赤羽道夫

タイムトリップと恋愛、とくれば、梶尾真治さんが思い浮かびますが、この小説も、梶尾SFの泣けるエンディングを期待して読み始めました。 期待を裏切らない作品でした。 恋愛物、というのは、正直苦手なのですが、SFという非日常的なシチュエーションにおくことにより、それがドラマチックになるので、どういう展開になるかハラハラします。 それと、このお話は長編なので、普通なら登場人物が多くなるところを、二人だけに絞っているところも、話が込み入る分、読むのに理解しやすかったです。 タイムトリップでは、どういう構成の小説にするか、書く前にきちんと設計しておかないと、ライブ感覚で書いていくと破たんしてしまいます。 本作は、それもなんなくこなせており、頭に入っていきやすかったです。 SF的な状況を小説としてどう読者にわかってもらえるのか、ぎこちない部分が見受けられましたのは、おそらくSF物をあまり書いていないのだと思いましたが、逆にそれがためにすごく丁寧な文章となっています。 SF物は、読みなれていないとわかってもらいづらいところが確かにありますので、そこは僕も悩むところです。 とにかく、長い話もたまには良いよ、といえる作品でした。
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とても丁寧なレビューをありがとうございました。 実は仲里依紗の『時かけ』を見て、やはり悲恋かとガッカリ。 「それならハッピーエンドのやつを自分で書くからいい!!!」となんだか気合いを入れて書き始めたものでした。 確かにSFは全く書けないし、ほぼ読まないです。 それでも凄く頑張って書いたので、読んで頂けて本当に嬉しいです。 面倒でなければぎこちない所教えて頂けると嬉しいです。 凄く大事にしている作品なので、より良くする為の参考にしたいので、お時間あったらお願いします。 本当にありがとうございました。
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はい、どうもお待たせしていました。 「ぎこちないところを――」ということですが、僕が感じたのは、冒頭です。いきなり、イントロなしでサビの部分が始まったようで、なにが起こったのか、瞬間、わかりずらかったです。 小説であるなら、まずは主人公がだれで、なにをしようとしているのか、という紹介からあって、それからおもむろに事件が起こる……という手順で作品に入っていきたい、と僕は個人的に思います。 僕は、てっきり麻実がトラックに撥ねられて、それがトリガーでタイムトリップしたのかと思っていたのですが、読んでいる途中でそうではない、と気づきました。 SFの場合、日常では経験しない事象を描きますから、なにも
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