人間椅子

虫けら かなり迫力のある心理描写でしたね。 心の弱った男が自分の逃道を、残された思考回路で探そうとする姿はネガティブな意味で共感します。 また、実のところそれが如何に自分勝手であるのかも頭では分かりながら というところがリアリティに溢れています。 さらに リアリティのあるオチとしては、一見尻切れぽいこの形がベストとはいかなくてもモアベターといえるのではないでしょうか。 つまり、物語としては尻切れ気味でも完成度としては高いようにさえ思えるから不思議です。 二話目 すいませんタイトルがウル覚えなので、こうさせて貰いました。 作風としては虫けらと似ていますね。 また、自身で書かれた後書きをもって完結させる手法とは初めての出合いでした。 ただし、この後書きで読者は誘導され自分なりの解釈を「持ってはいけない」ような感覚に至ります。 つまり、読者は物語を通じた代理経験を持てなくなり、読む楽しみを奪われてしまうのです。 全体を通じて思うのは、作者さんの文章力はかなり高いという点ですね。 中学生の作文が大半をしめるエブリスタの中では、ここだけでも光っていますし、 まるで痛みを感じないゲーム世界のような物語が乱立するエブリスタの中において、この男達のリアリティある苦しみは特筆にあたいすると思いました。
2件・5件

この投稿に対するコメントはありません