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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第178回「夏の夜」
 夏の夜、というワードは日本人の心を強く掻き立てるのか。応募数が多いと同時に、アイテムやシチュエーションが偏りやすく、選考の難しい回でした。  設定や読み口が似通った作品が多い分、構成・演出やリーダビリティが意識されているか、その上で作者の個性が見えるかといった、細やかな工夫などが見えやすかったように思います。  また発想がおもしろい作品はいつもより印象に残りやすかったです。

大賞(賞金3万円+選評)

夏休み目前、放課後の教室で雑談する主人公とその想い人。祭りの夜に会えたら、という約束とも言えない言葉を交わし、主人公は期待を胸に祭りを回るが……。“夏の夜は願いでできている”というフレーズがキャッチーで心に残り、1ページ目だけでも超短編として完成されています。その後は甘酸っぱい青春のやりとりが繰り広げられる……かと思いきや、まさかの展開に胸がぎゅっと締め付けられました。せつなくも忘れがたい、まさしく夏の夜のような余韻が残るファンタジー作品です。

準大賞(賞金2万円+選評)

寮生活を送るアレックスの元にかかってきた、幼馴染からの電話。曰く、事故で亡くなった友人からメッセージが届いたらしいが――? 亡き友人が残した“夏の夜空を探して”のメッセージ。謎を解いていくワクワク感と、もう会えない友人を思う切なさのギャップがせつなく、心に響きました。ノスタルジックな空気感が読んでいて心地よかったです。

入賞(賞金1万円+選評)

花火工場の次男で、書き入れ時の夏には良い思い出がない主人公。高二の夏、初恋相手でもある兄の彼女に誘われ、二人で花火大会へ行くが――。気を遣われていた頃のエピソードも、今回の主軸のエピソードも胸が苦しくてたまりませんでした。叶わない横恋慕。花火が華々しく咲けば咲くほど惨めになる気持ち。この先、主人公が気持ちに折り合いをつけて前を向ける日が来るのを祈りたくなる作品でした。

佳作

塾講師の主人公。受験の天王山である夏はいつも大忙しだが、今年は去年に輪をかけて忙しかった。原因は辞めていった元同僚にあって――。“主人公”タイプの元同僚が行動した“正しい事”は、残された者たちにとって、ある種の負い目やわずらわしさになっているというヒューマンドラマ。世界は綺麗事だけでは回らないという嘆きがひしひしと伝わってきて、読んでいていて切なくなりました。考えさせられる作品です。
校内きっての秀才・天沢に連想ゲームで勝負を挑んだ胡桃。実は罰ゲームにかこつけて、彼を花火大会に誘うという企みがあって――。飄々としている天沢と翻弄される胡桃。二人のでこぼこコンビ感が微笑ましく、テンポも良いので、最後まで楽しく読み進められました。堅物かと思われた天沢の本音は胸キュン必至。二人の次の勝負も見てみたいです。
大福のようなフォルムをした謎生物“ゆきうさぎ”。かわいい冬の風物詩だが、夏に取り残された彼らは厄介者に変わる。『ゆきうさぎ出没注意』という書き出しにインパクトがあります。テーマと相反するワードに、どんな物語が始まるのかワクワクしました。かわいらしいのになんとも厄介で、真剣に悩む主人公に同情してしまいます。気楽に読めて癒される現代ファンタジーでした。
浮いて嫌われることが怖くて、髪型も服装も自分の好きにできない夏美。夏祭りの夜、女物の浴衣を着て綺麗に化粧したクラスメイトの男子に出会い――。学校という小さなコミュニティの中ではみ出すことへの恐怖心に共感して読み進めました。それでも自分らしくありたいともがく様子、花火に願う新しい視点によって前向きになる展開が心に響きます。花火と心を重ねたラストの一文がとくに素敵でした。

超短編賞

暑がりな夫と寒がりな妻の、夏の夜のエアコン設定温度をめぐる戦いを描いた超短編。寝不足だと言う夫に、妻は寝室を分ける提案をするのだが? 口論が繰り広げられるのかと思いきや、まさかの夫の主張と寝不足の理由。妻と反応がシンクロすること請け合いで、思わず笑顔になってしまいます。

続きが読みたい賞

上司のミスを押し付けられ、やめていた煙草をベランダで吸っていた武井。ひょんなことから一階に住む女性の部屋に招かれ、素麺を食べることに? 相手のペースに呑まれてつい出てしまう本音の人間らしさに親しみを感じました。地に足の着いた大人たちでありながら少しの味付けが個性的で、二人のこれからの関係も読んでみたくなりました。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2022年7月13日(水) 12:00:00 ~ 2022年8月14日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年10月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第178弾です。 今回のテーマは、「夏の夜」です。 どこかに必ず「夏の夜」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・好きな子を夏祭りに誘った。この花火が終わったら告白するぞ……! ・夏休み最終日の夜、慌てて宿題を片付ける僕に、兄が手伝いを申し出る。しかし交換条件があって? ・地域主催の、夜の学校での肝試し。最後のペアが戻ってくるが、一人いなくなっていて――。
夏はイベントが多く楽しい季節。しかし夜のじめっとした暑さは、寝苦しいのが困りものです。 そんな「夏の夜」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第179回のテーマは「ゆるさない」です。 本コンテストと平行する形で2022年7月27日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第179回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト