栄妙子

とりあえず『復讐日記』を完読いたしましたのでレビューを差し上げます。 最初に書かれていた学歴至上主義の少年の話だけでもインパクトがありました。 続いて少年が恋した少女の話も、次々と謎が解明されてゆく爽快感と、狂気と絶望の果てを描ききったストーリーがすごくて、目が離せなくなりました。 サイドストーリーも意外な展開に驚き続けて一気に読んでしまいました。 私自身も精神障害者なので、かなり共感できる部分が多かったです。 特に人間に神経を使う事が嫌でたまらない時に読むと、「そうそう!」と叫びたくなる程、彼等の闇に引き込まれました。 特に山本恭子の『復讐日記』は、本当の絶望を知らない人間には書けない世界だと思いました。 個人的に斎藤美希とチアキの話が一番気に入っています。 精神障害者の妄想と呼ばれても、親友であり自分自身でもあったチアキが、最後に語りかける場面に感動しました。 私自身も美希とよく似た体験をしていたので他人事とは思えませんでした。 キレイゴトに反発する主人公達の言動は、私が叫びたいくらい辛い気持ちを代弁してくれているように感じました。 ここまで心の闇を深く追求してくださった作者に、厚くお礼を申し上げます。
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