taurus042374

いや、正直ここまで心底惚れ込む物語になっているとは思いませんでした。今までのどの章よりも内容が濃くて、でも煩くなりすぎず、なんとも不思議な安心感をもって着いていく事ができました。 私の家族も、実は黄家のような華僑に助けられた事がありました。私の母方の曾祖父は、ずっと戦時中から東南アジアで行方不明扱いになっていて、日本政府は力及ばずだったのですが、母と同じ職場だった華僑の血を引いた方が、わずか数か月で見事に調べあげてくれました。おかげで私の母方の家族にようやく心の平和と立ち直り、再び前に踏み出すきっかけが与えられたのです。生涯感謝していきます。 しかし、私も常々思うことですが、世の中には鬱陶しいぐらい偏見やしきたりに縛られている人たちが多いですね。私も養子縁組は大賛成派です。施設に幾らでも機会さえ与えられれば世界に通用する才能を持つ子はたくさん居て、順風満帆に育っている子供達より遥かに大人で忍耐強い彼等の様な子の助けになりながら、自分も彼等から沢山勉強させられるのだろうなと思います。 物事や人の本質を見るというのは、これまで私が教育役に回るたびに生徒達に言ってきたことであり、大学生時代に海外の病院でボランティアをしながら辿り着いた人生観です。貴女のこの素晴らしい作品に触れることができた人は、皆それぞれ何か自らの糧に出来るものを見つけ、宝物にして行く事でしょう。
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