赤羽道夫

読了しました。 古い話で恐縮だが、その昔、木枯らし紋次郎というテレビ時代劇がありました。 その主人公である、紋次郎は渡世人で、行く先々で事件に遭遇します。 でも水戸黄門と違って、「あっしにはかかわりあいのねえこって」と言って、積極的に正義を示そうとはしない。そこに孤独でニヒルな男のカッコよさを見いだせる。 このシリーズにおけるクロス(シン)の、そんなハードボイルドなところに魅かれてしまうのかもしれないと思いました。 本作品は外伝ですが、やはりそのスタイルには変わりなく、周囲の人々が人生を変えていくような境遇に陥るも、あくまで自分を貫く。他人に振り回されない芯の強さがにじみ出て、すごい存在感を放っていました。 クロスとともに行くアランもギンジも、そのオーラに食われてしまっているようでした。 魔女にまつわる登場人物たちも、すさまじい試練に見舞われていくのに、なぜかクロスにだけ目が行ってしまいました。 キャラが立つ、というのは、こういうことなのだ、と思いました。
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熱のこもった感想ありがとうございます。 ていうか、さすが赤羽さん、鋭いですね。 幻剣シリーズは様々な作品(小説に限らない)の影響を受けていますが『木枯らし紋次郎』はその中でもかなり強く影響を受けた作品の一つです。 主題歌『誰かが風の中で』(上条恒彦)をBGMに書いていた時期もありますw 人生の厳しさ、生きていくことの哀しさ、そういったものを踏み越えていく男の強さ、というようなものを少しでも感じてもらえたなら作者冥利に尽きます。 本当にありがとうございました(*´∇`*)
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テレビシリーズが制作された当時、あの曲は、時代劇の主題歌としては画期的だったのではないか、と想像します。昭和の名曲。 具体的なモデルを設定して小説を書くと、登場人物が生き生きとするので、そこは見習いたいものです。 というものの、いいモデルを見つけられなくて、なかなか思い通りにはいかないですが。

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