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夏の海辺に魅せられて……

小説 その他

寸止め愛好会『tomete』

夏の海辺に魅せられて……

和美

あの海辺での出来事を、私は一生忘れない。

完結

39ページ

更新:2016/09/19

説明

☆☆☆寸止め愛好会主催『tomete』☆☆☆


ーー夏の海辺でーー



あなたは『夏の海辺』と聞いて何を思いますか?

恋人との甘い思い出?

家族で楽しく遊んだ思い出?

はたまた、犯人を崖っぷちに追い込んだスリリングな思い出?


十人十色、色々あるはず。


これは、たくさんの個性豊かな作者が贈るアンソロジー作品集(予定)。


笑いあり?涙あり?

珠々の作品をお楽しみくださいませ。



※こちらの作品本文は、開催期間中はルールブックのみになります。

投稿作品はレビュー欄になります。

お間違えのないようご注意くださいませ。


イベント期間
8月26日18:00~28日18:00


第一回『tomete』アンソロジー作品
[リンク]

参加者様

依代
金子@里見拓
マッシー@里見拓(両里見拓の合作)
菊池 策
北沢あたる
霧内杳
紗綾
白黒 ねこ
星奈
ノリアキラ
南野 喜媚
蓮花
んりょっぷ
【サークル参加者】
神楽彩葉
きたむら慧
ことは りこ
橘 かすみ
和美
巴世里
日高さつき
heiko
MARI
(五十音順・敬称略)


※参加者様リンク[リンク]

イベントイラストは巴世里さんより[リンク]

主催『寸止めラブ愛好会』

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作品レビュー

日高さつき
日高さつきさん
【作品】夏の海辺に魅せられて……についてのレビュー

「どこ行ったんですか、もう……」

今私は家から1時間程かかる海水浴場へ来ているが、一緒にいたはずの連れとはぐれてしまい必死で探しているところ。

大勢の客でごった返していて、見つかる気配がない。

あの人、目立つ容姿なのに……夏の太陽が肌にジリジリきて、疲労感が増す。

普段はインドアで家に籠ってばかりの私にこれはキツい。なのに強制的に連れ出されて、挙げ句……。

うん、もういいや。監視員の人にお願いして呼び出してもらおう。その方が早い。そう思って踵を返すと、

「……あ」

10m先に連れの姿。周りには連れをナンパしていると思われる男3人。

まぁ、あの人美人だもんな。声かけたくなる気持ちはわかる。でも……。

おっと、そんなことより早く合流しなきゃ。熱い砂浜に耐えつつ小走りでそちらへ向かう。するとその途中で私に気付いたようで。

傍に近付いた途端、凍りついた目をして睨み、

「……ちょっと、どこほっつき歩いてんのよ」

その目と声に辺りの空気が一変。そしてナンパ男の1人が一言。

「え、おねーさん、オトコ……?」

他の2人は口をあんぐり。連れ……もといレンさんは見た目は水着を華麗に着こなす美人。しかし生物学的には男。所謂……おネエ。

そんな周りのことなど全く気にせず、

「ホラ、さっさと行くわよ」

私の腕をぐいっと引き、指を絡ませ手を繋ぎ、そのまま引きずるようにしてその場から移動しだした。

この女より美人なレンさんとちんちくりんな私の関係は……恋人。なぜかお気に入り認定され、無理矢理付き合ってる状態。

強引ドSで正直疲れるけど、逆らえず逃げられずってところ、だ。




「イダっ……もう、痛いですって、レンさん!」

絶世の美女も中身は男、握力はかなり強い。強く握ってきて、潰されそうなくらい痛い。

そこまで強く握らなくてもいいのに、と思っていたら。

「こうでもしないとまたはぐれちゃうでしょうが……」




「…………」

そう言ったレンさんの頬が赤く染まっている。

それは夏の日差しのせいではない、そんな気がした。

《終り》

※修正バージョンです

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2016/08/29 21:07
コメント
南野 喜媚
南野 喜媚さん
【作品】夏の海辺に魅せられて……についてのレビュー

【釣り】


照り付ける夏の陽射し。海風と途切れない波の音。
また船が通り、大きな波が打ち寄せる。

漁港のはずれ。静かな防波堤の上には、濡れねずみの人間。

「……何で、泳げないのに、海釣りなんかに来たんです」

ずぶ濡れのエリックはへたり込み、肩で息をしながら唸る。
だが、焼けた地面に転がった彼女は背を向けていて、時折咳込むだけで返事は無い。


海釣りに行きたいと言い出したのは、同居人の刃だ。
バスで30分行けば、漁港へ出られると知った途端だから、思い付きだろう。
成り行きでついて来たエリックも、実は海は初めてで、どこか浮足立ってはいた。
連れはもう一人居たが、来て早々、興味にかられて姿を消している。


