愛可

コバルト文庫賞で作品に出会い、読ませて頂きました。 作者さんには申し訳ないのですが 「う~ん…」というような、微妙な読後感でした。 設定・表現は素晴らしいと思います。面白かったです。 ただ、これは作者さんの個性なのだと思いますが、文章が淡々。 淡々としているからか、後半部のドロドロとした空気感は凄く感じられるのに 鈴音の先輩に対するドキドキ感は薄く感じました。 登場人物それぞれの心理描写が少なく感じられたので、余計に。 話の中心を祖父・祖母の話にされているからか、メインのはずの鈴音達の描写が「?」な所も。 例えば、亮と鈴音の出会いが、初対面での自転車の貸し借りだったのに、家は知ってる。 それを鈴音は不思議に思う素振りが見受けられない。 「何で自転車を借りたか」に対してのやりとりはあっても 「何で家を知っているか」に関してはなく、何故対面での返却でなく手紙なのかも不明。 きっかけは祖父・祖母で、亮が鈴音を「大切に」は思ってるのは宝箱とも言っているので分かりますが 「好きに」なる過程が不明確で、ラストシーンもしっくり来ませんでした。 青春・友情よりもファンタジー色が強いと思います。 後半(特に23章あたりから)のアクが強く、話の内容も割と重いので 個人的にはミステリーを読んだ感覚。 あと、これは好みの問題だと思いますが 少々不必要にエチ的描写が入りすぎかな、という気も… (鍵崎に襲われたシーンは必要だと思いますが 弟の雑誌と付随する描写は、必要だったかな、と。 出てきた場面にもよりますが、醸し出す空気感がねちっとしていて 個人的に少々不快だった部分もありました) 以下、話の本筋とは関係ないけれど、気になった点です。 全国大会も常連のオケ部、という設定にも関わらず 上下関係が緩い?と思われる、先輩後輩間の敬語のなさ。 (使っている相手、場面にムラがあるようなのでミス?なのかもしれませんが) 同様に、「わりぃ」と最初に言っていた亮が 適正テスト時は呼び捨て→小屋での話辺りでは「鈴音さん」に。 この辺りは亮が鈴音に対して敬語。距離感がはっきりしません。 数日にかけて読了しましたので、描写が書かれていながら 拾えていない部分がありましたら、申し訳ありません。 夏海の家庭…窮状なら、マヨネーズ作るより市販品を使った方がきっと経済的…とつっこんでおきます(笑)
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物凄く参考になるレビュー、心より感謝します。辛口レビューはクリエイターにとってはある意味『糧』だと思っています。作品を、ディティールの面や登場人物同士の自然な心理の面など、それぞれのご意見やご感想、仰る通りだと思いました。私は未熟者ゆえ、機会がありましたら他の作品についても、辛口レビューをいただけると嬉しく思います。本当にありがとうございました。

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