日向夾

ストーリー:A  夏休み最終日に宿題を一気に消化する。計画的でない学生なら恐らく一度は経験した、もしくは経験しかけた事があるのではないでしょうか。そんな昔が懐かしくなる導入から一転しての、悲しくも微かに未来への希望を感じさせる終わりへとつなげる話の構成は、夏の終わりに相応しい物語だったと思います。 キャラクター:A-  年相応の明るさと(いい意味での)能天気さを持った少女と、死を目前に控え僅かな厭世感を漂わせる先輩。二人とも頁数に対してそこまで出番が多い訳ではないのに、しっかりと特徴をとらえた描写がされていたように思います。 表現:B  単語の誤用。調度→丁度。他にも漢数字とアラビア数字の両方を使用するなど、修正の余地が散見されたため少し低評価に。 総合:A  他評価で触れられていた地の文と会話文を区切らずにつなげる手法ですが、自分はそこまで気にはなりませんでした。むしろ(その一文を強調する目的があったのかもしれませんが)、思い出したように会話文と地の文が分けられていると、一貫した表現方法がとられていないように思えて、そちらの方が気になりました。  また、文章そのものにも違和感がありました。端的に言えば、この作品は一人称で書かれたものなのに、後から人称だけをいじって三人称の文章にしたのではないか、と感じました。そう感じた理由として、冒頭で用いられた「我々」という表現、地の文でも変わらない「葉瑠先輩」という呼称等の文章全体から感じる一人称視点的な雰囲気が挙げられます。まぁ、これは個人的に気になったというだけですので、そのまま流してくださって構いません。  評価は以上になります。では、失礼しました。

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