年越し煎餅

久々の男子会 私の年齢になると男子だけで集まることが少ない。 特に週末であれば彼女と約束をしたり、同棲をしていたりと暇をもて余す男子を見付けるのは苦労する。 また暇な男子ばかりが集まるとメンバーも固定してしまって新鮮さもない。 「煎餅も今日は家事から開放してやるよ」 俺が聴講を受けている時に、そう言ってAが俺の席の隣に座って声を掛ける。 「何でお前が俺に許可を出すんだよ」 俺は講師の言葉に耳を傾けることを止めて、隣のAへジト目を向ける。 「ええやん。今日だけは風呂掃除も買い物も飯の準備からも開放されるし……気晴らしって必要やで」 Aは俺の視線を気にする素振りも見せず、ニカって笑う。 「お前な!知らんと思うけど、ウチのはキレると恐いんやぞ?それも食事に関してのキレ方は半端ねえし」 (これを読まないと思うけど、本当にすいません。ごめんなさい(;>_<;)) 「大丈夫やって!今日はウチの嫁がツレを連れて煎餅の部屋へ襲撃に行く予定やし」 こうして講義の半ばで俺はAに拉致される。 某チェーン店の居酒屋に集まったのは、男子八名。 車二台で八名までしか乗せられないのが理由だ。 車はパーキングに放置する。 上限額金額がしれているので次の日の昼まで預けていても安心だ。 「なあ、男子ばかりでむさ苦しくねえ?」 「やっぱ女子が居て欲しいよな?」 俺達は居酒屋に入って直ぐに頼んだ生中を一気に飲むと、既に今日開かれた男子会の意義が崩壊していく。
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「なあ、あそこ。女子ばっかじゃねぇ?」 バッタがキョロキョロと周囲を見回して指を指す。 「よし!四人しかおらんけど、行こか」 そう言ってギャッツが新しく来た生中を片手に掴んで立ち上がるとギャランが止める。 ギャッツは男性用塗料のCMに直ぐ影響されて自分のスタイルをCMのようにする。 それがあって仲間内から「ギャッツ」と呼ばれていた。 ギャランは揉み上げが長く、毛深い。 そして男くさいが、女子からはモテる。 仲間内からは「ギャランドゥー」から「ギャラン」と呼ばれている。 「絶対にひかれるって」 俺がギャッツにそう言うと、Aも「オケとは違うんやし」と同調する。 「え?オケなら良いわ

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