岸壁の端で釣り糸を垂らし、海を眺める。

一向に釣れない。

エリックの、長めの髪を潮風が揺らす。
強い磯の香りにも慣れてきた。足元には、小魚がたくさん見える。水平線まで目を上げれば、青の色が変わっている。
海とはこんなに不思議なものかと、一人感心する。


不意に、大きな水音がして、振り向く。

見回せば、誰も居なくなっていた。




「ちょっと、聞いてるんですか」

咳込みもしなくなった、刃の肩を引く。
難無く仰向けになった顔は、眠っているようで、薄く唇が開いていた。
前髪が落ち、額が出た様子が妙に幼く見え、エリックは戸惑う。

ふっと、海中で見た姿が脳裏をよぎる。


長い髪が広がり、弛緩した顔は白く、別人のようで、ぞっとした。

同時に、刃が女性であることを思い出す。
普段は、名前の通りに鋭利な視線と乱暴な言動で、気にも留めない事。

濡れた服が、体のかたちを透けさせている。

急に、頬へ熱がのぼった。
肩から、手を離す事さえ出来ない。


「タオル、借りてきたよ」
降ってきた声にとびあがった。

見上げれば、もう一人の同行者。二人を海から引き上げた、サトルだ。

「どうしたの?」

エリックは声すら出ない。
顔が赤いよ?と、心配げに顔を覗き込まれ、震えるように首を横へ振れば、
刃が笑い出した。

「すんげータイミング!どこで見てたんスか!」
「おや、また悪戯しようとしてたの?」

寝転んだまま腹を抱えて笑う彼女を、エリックは茫然と見下ろす。

「…あなた、わざと?」
「いや?泳げねぇのはホントだよ」


彼女がまた海に落とされるのは、もう少し後の事。

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2016/08/28 17:32
コメント(10)
んりょっぷ
んりょっぷさん
【作品】夏の海辺に魅せられて……についてのレビュー

かき氷だ、イカ焼きだ、ビールだ。

サークル仲間と海に来ていた俺はそれはもう夏の海を満喫していた。

海で遊ぶ水着の妖精たちの顔を見て、そのまま視線が体に向かうのもご愛嬌。

最高の海である。

だが時に体はそれを中断せよと迫る。

しかし同じ志を持つ者たちが女子トイレのような渋滞を男子トイレで起こしていた。海の家から下剤でも提供されたのだろうか?

これは俺もトイレットペーパを一つ拝借して野性動物の真似事をするしかないだろう。

最大の禁忌だとしても時には犯すしかないと信じて、人気のない海辺で海パンを掴む。

そして、こけた。

目の前には海。

そこからなぜか出てくる美女。

俺のピンチが加速する。

腹が猫の喉のようにゴロゴロと音を出し、体内は速達便を発送寸前なのに目の前には女がいる。

「貴方が落としたのは金、銀、紙、いずれのトイレットペーパーですか?」

金属のペーパーだ。勇気をだしてふいてみよう!

って、無理だろ。

紙を選べって?

無理だ。海水でビチャビチャなんだよ。

だが俺には選択肢がない。

目の前の女神?はさらに付け加えるのだ。

「貴方が落としたのは、金銀銅のいずれの海パンですか?」

俺はどうやってこけたんだ?

それよりも海パンが先か。

ゴールド、シルバー、ブロンズの海パンをはいてビーチで光輝けと?

それは危険だ。ギラギラと照らす太陽により下半身が死滅するじゃないか。

だいたい俺の海パンはどうした?

いや、それよりも問題がそこまで来ている。

ふと思うが日本は水洗トイレだ。

目の前には海。

……良いよな?

しかし女がいては羞恥プレイだ。適当に選ぶとするか。

俺は指を伸ばす。何もなければ言葉も出ただろう。

「夏男くん。座り込んでどうしたの?」

「おわたぁ!」

サークル仲間の声だった。しかし、今は海の怪物クラーケンやリヴァイアサンよりも怖い。

声をかけるために肩を叩いただけかもしれないが俺は激しく驚き、背後にいた者を背負い投げていた。

その人は俺のトイレ(予定)に落ちてゆく。

それを何の感情もなく見届けていた女神は今までのように水着姿の人間を持ち上げて言った。

「あなたが落としたのは、1秒、10秒、1分、いずれの時間のおネエですか?」

1対4のハーレムと笑う暇はない。俺は呆然と立つ。

三人に増えたサークル仲間の目が今……。

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2016/08/28 16:28
コメント(11)

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