川口祐海

成長(老化)が2倍の速度で進むという、 人類におとずれた未曾有の現象。 冒頭から── ワクワクが止まらない。 発想、展開、人物描写。 どれも素晴らしいのですが、個人的に特筆したいのは、その真に迫った描き方です。 この題材、SF書きなら全く違うアプローチで書くと思います。 人類が授かった新たな進化の兆しとして、肯定的に大局的に展開させるでしょう。 そうして進化とは何か、生物学的な人間の立ち位置とは何か、みたいなお馴染みの哲学に重点を置くはずです。 でも、この作品は真逆。 GDSの子を持つ親の視点から、耐え難い無慈悲な日常を通して、この現象を完全に否定的に描いている。 大きくならないで。 賢くならないで。 もうこれ以上進化しないで、と。 この描き方が生々しいリアルさを生み、読者をこのとんでもない小説世界へと引き摺り込んでいるように思います。 凄い。 ──さてさて。 185ページの時点でレビューしています。 この先いったい、どうなっていくのか。 とっても楽しみです(#^.^#)
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レビューありがとうございます m(__)m

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