でも忘れてしまう彼女に何度でも想いを告げる存在とのラストのやりとりは胸が温かくなりました。
結婚式を翌日に控え、幸せの絶頂だった主人公を襲う事故。恋人を喪った主人公は、彼女とのお気に入りの場所である喫茶店を訪れるのだが……。物語が進むほどに感じられる矛盾、その理由が明らかになった時にわかる悲しい真実。すべてが明らかになってなお、悲劇を受け止め優しく微笑む主人公の姿に、涙が止まりませんでした。悲しみを背負いつつ前を向く大切さを教えてくれる、希望と再生の物語です。
喫茶店のウエイトレスと常連客。忘れ物をきっかけに親交を深める二人だったが、一人の男が現れ、主人公を“魔女”と呼び――。青春ドラマのような甘酸っぱい序盤から、話が一気に急展開する中盤、そして意外性に満ちた終盤。主人公の秘密と苦悩を描くストーリーテリングが絶妙です。永く呪いに縛られながら、健気で優しい心を持つ主人公がかなしくも、とても魅力的でした。
奴隷として生まれ、生きてきたソラ。奴隷解放軍の少年と出会ったことで教養を身に着け、希望を見出すが――。知恵をつけたことで降りかかる悲劇が衝撃的でありながらも、実に現実的。希望が反転するようなラストはなんともやるせません。サラや奴隷たちのこれからに光や希望があってほしいと思わずにはいられませんでした。
一人暮らし開始早々に心霊現象に悩まされる主人公。相談した知人から、霊感の強い女性を紹介されるのだが……。物語の構成が上手く、二段構えのオチにしてやられました。語りのテンポの良さもあいまって、一気に読めてしまいます。ラストは色々な意味でゾッとし、強烈な余韻が残りました。

超短編賞

2019

SF 完結
4分 (1,905文字)
とあるウイルスの蔓延がきっかけで、30年の間に人口が半分以下となった人類。社会機能が損なわれるのを防ぐため、人工知能で動く機械が導入される。ウイルスが蔓延する前の最後の一年である2019年へ時間を巻き戻し、それを延々と繰り返している世界。人類の代わりとなった人工知能たちが過ごす、閉塞感にあふれた未来描写が息苦しくも魅力的です。ラストがとても前向きで可能性を見出す終わり方も心に残りました。

続きが読みたい賞

大地震によって日本の三分の一が海底に没した世界。スポーツを通した復興支援で離島を訪れた元プロバスケット選手の主人公は、そこで眩しいほどの才能に出会い……。重たい舞台背景と1on1での軽やかな描写が、鮮やかな対比になっていました。二人の決意と躍動感がひしひしと伝わってきて、この出会いが彼らの未来をどのように変えるのか、ぜひ続きを見てみたいです。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2022年3月23日(水) 12:00:00 ~ 2022年4月24日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年6月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第171弾です。 今回のテーマは、「今日から私は」です。 どこかに必ず「今日から私は」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・今日から新社会人!気合を入れて出社したら、仮面をかぶった上司が現れて!? ・無事出産し、母親になった。けど夫はどうも、父親になった自覚が薄いようで……。 ・今日から幽霊になった私が最初にやるべきこと。それは私を殺したあいつへの復讐……。
何かが始まる最初の日には、期待や不安など、様々な感情が渦巻くもの。 そんな「今日から私は」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第172回のテーマは「私にしかできないこと」です。 本コンテストと平行する形で2022年4月13日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第172回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト