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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第205回「夏の終わり」
 年々暑さが長引くなか、果たして夏の終わりとはいつなのか? そんな疑問が反映されるように、明確な季節の終わりというより、登場人物の心の切り替わりやそのきっかけを描いた、ドラマチックな作品が多数寄せられました。  また夏休みの終わりを区切りとする発想はやはり多く、必然的に学生を主人公とした青春作品が目立っていました。結果として、さわやかな読み心地をたくさん味わえる、夏の締め括りに相応しい回になったのではないでしょうか。

大賞

校長の息子という立場を利用し、いつもプール授業を見学している深山。同じくプール見学組の浅間は、ある事情から深山に話しかけるのだが――。深山の強烈なキャラクターと、そんな彼と距離を縮めたがる主人公の動機で、序盤から読者の興味をがっちり掴みます。2人が親しくなっていく過程も丁寧で、構成が巧みでした。長かった夏を超えた彼らの成長と友情が、さわやかな余韻を残します。

準大賞

両想い間違いなしと思われた相手にフられ、ショックのあまり教室から飛び降りようとしたところを間一髪、担任に止められ――。感情のまま突っ走る主人公と、ちょっと頼りなさげでも人の好さが伝わってくる先生のかけあいが絶妙におもしろいです。序盤の勢いを保ったまま最後まで駆け抜けるので、読んでいて元気をもらえます。特に主人公の最後の台詞の力強さが最高でした。

入賞

365日暑がる“万年夏女”の主人公。ある日、不思議な夏祭り会場でお面を被った少年に助けられ……? 序盤の「一本くださいな」の部分はぞわっとしますが、少年と祭を楽しむ描写はワクワク感に溢れており、最後まで主人公の気持ちにシンクロしながら楽しめます。綺麗にまとまりつつも、まさかの展開を見せるオチが強い引きになっており、ぜひ続きを読んでみたい一作です。

佳作

引越し先の田舎町で出来た友人に、川へ行こうと誘われた主人公。目的を訊ねると、行方不明の弟の死体を探すと言い――。少女が主人公と親しくなった理由に、心まで冷たい水の底に沈んでいくような気分を味わわされます。淡々とした語りで、激しく心を揺さぶるような描写はありませんが、それがラストの絶望をより深く引き立てていました。
山奥で暮らす父娘はある日、狐用の罠にかかった男と奇妙な赤子を見つける。怪我が治るまで、彼らを家に置くことにするが――。無骨ながら人の好い父と、元気で可愛い娘。彼らがなぜ山奥で寂しく暮らしているのか、明かされた真実は凄惨ながらも悲しく、やるせないです。盲目の僧と不気味な赤子もミステリアスでキャラが立っており、中~長編で読んでみたいと思いました。
夏の終わりに“夏送り”をすることで秋を迎える。そんな地域の伝承を聞いた圭祐は、幼い頃の不思議な体験を思い出す。郷土史をベースに、生者や死者の様々な想いが交錯し、真綿のようなせつなさがやわらかく胸を締め付けます。田舎町のノスタルジックな雰囲気もよく出ており、世界観にどっぷり浸れました。
ドラゴンを狩るため、村長の娘ベルは宮廷薬師に嫁ぐことに。そんな時、ベルはドラゴンと意思疎通できることに気付くのだが――。ドラゴンの巣立ちが、そのまま主人公のモラトリアムの終わりを表しているかのようで、壮大なロマンに溢れていました。個々人の感情にフォーカスしつつも、現代における人と獣の共存にもつながる物語で、非常に考えさせられます。
河童と人間のハーフだという彼女は、冬の間は冬眠してしまうため、夏が終わるとしばらく会えなくなるらしく……? 素っ頓狂なアイデアをしっかりラブコメに落とし込む手腕がお見事でした。ヒロインが可愛いのはもちろん、包容力のある主人公も魅力的です。そんな2人の軽妙なテンポのやりとりにほっこり癒され、いつまでも見ていたくなります。

超短編賞

彼と一緒に海へ行きたい彼女と、なんとか思い止まらせようとする彼氏の、なんてことのない会話劇。うだうだした彼の言い訳をするどいツッコみで流しながらも、最終的には聞き入れてしまう様子にくすりと笑ってしまいました。はたしてこのカップルが海へ行ける日はくるのか、気になるところです。

続きが読みたい賞

話したこともないクラスメイトの男子に、ファッションコーディネートを頼まれた市夏。好きな子に告白するためという前向きな理由に、協力を決めるが? 普通なら関わることのなさそうな2人が、ファッションを通して仲を深める姿が活き活きと楽しく描かれていました。猪突猛進気味な彼にたじろぐ市夏、2人のこれからの恋模様から目が離せません。

トンデモ賞

夏の甲子園決勝。熱い夏を締めくくるそのイベントには、天界の神々も熱い視線を向けていた。「勝利の女神が微笑む」という定番フレーズを、この発想に繋げたことに脱帽です。笑うことで試合の展開を左右してはならない、と堪える女神様がシュールで愛嬌たっぷり。まさかの神々の影響も、それに負けない青春の輝きが眩しい一作でした。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年8月23日(水) 12:00:00 ~ 2023年9月24日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年11月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第205弾です。 今回のテーマは、「夏の終わり」です。 どこかに必ず「夏の終わり」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・夏休み、母の田舎で出会った少女と仲良くなった。けど休みの終わりと共に、家に帰る日も近付いて……。 ・空に浮かぶうろこ雲に夏の終わりを感じていた……が、それが雲ではなく、巨大な魚の鱗だと気付いて!? ・夏の締め括りに廃墟で肝試し。何も起こらず帰ろうとした時、ふいに夜風が涼しく、どころか冷たくなって……?
夏の終わりは暑さがやわらぎ過ごしやすくなりますが、無性にせつなく感じてしまいますよね。 そんな「夏の終わり」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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次回予告

次回、妄想コンテスト第206回のテーマは「発見」です。 本コンテストと平行する形で2023年9月13日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第206回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト