学校という集団の酷薄な描写にまず無関心でいられない辺りは、或種湊かなえ氏の『告白』に近い印象を受けました。  所がそれを飄々とした『シビルアクション』風味の法廷スリラーテイストでコミカルに突っ切ったのは作者独自の感性で、  事件の背景より人間の背景が浮き彫りにされている気がします。  そして作風の真の狙いは有罪無罪より、正く審理無効に限りなく近いものを感じます。

この投稿に対するコメントはありません