いみ

「なッ……ん……?」 言っている意味がよくりかいできない。 それはつまり、この町を破壊するってことなのか? まぁ、そりゃぁ、なぁ……これがもし戦うために作られたロボットだってんなら、この町を壊すなんてこと簡単だろうけどよ……。 「いやー……マジか」 逃げなくては。 そんな気持ちは、何故か全く起こらなかった。もちろん立ち向かってどうするんだって気持ちは大いにあったけれど、 「悪いけど、そんな嫌いじゃないんだ、この町」 背負っていたリュックサックからヘルメットを取り出す。ロボットは既に腕を振りかぶっていた。構うものか。ヘルメットを被り、あご紐を締め、安全帯を取り出してきつく装着。ゴム製の安全手袋も装備して、俺は完全に仕事用の格好になった。 俺にとっての一張羅だ、戦うなら、この格好じゃないとなぁ! 「おい!ロボット女ァ!!」 俺が大声を上げた瞬間、ロボットはぴたりと動きを止め、俺に視線を向けてきた。その瞳は赤い光が強く光っている。 「お前!いきなり現れていきなりブッ壊しますとは腐った神経してんな!俺が相手してやるよッ!!」 『お兄さん、誰?』 「黒条建設工事課の西東天だ!テメェは誰だ!?」 『お兄さんには言ってもわからないよ、どうせ。魔法とか魔眼とか言われても、全然通じないでしょ?』 ……何だコイツ。魔法?魔眼?何だその最近流行りのオタク趣味みたいなのは。 知らん。もう知らん全力で知らん。 俺が時間を稼いだお陰だろうか、駅前に人は全くいなくなった。遠くからは警察のサイレンの音や女性の悲鳴のようなものが聞こえてくる。目の前には拳を構えた巨大ロボット。 異常な状況だと自分で思う。こんな土方の現場監督が、コイツに立ち向かおうって状況がそもそもな。
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お兄さんカッコいい…///

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