童子

『午睡のススメ』 最高の昼寝とは何か?――そんな疑問がふと沸いて出た。 睡眠とは人間に欠かせない要素である。これがないと人間は生きてはいけないものだ。人生の30%を占める、とても大きな存在である。 さて、最高の昼寝……それはどの様なものを言うのだろうか?いや、まず『昼寝』等という陳腐な呼び方を改め、『午睡(ごすい)』と呼ぼうか。するとどうだろう――ちょっとした<アレ>な状況でも、罪悪感が減る気がするのだ。そう、まるで根拠もない根拠がそこにあるかのような響きに感じるではないか! ただ注意して欲しいのが、ウトウトして船を漕いでいるのは昼寝――『午睡』とは呼ばない。それは居眠りだ。人目を憚らず、例え衆人環視の中でも堂々と眠るのが『午睡』である。勿論、居間や寝室で一人眠るのも『午睡』と呼べよう。 さて、そろそろ本題に入ろう。まず自分の貧困な発想力では、『最高』を冠する昼寝を想像できなかった。 この夏だったらクーラーの効いた涼しい部屋の中、優しげなピアノの音を聞きつつ眠りに就くことが最適かと感じる。むしろやってみたいものだ。 さて、今日は近所の入浴施設に行ってきた。急な話題転換に戸惑うかも知れないが、これは実は『午睡』に関係あることだ。 実はその入浴施設、露天風呂がある。そしてそこには、石の枕と数センチ程の湯が張られた石の浴槽がある。そう、言うなればそこは『寝湯(ねゆ)』である。 東屋により陽は遮られ、周囲は背の高い竹の塀に囲まれた、微かな風と遠くからの雑踏が聴こえる空間。実は最近、風呂に入る為でなく『午睡』をする為にその入浴施設にちょくちょく通っている。 この暑い中で風呂かよ、と思うかも知れないが……実は暑いからこそ風呂なのだ。少し温めの湯に浸る一風変わった半身浴に全身が暖まり、その火照った体温に――夏の風が心地よいのだ。 勿論、これには心構えも大事だ。『折角の休みだから何かしなくちゃ』――では無く、『折角の休みだから、何もしない!』と言う断固たる決意が必要だ。自分は、何もしないと言う贅沢な時間を堪能したいのである。 とまあ、長々と語ったが、皆様はどんな昼寝をしたいのかなと思った今日この頃。今後はエッセイ代わりに眠りについて、定期的にでも推察と研究を進めようと思う。 最高の午睡の為に。
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