いみ

少年の姿をまじまじと見てみると、彼はまだ中学生ほどの年齢に見えた。 幼さが全く抜けきっていないところを見ると、中学二年か三年だろうか。 彼の勇猛果敢な一面は、若さから来るものだろうと流歌は軽くため息をついた。 根拠もなく自信満々で、自分の実力と相手の力を冷静に分析できない。誰にでも訪れるものではあるが、魔眼所有者として名を馳せる自分に向かってくるとは……。 「で?護国課っていったい何なの?詳しく聞かせてもらってもいいかな?」 流歌の問いかけに対しても、彼は反抗的な態度を崩さず、噛みつくように吠えた。 「うるせぇ!お前なんかに話すことなんか何もない!!」 「どうして私に向かってきたの?勝てると思った?」 「クソッタレ……魔眼はもう使えなくなってるって聞いたのに……」 「おーいルカ!相手まだ子供やんかー。手加減したりー?」 「ゆー子、何よそれ!私が悪者みたいじゃない!」 流歌が友人に言葉を返した直後だった。少年がわめき散らすように言葉を放った。 「おい!!いい加減にしろ!降ろせよこのクソババアァッ!!」 その瞬間、流歌はさっと血の気が引いたのを感じた。 自分の悪口を、外で大声で叫ばない方が身のためだからだ。 何故なら、本当の意味で思い知ってしまうからだ。 圧倒的な実力差というものを。 「あのさ、君。私のコト、あんまり悪く言わない方がいいよ」 「はぁッ!? テメェ何言って────」 「化け物に襲われたくなければ、もう黙った方がいいよ」 しかし、案の定と言うべきか。 「はァ!? ワケわかんねーこと言ってんな!さっさと離せ!!」 少年は言うことを聞かない。それでも流歌は諦めずそれを止めようとするが、 「やっほぉ。るーちゃんの悪口、言った悪いコはどこかなっ?」 真の化物は既に、少年の背後へ現れていた。
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少年終了のお知らせ
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来ちゃった☆
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