本小説は、明治時代における大陸、清国を舞台にした架空歴史小説である。 大陸(大清帝国)で暗躍する謎の男、狂雲子。彼に付き従う、女性参謀・兼軍師の竜胆(りんどう)。清国の為政者たる人物、李鴻章。太政官として日本の中央集権国家政策を担う、大久保利通。そして、大陸へと流れ着いた狼――元新撰組副長、土方歳三。 幕末の動乱を経て、日本が維新の時を迎えていた明治時代。大英帝国の支配を受ける大陸では、彼らを筆頭に大きな陰謀が渦巻いていた――。 『もしもあの歴史的偉人が、あの時こうしていたら。例えば、あの時死なず生きていたら――』 これは歴史を振り替えると、誰もが一度は考えてしまう一つのテーマかもしれない。 本作では、そんな架空歴史小説の成り立ちとして、対象となる中心人物に土方歳三が選ばれている。しかし、そこに過度に焦点を当て過ぎることは決してなく、当時の背景と予測出来る可能な範囲、またはそこから導き出される作者独自の見解から設定が練られている点は多大に評価されるべきである。ていうかこの知識量は一体なんなんだどうやってこんな世界観を作り出してるんだと未だに数分問い詰めたい衝動に駆られる辺りやはらとんでもないと感じる。 世界観だけに限らず、地の文の表現の幅の良さやその表現の着眼点。また、それぞれのキャラにも魅力的なものがあり、会話の流れもトンとして心地よい。過去の時代の背景を踏まえた歴史小説でありながら物語としての良さも充分にある。 そしてなんといっても、続きが気になる引きの良さ。何か全てが格好良い。 現行ページがまだ70頁しかないからと侮るなかれ。今後も更新がされていけば、いずれ特集に選ばれるであろう力を十二分に秘めている作品である。 幕末の歴史に楽しみを抱くことの出来る方、日本史や世界史の知識を持つ方には、架空歴史ものとしては今後是非オススメしたい小説だ。とにかく、エブでは個人的に一、二を争う程に今後の更新が楽しみな作品である。作者、ファイト!以上にござる。
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僕の小説概容よりも小説概容っぽくて笑った。テスト期間中にファイトは出来ぬ!!

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