空音

一気読みした。一気読みさせるだけの力があった。 主人公(?)の村上くんの性格がいい具合にむかつく。所々出てきた物語創作の知識に関しては「へぇ~」と思わせるものもあり、そういう意味では「クリエイターが読んで面白い」小説になっていると感じた。 作中作、というオチであったから、その作中作に対して批評してよいのか疑問でしたが、いくつか「これはどうなの?」と思った点を。 (単なる私の読解力不足かも知れません。そうであったら申しわけありません。ただ、「私にはこう見えた」ということは事実です) 「これ誰の台詞なんだろう」と思った箇所が、たしか後半にありました(どこか、というのを覚えていないのは大変申しわけありませんが)。それから、村上くんが小学生だった、という叙述トリック(?)は、その根拠となる記述が初めの方に見当たらなかった分、新しい情報を提示されたというだけにとどまり、大きな驚きがなかった。 作中作というオチもまた、その根拠になるようなところが作中になく、「おや、なんだか作者が解説してるぞ」という気分になりました。作中作である、という点を生かした見せ方はもっと別にあったんじゃないかな、と。また、「携帯小説の可能性がもっと広がりんぐしないかな」というテーマも、あまり見えてこなかった。むしろ「携帯小説家の可能性」だろうか。 と、色々言ってしまいましたが、この作品は「うぉぉ!自分も携帯小説書きたくなったぁぁ!」と思えるような、自分の背中を押してくれるような、そんな作品だと感じました。 大変面白かったです。 ええと、そうだ、ここで私の作品の宣伝ですが、『0には希望を』というタイトr……
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